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大画面テレビ&BD時代のサラウンド入門 第2回

ラックシアターで実現するリビングシアターの魅力

2009年11月28日 12時00分更新

文● 大塚 康一

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予想外に質の高いサウンド

ソニー本社の視聴室で実際に試聴してみた

ソニー本社の視聴室で実際に試聴してみた

 今回は、ソニーのラックシアターシステム(同社ではシアタースタンドシステムと呼んでいる)「RHT-G950」(実売価格11万円前後)を試聴した。32、40型の同社製テレビ「BRAVIA」に対応するサイズで、スピーカーはフロント+センター+サラウンド+バイブレーション・キャンセリング・サブウーファーという構成。バーチャルサラウンド再生は、ソニー独自の「S-Force PROフロントサラウンド」方式である。

 フルデジタルアンプ「S-Master」の採用により、本体内での音質劣化を最小限に抑え、原音に忠実な再生を実現したという。実用最大出力は470Wと充分で、ブルーレイディスクレコーダー/プレーヤーと組み合わせれば、リニアPCM7.1chの音声を始め、ドルビーTrueHDやDTS-HDなどの7.1chや5.1ch音声が再生可能だ。

 また、13種類のサウンドフィールドを搭載し、多彩な番組・映画・音楽を簡単に最適な設定で楽しめるようになっている。デジタル放送なら、EPGを利用して番組情報を取得し、サウンドフィールドを自動的に切り替えてくれる(スタンダード/ムービー/ドラマ/ニュース/スポーツ/ミュージック)。HDMIの入力は3系統あり、ブルーレイディスクレコーダー/プレーヤー、BS/CSチューナー、ビデオカメラなどを接続できる。

左がRHT-G950のリモコンで、右がBRAVIAのリモコン

左がRHT-G950のリモコンで、右がBRAVIAのリモコン

 40V型のBRAVIAとの組み合わせで、まずはBlu-rayの映画タイトルを再生。いわゆる従来のバーチャルサラウンドの、どこか音場の曖昧なホワッとした音ではなく、ぴたっと音像が定位した締まった音だ。

 サラウンド効果も充分感じられる。スーパーウーファーを内蔵しているため(ラックに内蔵したのはソニーが初とか)、エフェクトの重低音再生も、全く問題ない。ラックや床の共振を打ち消す構造になっているため、中高域への悪影響も感じられなかった。同じくBlu-rayの音楽ライブものを再生すると、まさにその会場にいるような臨場感を味わえた。音質も、聴き慣れた本来の5.1chに近い。

 次に、BSデジタル放送でエアチェックした映画作品のAAC 5.1ch音声を再生してみたが、その迫力にビックリ。圧縮音声ながら迫力があり、非常に高いクォリティで楽しめる。やはりエアチェックした音楽ライブの2chステレオ音声を、本機のサウンドフィールドを使ってエンハンスしてみたが、プリセットのパラメータが適切なのか、わざとらしいエフェクト感なしに楽しめたのは良かった。

 ただし、映画などはDSPによって音像定位を画面に近いところまで上げているということだが、音楽ものはそのままのポジションで再生するため、やや音場が低めに展開されるという特徴はある。構造上致し方ないところだが、スピーカーの近くで試聴する場合には、やや気になる部分ではある。

 しかし、正直なところ、ラックシアターシステムがここまで質の高いサウンドを再生してくれるのは意外で、手軽さと高音質の両立が見事に成されているのには感心した次第である。同社によれば、まだまだ改良の余地が残されており、今後さらに努力して行くということだが、将来的にも大いに期待できるホーム……いやリビングシアターであった。

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