生死を賭けた1周4.5kmのサーキット
一通り食事の準備を終えたら、いよいよレースに参戦! とはいえ筆者は、仕事が祟って高血圧(笑)。しかも徹夜明けで、朝からズーッと立ちっぱなしでバーベキュー番長をしている。しかも、寒さは高血圧にとって大敵だ。なぜなら寒さで血管が萎縮し、それだけで血圧にブーストがかかるのである!
そう。筆者にとって高低差35m、1周4.5kmはまさに生死を賭けた戦いだ。ピットに入るとまずは、血圧を下げる薬を服用(笑)。じゅうぶん効き目が出たところで、ピットロードを駆け抜ける。
が! 我々のピットはADVANゲート近くのスタンド前ストレートの開始点に近い。ママチャリにまたがりピットロードから見た第一コーナーはといえば……、
消失点じゃん!
遠近法で道路や周りのビルが1つの点として見える、アノ消失点なのだ。もうね、出鼻で挫かれますよ……。富士スピードウェイ。
とはいえ第1コーナーは、高低差35mの下り坂で楽々クリア。
途中で何度か緩やかなアップダウンがあり、雪を裾野まで蓄えた雄大な富士山が見えるヘアピンカーブに差し掛かると、いきなり上り坂である。第1コーナーで楽した高低差35mを一気に上らなくてはならないのだ。物理法則でいえば、スタート地点の高さから35m降りて、再び35mの位置に戻るのであれば、位置エネルギーは差し引き0となるはずだが、そんな法則は現場では通用しない。
さらに富士山がよく見える箇所に限って、強烈な向かい風が襲い、憎らしいほどの富士の絶景を見渡せる。
当然、チャリンコにまたがって9階建てのビルに相当する坂を登れるわけもなく、歩いて坂を登る。この間に、女の子はもちろん、チビッ子にまでブッチされ順位を20位ぐらい下げてしまった。
こうしてバーベキュー番長こと筆者は、何とか生きてピットに戻ることができたが、閉会後のキャンプ装備の積み込み、そして家に帰っての洗い物や片付けで、2日経過した今でも階段を登るのにフラフラ。コタツに入るのにフラフラ。トイレに座るにもフラフラの筋肉痛である。もうね、家では90歳を過ぎたお爺ちゃん状態ですよ……。
ママチャリGP。
それは、普段運動をしない人が絶対参加しちゃならないレース。
それは、筋肉痛が快感に変わるドMが参加するレース。
それは、美しい富士山が悪の化身に見えるレース。
来年は呼ばれたって参加するもんかーーーっ! ちくしょーっ!
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