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週刊 PC&周辺機器レビュー 第15回

dynabook TVは使い勝手重視のスタンダードノート

2009年07月17日 17時00分更新

文● 池田圭一

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テレビ中心ではなく、テレビも見られる
スタンダードノート

 基本スペックは、CPUにCore 2 Duo P8700(2.53GHz)、チップセットにIntel GM45 Express、メモリー4GBを搭載。容量400GBの2.5インチHDDを内蔵となる。グラフィックス機能はチップセット内蔵のIntel GMA 4500MHDを使用する。搭載する液晶ディスプレーでのフルHD表示はできないが、HDMI出力端子を持つので、テレビなどにつないでフルHD映像が出力できる。なお、地デジをフルHD品質(ビットレート17Mbps)で録画すると、HDD空き容量に約45時間分が録画できる。

HDMI出力を標準搭載

HDMI出力を標準搭載。ハイビジョンテレビなどへの出力も可能だ

DVDメディアへの書き出しも可能

地デジ録画機能はダビング10対応、録画番組のDVDメディアへの書き出しも可能

Qosmio AV Center

地デジ視聴や録画・再生は、Qosmioと同じ「Qosmio AV Center」を使う。表示調整などを、もう少し簡便にできるようにしてほしい

 光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブ。そのほか、無線LAN(11a/b/g/n対応)と有線LAN(1000BASE-T)、ExpressCardスロット、各種メディアカードスロット、さらにFeliCaポート、USB 2.0×4ポート(うちひとつはeSATAと共用)を備える。

本体左側面

本体左側面。HDMI出力やアナログRGB出力など、AV関係のポートが並ぶ

本体右側面

本体右側面。光学ドライブやアンテナコネクターが並ぶ。本体の厚みは36.5mmあるが、シンプルなデザインのためか意外と薄く感じる

本体前面

本体前面。左側にメディアカードスロット、リモコン用赤外線ポート、無線LANスイッチがある

 これらのスペックや、使用感から考えると、地デジ表示、録画機能は、Qosmioほど重視されていないようだ。「オールインワンノートで地デジも見られる」ぐらいに考えるのがよいだろう。


各部の改良で日常の使いやすさを向上

 dynabook TVは、細部のブラッシュアップが目立つマシンである。例えばキーボートとタッチパッドの表面処理などに、それが表われている。よくある光沢デザインを採用したノートパソコンでは、何もかもをピカピカに磨き上げてしまい、付着した皮脂が目立って辟易することがある。dynabook TVではキートップをつや消し加工することで、指紋などの汚れをつきにくくしたという。

キートップはつや消し加工されており皮脂が付着しにくい

本体ベゼル部分と異なり、キートップはつや消し加工されており皮脂が付着しにくい。タッチパッドも表面に細かな凹凸がつけられ、指のすべりがいい

 特筆すべきは、キーボード奥のイルミネーションスイッチ左側にある「エコボタン」だろう。イルミネーション部分は指で触ることで、AV再生や停止、ボリューム調整といった操作ができる。なおイルミネーションはほかにもあり、タッチパッドの上や本体左下のdynabookロゴ部分もそうだ。

イルミネーションスイッチの横にあるエコボタン(写真中央)。トグル式で、押すたびに通常/エコモードが切り替わる

 何も作業を行なっていない状態でも、dynabook TV全体の消費電力は34W付近を示していたが、エコボタンでエコモードを有効にすると、直ちに消費電力が削減されて20W以下となった。ベンチマークソフトなどを走らせ、CPU負荷を高い状態にした場合の消費電力は40W以上あったが、その際でも、エコモードにすれば直ちに20W前後に下がる。

TOSHIBA ecoユーティリティ

エコボタンの設定やモニターができる「TOSHIBA ecoユーティリティ」。消費電力がリアルタイム表示される

 簡単なベンチマークテストを非エコ/エコの両モードで実施してみた。エコモード時にはイルミネーションの消灯、液晶ディスプレーのバックライト輝度が下がると同時に、CPUのクロック周波数、メモリーやHDDと通信するバスクロックが半減するようだ。3D表示のベンチマークテストでは、エコモード時の結果は通常時の1/2程度になっていた。

 また、エコモードでは(当然だが)空冷ファンも回転しにくく静穏にもなる。なお、バッテリーは容量22Whのリチウムイオンタイプで、バッテリーでの駆動時間は約1.3時間(JEITA測定法1.0)と短めである。

 常時利用のマシンとして、省電力機能は確かにありがたいものだ。しかし問題もある。エコモード時やバッテリー駆動時には、地デジ放送の表示・録画に必要な性能を満たせないのだ。表示・録画ともギリギリ可能ではあるが、スムーズな録画再生はできない。いずれにしても、バックライト輝度を落とすなどしてエコモードで作業するなら、スリープ移行を細かく制御できるほうが省エネにつながりそうに思えるのだが……。

バッテリー

標準搭載バッテリーとしては容量少な目の22Wh(3セル)。停電時などの緊急用と考えよう

USBスリープ&チャージ

スリープ時に携帯機器などへUSB充電を可能にする「USBスリープ&チャージ」

東芝HDDプロテクション

振動・衝撃からHDDを保護する「東芝HDDプロテクション」などの便利ユーティリティーを搭載

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