3度目の正直か? 2度あることは3度あるのか?
11月9日。SUPER GT最終戦。富士スピードウェイ。「Studie and GLAD with ASADA Racing」と「初音ミク Studie GLAD BMW Z4」(以下、初音ミクZ4)の、今シーズン最後の挑戦である。
この日は朝から曇天で、いつ雨が降り出してもおかしくない天気だった。我らが初音ミクZ4はというと、なんと予選を通過できず……。本来なら出走できないのだが、日曜日のフリー走行で規定タイムをクリアすれば決勝レースに出られることになった。アタッカーの田ヶ原選手はこのプレッシャーの中、見事にタイムをクリアし、最終戦の決勝でなんとかグリッドにマシンを並べることができた……はずだったのだが、ピットイン時にホワイトラインカット(踏んではいけない白線を踏んでしまった)したことにより、ペナルティーを課せられた。それはグリッドではなく、ピットからスタートするというもの。最後の最後まで何かが起きるという、これはこれで初音ミクZ4らしいといえばらしい。
ピットスタートは全車がスタートしてからピットアウトしなければならないため、圧倒的に不利である。第7戦では、ウェッズスポーツIS350が最後尾スタートながら優勝したという前例があるが、そこまでとは言わなくても、もしかしたら中盤グループくらいまでにはいけるんじゃないかと期待していた。スタート直前に雨が降り出したため、ほとんどのチームがタイヤをレインタイヤに変更。しかし、初音ミクZ4はスリックタイヤのままというギャンブルに打って出た。これが見事に功を奏し、レース序盤は霧雨程度で、路面はなかなかウェットにならなかった。他チームがスリックタイヤに戻すために続々とピットインする姿を尻目に、徐々に順位を上げる初音ミクZ4。
レース中盤で雨も強くなり、ヘビーウェットになったため、レインタイヤに変更すべくピットインしたが、レインタイヤでスタートしたチームに比べて、1回分ピットインが少ないというアドバンテージがあった。途中、コカコーラコーナーを過ぎたあたりで派手にスピンしながらコースアウトしたが、エスケープゾーンが広い富士スピードウェイだったことも幸いし、クラッシュすることなく再びコースインした。
最終戦で皆気合いが入りすぎたのか、雨だったからなのか、レースはかなり荒れた展開で、上位マシンも含めて、最終的にGT300の全26台中6台がリタイアし、結果、初音ミクZ4は18位でフィニッシュした。
初音ミクZ4は途中のスピン以外は、トラブルらしいトラブルは一切なく、タイムを指定されているのかと思うほど同じタイムで周回し、ようやくというか、とうとうというか、ついに念願の完走を果たした。筆者はメカニックでもチーム関係者でもないが、初音ミクZ4が痛車化される直前から密着してきたこともあり、ゴールの瞬間は胸に熱いモノがこみ上げてきていた。これまで様々なレースを取材してきたが、これほど感動したレースは初めてだったかもしれない。
(次のページへ続く)

この連載の記事
-
第37回
ゲーム・ホビー
今年最後のミクZ4チャンネル生放送に潜入! -
第36回
ゲーム・ホビー
ミクZ4、SUPER GT最終戦はまさかのリタイア! -
第35回
ゲーム・ホビー
【速報】ついに最終戦! ミクZ4は予選を通過したが…… -
第34回
ゲーム・ホビー
ミクZ4の快走に阿蘇山も萌えた! SGT第8戦は10位完走! -
第33回
ゲーム・ホビー
【速報】ミクZ4、トップ10入りでフィニッシュ! -
第32回
ゲーム・ホビー
初の九州上陸! ミクZ4、快調に予選通過! -
第31回
ゲーム・ホビー
霊峰に歌声届かず! 初音ミクZ4、富士に散る! -
第30回
ゲーム・ホビー
【速報】初音ミクZ4、富士の予選を16位で通過! -
第29回
ゲーム・ホビー
初音ミクZ4デビュー1周年! だが完走ならず! -
第28回
ゲーム・ホビー
初音ミクZ4、鈴鹿の予選で初の表彰台に!? -
第27回
ゲーム・ホビー
SUGOの魔物は追い払った! ミクZ4、堂々の完走! - この連載の一覧へ