(株)ニコンは25日、334万画素CCD(有効画素320万)と光学4倍ズームレンズを、マグネシウム合金製のレンズ部回転式ボディーに納めたデジタルカメラ『COOLPIX(クールピクス)995』を発表した。価格は11万3000円で、発売日は6月8日。
『COOLPIX995』 |
COOLPIX995は、同社が2000年4月に発売したデジタルカメラ『COOLPIX990』の後継機種。どのようなシーンでも最高の色が表現できることを目指し、デジタルカメラ内部の画像処理エンジンを新しく設計し直したという。
995が搭載するCCDは1.8分の1インチ、補色系フィルターを採用した334万画素といった点は990に採用されたものと同じだが、感度の向上、ダイナミックレンジの増大など、性能がアップした新CCDとなっている。990では、感度設定はISO 100/200/400までであったが、995ではさらに800も設定可能となっており、室内のスポーツ撮影などに威力を発揮するとしている。画質に関しては990のISO 400での画像よりも、995のISO 800での画像のほうがきれいだという。
COOLPIX995(左)とCOOLPIX990(右)の比較。995のほうがやや直線的なデザイン |
光学レンズは4倍ズームニッコールレンズ(10枚)で、従来の3倍から強化された。焦点距離は8~32mm、F値は2.6~5.1(990では2.5~4.0)となっている。ワイド端はこれまでのCOOLPIX900シリーズと同じで、これまでに発売されたテレコンバーターやワイドコンバーターなどはすべて利用できる。記録メディアはコンパクトフラッシュType IIに対応するが、日本IBM(株)のマイクロドライブはサポートしないとしている。
フラッシュは990まではレンズの左側に固定のものがついていたが、995ではポップアップ式のものがレンズの上側についている。これによってレンズとフラッシュの距離が離れるため、赤目の軽減や、コンバーターレンズ使用時のケラレを防止できるという。また、フラッシュによる被写体の陰が上から下に向けて出るため、これまでよりも自然な画像になるという。
COOLPIX995(右)とCOOLPIX990(左)の背面の比較。フラッシュの左横のスイッチでポップアップする。ストラップの取り付け位置やボタンのサイズや位置が微妙に変更された |
画像処理関連機能では、“ノイズリダクション機能”を備えており、長時間露光撮影で出やすい星状ノイズを、デジタル画像処理によって軽減できるという。ただし、この機能を使った場合は画像処理を行なうために記録時間が長くなる。また、1回のシャッターにつき、標準、赤め、青めの3つのホワイトバランスで記録する“ブラケティング機能付きオートホワイトバランス”を備える。3枚の画像を記録するため、この機能も記録時間が長くなる。さらに記録画像の彩度を4段階に変えることができ、ウェブやプリンターの出力向けには彩度の高いモードで、パソコンでの画像処理には彩度の低いモードで、といった使い分けが可能としている。
撮影モードでは990同様、プログラムオート、絞り優先オート、シャッター優先オート、マニュアルの4モードを備える。シャッターでは、最高シャッタースピードが990の1000分の1秒から2300分の1秒に高速化したほか、シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでのタイムラグが約150μ秒から約70μ秒と短くなった。
COOLPIX995(左)とCOOLPIX990(右)を上から比較した。995はボディーの厚みが増し、がっしりとした印象になった |
液晶ディスプレーのバックライトはこれまでの蛍光管から白色LEDに変更され、屋外での視認性向上と省電力化を図ったという。また880で採用された、クイックボタンを押すことで、撮影モードのままで直前に撮影した画像のプレビューができる“クイックレビュー”も追加された。
電池には、これまでの単3乾電池4本から、付属の専用リチウム充電池『EN-EL1』またはリチウム電池(2CR5)に変更された。EN-EL1で約110分、2CR5で約140分連続撮影できるとしている。EN-EL1はオプションでも用意され、価格は5000円。パッケージには、カメラ本体のほか、コンパクトフラッシュ(8MB)、ストラップ、レンズキャップ、ビデオケーブル、リチウムイオン充電池、充電器を同梱する。
パソコンとの接続には、ドライバーソフト『NikonView 4』、画像編集ソフト(『デジカメNinja2』、『Adobe Photoshop5.0LE』)、USBケーブルなどをセットにした『パソコン接続キット』(9800円)を用意する。なお995では、Windows Me/2000の“マス・ストレージ”機能に対応しており、これらOSのユーザーはUSBケーブル(2500円)を購入して接続するだけで、パソコンの外部ドライブとして認識する。
撮影素子 | 1.8分の1インチ334万画素CCD(有効画素320万) |
レンズ | 4倍ズームニッコールレンズ(8群10枚、F2.6~5.1) |
焦点距離 | 8~32mm(35mm換算38~152mm) |
撮影距離 | 30cm~無限遠(マクロモード時2cm~) |
フォーカス | (※1)コンティニュアスAF、シングルAF、遠景、マクロモード、マニュアルフォーカス(50ステップ) |
光学ファインダー | 実像式光学ズームファインダー |
液晶ディスプレー | 1.8インチ低温ポリシリコンTFT(11万画素) |
記録画素数 | 2048×1536、1600×1200、1280×960、1024×768、640×480、2048×1360(3:4) |
記録画像ファイル形式 | DCF準拠JPEG、非圧縮TIFF、QuickTimeムービー |
記録メディア | コンパクトフラッシュ(Type II) |
測光方式 | マルチ測光(256分割)、中央部重点測光、スポット測光 |
シャッタースピード | 2300分の1秒~8秒、バルブ(最大60秒) |
絞り | 7枚羽根虹彩絞り3分の1ステップ、10段階 |
撮影感度 | ISO100相当、200相当、400相当、800相当 |
撮影モード | プログラムオート、シャッター優先オート、絞り優先オート、マニュアル |
インターフェース | USB/シリアル共用ポート、ビデオ出力 |
電源 | リチウムイオン充電池EN-EL1または6Vリチウム電池(2CR5) |
連続撮影時間 | 約110分(EN-EL1、液晶ディスプレー使用時)、約140分(2CR5、液晶ディスプレー使用時) |
サイズ | 幅138×奥行き40×高さ82mm |
重さ | 約390g(電池、CF含まず) |