IGRS(閃聯)は簡単に言えば「中国版DLNA」
で、肝心な「IGRSとはなんぞや?」である。IGRSとは、異なるメーカーの様々な電器製品のデータのやりとりするための規格。たとえばIGRSに対応した機器間であれば、PCに保存した動画コンテンツをテレビで見たり、音楽コンテンツをミニコンポで再生したり、デジカメ/デジビデのコンテンツをPC経由でテレビで見たり、テレビで再生中のコンテンツをPCに保存したりすることができる。
「それって、まんまDLNAと同じじゃね?」と思ったら、それは半分正解で半分間違い。使用するプロトコルなど、情報機器間のやりとりを実現する技術的な仕様が異なるのだ(DLNAはUPnPを使用)。
とはいえ、この種の規格はTCP/IPの概念をPC以外の情報機器などにに拡張したときの定義拡張と実装規格なので、誰がどう考えても結局は似たような規格になるのだそうで、プロトコルはUPnPとほぼ同じものとなり、過去にはISOでの審議では「IGRSはUPnPをパクったんじゃないか」という話も出ている。
中国大手企業が製品を続々投入
DLNAを使った製品として、DLNA対応のテレビが、ソニー、東芝、日立製作所からリリースされているのと同様、IGRS対応のテレビが、中国の有力なテレビメーカー「創維」(Skyworth)からリリースされている。
またPC内にあるデータをテレビで視るバッファローのLinkTheaterやアイ・オー・データ機器のAVeL LinkPlayerといった製品があるのと同様に、IGRSの主要メンバーのレノボから発売されている。
レノボはまた、IGRSを利用するための「閃聯任意通」というソフトウェアもリリースしており、多くの同社製PCに最初からついている(OSがDOSのモデルもあるので、プリインストールされているかどうかは不明なのだが)。
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