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ホームシアターをコンパクトに実現! ヤマハ「YHT-S400」

2009年10月16日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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設置の敷居が高い「ホームシアターシステム」

 DVDやBDなどの映像ソフトだけでなく、デジタル放送やゲーム機などでも楽しめるようになり、認知度が高まっている「ホームシアター」。厳密に言えば、大画面テレビやプロジェクターといった映像装置と、サラウンド再生可能な音響装置を備えた部屋を指す言葉だが、手持ちのテレビと組み合わせればホームシアターが完成するという意味合いで、サラウンド再生のための音響装置を「ホームシアター(システム)」と称している。

 この「ホームシアターシステム」は、(5.1chシステムの場合)5本のスピーカーと1本のサブウーファー、コントロールするAVアンプで構成されるが、それらをまとめた「ホームシアターセット」などもメーカー各社から発売されている。しかし、部屋に6本もスピーカー類を置く、とくに後方にスピーカーを置くのは、好きな人ならばともかく、家族には好意的に受け入れてもらえないことが多いようで、認知度のわりに市場はあまり広がってはいない。

 それを解決するために登場したのが「バーチャルサラウンド技術」である。前方スピーカーだけで仮想的にサラウンド音場を再現できるので、後方スピーカーは不要、というものだ。これによって、薄型テレビを置くためのラック内にサラウンド用のスピーカーを内蔵してしまった「シアターラック」という人気アイテムも登場。これまでAVマニアだけのものだったホームシアターは薄型テレビを買う一般層にまで広がった。今や、テレビ買い換えの動きに合わせて一緒にホームシアターを、と考える人は多いだろう。

 前置きが長くなったが、今回はそんなホームシアター機器の新モデル「ヤマハ YHT-S400」を取り上げる。音の出る機械というものは、素人目には同じに見えても、メーカー(作り手)が違うだけで音が違う。価格が違えば当然音も違うという代物で、見た目はともかく中身(音)が大事というマニアックな側面がある。しかし、それでは一般ユーザーはついてこられない。本機は、見た目からして明らかに違う、斬新な試みを行なっているのだ。


本体ユニットはたったの2つ! 置き場所の心配は無用!?

「ヤマハ YHT-S400」。実売価格は6万円前後

「ヤマハ YHT-S400」。実売価格は6万円前後

 本機のユニークな点はその形状。いわゆるスピーカー部は横に長い橋のようなカタチをしている。これは、薄型テレビのスタンドをまたぐように設置するためのもの。スタンドが画面よりも前に飛び出した部分が、このスピーカー部の設置位置というわけだ。多くの家庭では、薄型テレビを付属のテーブルトップスタンドを使って置いているだろうから、このスペースは容易に確保できるものと言える。

 ちなみに、テレビを壁掛けしている場合でも心配ない。スピーカーからスタンドを外せば、背面の取り付け穴を使って壁掛けも可能だ。スピーカー部の奥行きも70mmと薄いので、壁から飛び出しているような違和感は少ないだろう。もっとも壁掛けした薄型テレビも同じかそれ以上に壁から張り出すので、まったく問題はない。

AVアンプ内蔵サブウーファーの前面パネル。右側に低音再生用のダクトがなければ、AVアンプと勘違いしそうなデザイン。大きな電源ボタンのほか、入力切り替えとボリューム調整用の最小限の操作ボタンを備える

AVアンプ内蔵サブウーファーの前面パネル。右側に低音再生用のダクトがなければ、AVアンプと勘違いしそうなデザイン。大きな電源ボタンのほか、入力切り替えとボリューム調整用の最小限の操作ボタンを備える

同じく背面パネル。実売で約6万円の製品ながらHDMI端子を3系統備えている。そのほかは、デジタル音声/アナログ音声入力が各1系統、アンテナ端子、別売のiPod用ドック端子などを備える

実売で約6万円前後の製品ながら背面にはHDMI端子を3系統備えている。そのほかは、デジタル音声/アナログ音声入力が各1系統、アンテナ端子、別売のiPod用ドック端子などを備える

 そして、サブウーファーとAVアンプは一体型とした。ユニークなのは多くのアンプ内蔵サブウーファーが、部屋の隅などに置けるようにスリムなタテ長の形状になっているのに対し、本機はヨコ長の形状になっている点。幅は435mmとなっており、一般的なAV機器の横幅に抑えている。これなら薄型テレビ用のラックやスタンドの中に収納できる。このため、ラックやスタンドに空きがあれば、別途設置場所を確保する必要はない。

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