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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第66回

ネットで変わるTシャツ文化 「東京Tシャツ部」管理人が語る

2010年02月22日 12時00分更新

文● 古田雄介

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ネットでTシャツが作りやすくなると、サイトの閲覧者にも変化が

―― 部員数の変遷を見ていくと、長期的には安定しているものの若干のペース変化が見られますね。たとえば、部員数が400人から500人になるまでは2004年5月から同年7月のわずか3ヵ月と、非常に早いペースです。これにはどんな背景があったんですか?

クラゲ 当時は勢いがありましたね。でも僕個人が積極的に何かしたというわけではなかったので、1日に5人も7人も新入部員がくると、嬉しい反面、理由が分からないので不思議な感覚になりました。ただ考えてみると、2004年の頃は個人でTシャツを作る人がドーンと増えた時期なので、それが関係したのかなと思います。

 サイトを始めた2002年頃、個人でTシャツを作ってネットで売るには、タウンページなどでプリントしてくれる工場を探し、自分のサイトにショッピングカートをいちから構築するといった膨大な手間がありました。しかもプリント屋さんに注文する際の最小ロットが1000枚や1万枚という時代だったので、簡単には手を出せなかったんですよ。

 そうした情勢が2003年頃から徐々に変わってきたんですね。まず、ネットの普及でプリント屋さんの競争が激化しました。「Tシャツ 注文」とちょっと検索すれば「個人1枚からやりますよ」というサービスが見つかるようになったんです。そして、ショッピングカートも無料や低価格なものが登場して断然導入しやすくなり、あまりITに詳しくない人でも「あ、意外と自分でもできるのかな」という期待が持てるようになりました。そうした流れで、Tシャツを作ってみたいという人が一気に増えたのが2004年頃なんですよね。

―― なるほど。潜在層が爆発したという感じですね。

クラゲ そうですね。実際、サイトを始めた当時は個人のTシャツサイトが少なくて、1年間365人も紹介できないんじゃないかという状況でした。それから徐々に、新しいサイトを立ち上げた人からメールをいただくようになって、今ではネタが尽きるなんてまったく心配しなくていい状況になりましたからね。

 最近思うのは、サイトに来てくれる層の変化です。昔はTシャツ好きな人が集まる感じでしたが、最近は裾野が広がって、Tシャツを作っている人が見に来るサイトという側面が強くなったと感じるんです。Tシャツサイトのリンクを張ったら、その作者さんから「突然アクセス数が増えたのでびっくりしたら、リンクを張っていただいたのですね。ありがとうございます」みたいなメールが届くようになって。そういう連絡をいただくと、役に立っているんだって嬉しくなりますね。

―― 消費者中心から生産者も訪れるサイトに成長した感じですね。では、逆にペースが落ちた時期はどうでしょう。部員数が1100人から1200人になるまでは、2007年8月から09年6月までの2年近くを要しました。

mixiで「東京Tシャツ部」を検索すると、一般向けと、部員専用コミュニティがヒットする

クラゲ どうなんでしょう……。皆、mixiとかで忙しかったんじゃないですかね。そのちょっと前にmixiが流行りだした頃、東京Tシャツ部のコミュニティもできたんですが、そちらは承認制ではないので気軽に入ることができるんですよ。それに比べて、本サイトのほうは自分でフォームに入力して入部するという手間がありましたからね。そういうネット上の流行の影響はけっこう受けていると思います。

―― mixiが流行ったときは複雑でしたか? 一所懸命1000人集めても、mixiであれば1000人規模のコミュニティがあっという間にできてしまいます。

クラゲ いや、もう、ネット業界は移り変わりが激しいじゃないですか。10年前はmixiみたいなサービスができることも流行ることも誰も想像できなかった。しかも今は、mixiよりもTwitterが面白いという意見も出るようになっちゃって。

 そういうのがあるので、Tシャツ部としては、そういう旬なサービスを利用しつつも、本筋の仕組みは変えずにやっていこうというのがありますね。mixiでも通常のとは別に部員限定の承認制コミュニティを作ったりして。だから、勢いのあるサービスはすごいなと思いますけど、それで悔しいとか何かという気持ちはありませんね。

東京Tシャツ部のTwitter。200人超がフォローしており、Tシャツ情報などを発信している

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