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Office 2010のカウントダウン

怒濤のVisio劇場も!新ProjectとVisioがお披露目

2009年11月10日 09時50分更新

文● 吉川大郎/TECH.ASCII.jp

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企業全体で経営判断に使うプロジェクト管理
Microsoft Project Server 2010

 基本的にはユーザーのデスクトップで使うMicrosoft Project 2010よりも、よりいっそう企業の経営に直結する形でProjectの機能を使おうというのが、サーバー版の「Microsoft Project Server 2010」だ。ユーザーはすべて、Web画面からの操作になる。

 この製品はMicrosoft SharePoint Serverと連携して動作するので、SharePointがないと動作しない。また、マイクロソフトが2005年に買収したプロジェクトポートフォリオマネージメント開発企業UTMの技術を使い、ポートフォリオ管理機能が組み込まれている。Project Serverの前バージョンでは、英語版のみ提供されていたが、今回からProject Serverと統合されて日本語でも動作するようになった。

 このポートフォリオ管理が本製品の目玉だ。従来のプロジェクト管理では、予算決定プロセスの不明確だったり、Excelファイルがメールで飛び交うなど承認フローが煩雑であったり、全社的な視点で各プロジェクトを横並び評価できない。言い換えればプロジェクトにガバナンスが効きにくかったがために予算のプライオリティ付けが困難と言った状況があったが、Project 2010のポートフォリオ管理はそれらの問題に対応するソリューションとなっている。

 なお、ポートフォリオ管理をするには、Project Server 2010を中心とした「エンタープライズプロジェクト管理」が前提だ。この管理体系に含まれる要素は、

  • 企業経営者
  • PMO(プロジェクトマネジメントオフィス=経営を管理する上位集団)
  • PM
  • チームメンバー(作業者)

これらのハブとなるのが、ProjectServer 2010になる。

エンタープライズプロジェクト管理

エンタープライズプロジェクト管理に含まれる要素。業種によっては、経営者/従業員ほぼ全員ともいえる構成だ

 こうした参加者が、「ガバナンス・ライフサイクル」と呼ばれる(プロジェクトの)「作成」→「選択」→「計画」→「管理」というワークフローを、Project Server 2010によって一元化して回していくことで、ポートフォリオ管理が完成する。ProjectServer 2010では、こうした作業をWebブラウザだけで行なえるのも特長だ。

 各フローの具体的な内容は以下の通りだ。

作成
PMがプロジェクトを起案し、稟議を上げる。
選択
PMOや経営者などの企業首脳陣が、プロジェクトの可否を判断。予算・リソースを決定する。
計画
プロジェクトにゴーサインが出たら、PMが割り振られた予算・リソースを元に人員計画を詳細化する。メンバーは仕事がアサインされ、その通りに動き出す。
管理
PMOが進捗を管理し、定期的な予算の再配分などを行なう。

 ガバナンス・ライフサイクルを一元的に俯瞰するため、Project Server 2010には、「プロジェクトセンター」と呼ばれる画面が用意されている。プロジェクトセンターは、閲覧だけではなく、Web画面上でプロジェクトに対して編集も行なえる。

プロジェクトセンター

ProjectServer 2010のプロジェクトセンター。各プロジェクトの進捗を、一元的に管理できる

重み付け

プロジェクトセンターでは、全プロジェクトに対する会社としてのポリシーを設定する。このポリシーに則って、各プロジェクトはプライオリティを判断される

ドライバーの優先度

「社員満足度の向上」と「売上の増大」という2つの重み付け要素=ドライバーの、どちらが重要なのか? といった優先度設定も行なう

一覧表示

各プロジェクトが、どのように全社ポリシーを満たしているかを一覧表示

判断

プロジェクトの優先度は、パーセンテージで表示される。ここで、プロジェクト実行の可否を判断すれば、その結果がPMに通達される。もちろん、機械的な判断だけではなく、強制的に選択することも可能。この場合は、Visio導入プロジェクトが強制的に選択されている

 プロジェクトセンターによるプライオリティ付けは、なにも取捨選択だけを行なうわけではない。たとえば、とあるプロジェクトが設定していた予算を500万円オーバーしている場合は、予算内で実行可能な似たようなプロジェクトを提示するといった機能も備える。

次ページ「怒濤のデモ 疾風のVisio劇場」に続く

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