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今さら人に聞けない! 最新PC/サーバー スペックガイド

5分で丸分かり! PCアーキテクチャーの基本

2008年10月20日 04時00分更新

文● 塩田紳二

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●グラフィックス

VistaのAero

VistaのAero

 PCやサーバーのグラフィックス機能は、高価で高性能なグラフィックスカードと、安価なチップセット内蔵グラフィックスに二分されている。従来、3Dグラフィックス機能は、ゲーム以外に使い道がなかったが、Windows Vistaではデスクトップの表示にも3Dグラフィックス機能を使うため、ある程度の3D性能が求められるようになった。

 もう1つのトレンドとして、GPUによる汎用演算、GPGPU(General Purpose GPU)の実用化が近づいていることがあげられる。GPGPUは3Dグラフィックスのためのグラフィックスアクセラレーターを汎用計算処理に利用するもの。より汎用的な計算処理に利用されるようになれば、サーバーでも使われるようになるだろう。近いうちにグラフィックスアクセラレーター機能もサーバー選択の指標となる可能性がある。

●メモリー

 CPUの高速化に比べると、メモリーの高速化のペースは遅い。現在の主流はDDR-SDRAMだ。これまで高速化のためにさまざまな試みがなされてきたが、次世代アーキテクチャーの登場までは至っていない。しかし、いよいよDDRから次のアーキテクチャーへの進化が切望されるようになって、次世代アーキテクチャーが見えはじめてきた。一方、メモリーの最大搭載容量も、64ビット版OSの登場にあわせて大きくなっている。だが次世代メモリーには、現実的なコストの範囲で、高速のメモリーを大量にCPUと接続するのがかなり難しいという課題が残っている。

●ストレージ

SSD

SSD(Solid State Disk)

 機械部品であるハードディスクの性能向上ペースは、半導体のメモリーやCPUよりもゆっくりで、性能の差は広がる傾向にある。性能差拡大への対策として、SSD(Solid State Disk)のような新しいデバイスが登場してきた。

 また、DRAMを用いた内部メモリーとハードディスクの性能差を埋めるため、中間にフラッシュメモリーなどの不揮発性で大容量のメモリーデバイスを配置するといった方法も出てきた。

● ネットワーク

 現在は、ギガビットEthernet(GbE)がクライアントにまで普及し、次世代の10ギガビットEthernetがサーバー系で普及し始めている段階だ。特にサーバーは、高度なサービスを提供するために、ネットワーク性能がシステムのパフォーマンスを左右する。最近は、ネットワーク性能を向上するため、TCP/IPなどのプロトコルを専用チップで実行するオフロードエンジンやネットワークインターフェイスのCPUへの内蔵といった方法がとられるようになっている。

 概要は以上だ。次回以降では、各コンポーネントの詳細について1つずつ説明していこう。

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