米インテル社は4月29日付け(米国時間)でPentium 4の価格を大幅に引き下げた。4月15日にも11~19%の値下げを行なっていたが、1.50/1.40GHzはさらにほぼ半値に引き下げられ、1.50GHzが256ドル(約3万1500円)、1.40GHzが193ドル(約2万3800円)になった。
インテルは4月23日にPentium 4-1.70GHzを発表したが、その価格は352ドル(約4万2400円)と、その時点での1.50GHzの519ドル(約6万3900円)よりも167ドル(約2万500円)も低い価格で、まもなく再値下げを行なうと見られていた。
Pentium 4 | |||
クロック | 旧価格(4月15日) | 新価格(4月29日) | 値下げ率 |
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1.70GHz(4月23日) | ― | 352ドル(約4万3400円) | ― |
1.50GHz | 519ドル | 256ドル(約3万1500円) | 51% |
1.40GHz | 375ドル | 193ドル(約2万3800円) | 49% |
1.30GHz | 268ドル | 193ドル(約2万3800円) | 28% |
今回の値下げによってPentium 4-1.50GHzの価格は、2000年11月の発表時から5ヵ月強で約3分の1に下がったことになる。特に3月以降の値下げは急激なものとなっている。
Pentium 4の価格推移グラフ |
Pentium III登場以降、インテルのデスクトップ向け主力プロセッサーの最高クロック製品が400ドル(約4万9200円)以下となったことはない。ここ1年に限ってみても、Pentium 4の登場直前の2000年10月29日にPentium III-1GHzの価格が465ドル(約5万7300円)となったのが最も低い価格で、Pentium 4の価格付けは異常とも言えるものになっている。この価格は、“Pentium 4をこれまでにないスピードで立ち上げる”と公言するインテルの強い意志が表われている。
4月17~19日に開催されたインテル・デベロッパ・フォーラム 2001 Spring Japanに合わせて来日した、米インテルのチャンドラシーカ副社長は、ASCII24のインタビューの際に「2001年12月の時点で、デスクトップ向けプロセッサーの半分をPentium 4にする」という戦略を明らかにしている。今後、Pentium 4-2GHzや0.13μmプロセス版Pentium 4である“Northwood(ノースウッド)”の投入が予定されており、価格と新製品の両面に渡ったインテルの攻勢が続きそうだ。
また、Athlon-1.33GHz(350ドル、約4万3100円)にPentium 4-1.70GHz(352ドル、約4万3400円)をぶつけられた米AMD社も、価格改定と新プロセッサーの投入で対抗することは間違いない。インテル対AMDのプロセッサー戦争は新しい局面に入ったと言える。12月末にはオーバー2GHzプロセッサーが300ドル(約3万6900円)台で販売されることになりそうだ。
なお、秋葉原のコンピューターショップでは、この発表に先立つかたちで、4月27日にはPentium 4の店頭価格を一斉に引き下げるなどの動きが見られた。Pentium 4-1.70GHz(128MB RDRAM×2付き)がおよそ7万円~7万5000円、1.50GHz(128MB RDRAM×2付き)がおよそ5万8000円~6万5000円、1.40GHz(64MB RDRAM×2付き)がおよそ4万円~4万3000円、1.30GHz(64MB RDRAM×2付き)がおよそ3万6000円~4万2000円で販売している。