マイクロソフトのオフィススイート「Microsoft Office 2010」(以下、Office 2010)シリーズ登場に向けて、関連製品群の定例記者説明会が開催された。今後も、定期的に開催していく予定だという。
同発表会は、新情報の発表というよりも、新しい製品への理解を深めるために開催されたもの。目新しい情報は少ないものの、より細かい改善点などが提示されることになる。今回は、ほぼすべてのエディションに搭載されることになったOneNoteの説明などもあったが、主にOffice 2010のパフォーマンス改善と使い勝手の良さが目立つ発表だった。
Office 2010は速くなったか?
パフォーマンス改善については、Outlook 2010、Excel 2010、PowerPoint 2010の3つのアプリケーションが取り上げられた。
Outlook 2010は、一般的な電子メールで26.2%、大規模なメールボックスでは34.9%のパフォーマンス改善がなされたという。これは、Outlook 2003と比較して、ディスクI/Oへのアクセスを82.2%削減した効果なのだそうだ。
Excel 2010も速くなった。計算については7割のケースで高速化ができたとのことだが、グラフの描画速度向上や、グラフを含んだファイルの読み込みと保存も高速化された。デモでは、1万行のデータをグラフ化した際に、Excel 2007ではグラフをドラッグ&ドロップするのにもたつくのに、Excel 2010ではサクッと移動できる点が披露された。
また、マルチコア環境に対してアルゴリズムの最適化が行なわれ、600万個のセルによる作業時間を比較すると、Excel 2007よりも40%向上したという。さらに、Excel 2010は64bit環境にも対応するが、その場合は100万行の大規模データのハンドリングもこなせることになる。
PowerPoint 2010は、Direct X 9.0を使うことで、動的なコンテンツのレンダリング改善がなされた。これについては、マイクロソフトによるデモムービーがYouTubeにて公開されているので、こちらをご覧いただいたほうが早いだろう。
ビデオの前半では図形描画のスムーズさを、後半では図形アニメーションのスムーズさを伝えている。PowerPoint 2010は、動きがカクカクとしていないことが分かる。
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