RAID 0のみサポートのIDE RAID機能搭載
CPU倍率、FSB設定クロックはBIOS上で変更可能
ボードの外観はA7Vに酷似しており、チップセットの実装位置やCPUソケット左のVRM(Voltage Regulator Module)、電源コネクタやIDEコネクタの配置など、まったく同じレイアウトを採用している。もっとも、細かい部分ではいろいろと相違点があり、特にチップセットのNorth Bridgeに放熱用のヒートシンクファンが付けられているのが目立つ。しかもこれはチップセット用としてはかなり強力なもので、高速で回転しているのが肉眼でもわかる。試しにCPUファンのコネクタにチップセットファンのコネクタを差し込んでハードウェアモニタで確認してみたところ、7200rpm以上と表示された。他のKT133Aボードも一様にファンを搭載しており、やはりFSB266MHzに対応するKT133Aではファンは必須なのだろう。ちなみに、FSB266MHzに対応した他のチップセット(North Bridge)を搭載したマザーボードはというと、AMD761を搭載したGA-7DXCではヒートシンクファン、そしてALiMAGiK 1のKA266-Rはヒートシンクのみであった。
PromiseのIDEコントローラチップ「PDC20265」を実装。近くのジャンパピンでRAIDコントローラとして使うかUltraATA/100コントローラとして使うか選択できる。 |
RAID設定メニュー画面。RAIDアレイのカスタム設定がなく、「Auto Setup」の項でもストライピング(RAID 0)しか選べない。 |
FSB設定クロックはBIOS上で100から166MHzまで1MHz刻みで設定可能。 |
CPUコア電圧も、BIOS上では1.1Vから1.85Vまで0.05V単位で、CPU I/O電圧も、DIMMソケット脇のジャンパピンにより、3.3V/3.45V/3.56Vの3通りに設定が可能だ。A7V同様にFSBクロック設定/CPU倍率設定用の5連/6連ディップスイッチも用意されており、BIOSでなく、これを使ってFSB設定クロックやCPU倍率を設定することもできる。
オーバークロッカーの注目は、なんと言っても「既存のAthlonやDuronがFSB266MHzで動作するか?」といったことだろう。というのも、KT133ではいくらCPUの動作倍率を下げてCPUの動作クロックを下げても、FSB設定クロックを上げていくと120MHz手前あたりに限界があり、133MHzまで引き上げることはできなかったからだ。そのため「チップセットのKT133がFSB266MHz動作に耐えられないのではないか」と推測されていたのだが、チップセットがKT133Aに変わったこのA7V133では、(製品版でも)いとも簡単にFSB266MHz動作が可能だった。CPUの倍率変更に加えて、大幅なFSBのアップも期待できるということで、オーバークロッカーにとっては、オーバークロックのバリエーションとともに楽しみも倍増というところだろう。なお、より突っ込んだオーバークロック実験に関してはファーストインプレッションを担当したh.godai氏による詳細レポートを近日掲載予定だ。