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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第66回

ネットで変わるTシャツ文化 「東京Tシャツ部」管理人が語る

2010年02月22日 12時00分更新

文● 古田雄介

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新入部員が途切れない。圧倒的な安定ぶりの秘密は

―― では、東京Tシャツ部を立ち上げたきっかけを教えてください。スタートは、IT系の会社に入られて数年経った頃ですよね。

クラゲ はい。サイトを始めたのは社会人3年目でしたね。自分でもサイトを立ち上げてみようと思い、Tシャツ好きだからTシャツのファンサイトみたいなものをと考えたんです。ただ、そこで部活というスタイルを採ったのには、ちょっとしたバックグラウンドがありまして。

 サイトを始める1年くらい前に会社で部活制度を設ける取り組みができたんですよ。すぐにサッカー部や野球部などの定番の部活が作られたんですが、会社から部費が出るということで、雀荘代目当ての「麻雀部」や漫画喫茶に行くだけの「マンガ部」みたいなものを申請する人も出てきたんです。そこで、こっちも負けてられんという気持ちになって、友人と一緒に「Tシャツ部」を作ったんです。

 Tシャツ代を会社が出してくれたらいいなと思ったんですが、麻雀部などと同じく申請は通りませんでしたね(笑)。その経験があって、インターネットで部活をやったら面白いかなと考えたんですよ。

初心を忘れないように、「はじめに」の最下段にサイト立ち上げ当時のメッセージを掲載している。なお、当初のサイト名はテクノCDのタイトルをもじった「Tokyo T-shirt Tribe」だったが、わかりやすさを考慮して4日後に現在の名前に変更したという

―― ネットで部員を募るというのはユニークですが、当初はどんな規模のサイトを目指していたんでしょう。

クラゲ 個人が遊びで始めたサイトで、1000人集まったら面白いだろうなというのは最初からありましたね。その1000人で何かをするというわけでなく、ただ何となく集まっているという感じが面白いと思ったんです。

 

―― 部員1000人に達したのは、2006年9月14日ですね。サイト立ち上げから約4年経っているわけですが、その間もその後も途切れることなく部員が増え続けているのがスゴいです。普通は数年でピークを迎えて、あとは落ち込んでいったりするじゃないですか。この安定した運営には何かコツがあるんですか?

クラゲ 基本は定期的に更新すること。これが一番だと思います。最近は月に2回や3回くらいしかまとめて更新していないんですけど、それでもあまり間をあけすぎないようには気をつけています。そうすることで、サイトに「生きている感」が出て、現在も入部希望を出してもらえるのかなと思いますね。

 途中で更新が途絶えて廃れていってしまうサイトもたくさん見てきました。それもあって、サイトを始めた当初は「1年間毎日更新しよう」と決めました。毎日更新を続ければ、その後もペースを落としたとしても、ずっと続けていけるだろうという感覚があったんですよ。

 また、そうやって更新していくうちに、2~3年後には「Tシャツの交換会イベントをしよう」「Tシャツを作っている人にインタビューしよう」というアイデアがズンズン出てきて、色々と新鮮な取り組みができたことも大きいですね。

東京Tシャツ部の入部フォーム。ハンドルネームとメールアドレス、Tシャツへの思いを込めて送信する。このスタイルは2002年10月当初から変わらない。ちなみに、1200人以上の部員を抱えているが「今まで特に困ったことはありませんでしたね」という

―― 途中でモチベーションが落ちることはありませんでしたか?

クラゲ ありましたね。ただ、モチベーションだけに頼っていると、いつかダメになってしまうことは仕事柄感じていたので、いらないところで手間をかけないような自分なりの仕組みを作っていきました。

 たとえば「ネットでTシャツ販売を始めました」というお知らせのメールをいただいたら、本文をExcelにコピーして何月何日に紹介予定とメモする。それを繰り返して、予定日が来たら掲載するという流れを作りました。すると、何も考えずに少ない負担で定期的な更新ができるようになるわけです。そこに助けられているところはありますね。

 やっぱり長くやっていると、仕事が忙しい時期もあるのでハイペースな更新を常に続けるのは無理が出るんですよね。昔は強迫観念みたいなものがあって、朝から仕事なのに午前3時まで更新したりしていましたが、ある頃からもう諦めました。遅れてもできる範囲で更新はするから、それでいいと思う人だけアクセスしてくれればいいやと。

 実際、更新が遅いと言われることもありましたが、サイトの盛り上がりやアクセス数からみても、たいしてデメリットがないんだと思いましたし。そこからは、適当というのもいいのかもと考えるようになりましたね。

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