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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第232回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 4月18日~4月24日

「AI導入で人員を減らしても収益は増えない」その理由/「専任情シス不在」中小企業の3社に2社/ユーザーアカウント流出が加速、ほか

2026年05月11日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2026年5月2日~5月8日)は、AI導入による人員削減のもたらす影響、“専任情シス担当者”がいない中小企業とファイル管理の実態、世界と日本のユーザーアカウント流出が急増中、8割が「必要」と答える職場での気分転換についてのデータを紹介します。

[AI][雇用] 「AI導入で人員を減らしても、収益増加にはつながらない」その理由(ガートナージャパン、5月8日)
・AIエージェントなど、自律型テクノロジー導入企業の約8割が人員削減を実施
・ただし実態として、人員削減はROI(投資対効果)の改善にはつながっていない
・自律型テクノロジーは長期的には雇用を創出、2028~29年が転換点になる予想

 世界の大企業(年商10億ドル以上)の経営幹部を対象とした調査。自律型テクノロジーを試験中/展開中である企業の約80%が人員削減を行っていると報告。ただし、ROIが高い企業/低い企業を比べても、削減率に有意な差はなかった。ROIを向上させている会社は、人間が自律型システムを導き拡大できるよう、レイオフではなくスキル向上や役割の見直し、オペレーティングモデルに投資している。AIエージェントソフトウェアへの支出は、2025年から2027年までの3年間で4.4倍程度と、大幅に拡大する見通し。日本企業向けには「CIOとCHROの連携によるAIスキルの底上げが急務」と提言している。

 ⇒ 「AIを導入すれば人の業務を代替できるので、人員削減ができてコストが下がり、収益の増加につながるはず」という発想は早計のようです。むしろ、社内人材がAIを使いこなせるよう投資していくことが、競争力の源泉になります。

[SMB][情シス] 中小企業の3社に2社が「専任情シス不在」、ファイル管理ルールや保存先の運用は個人任せ(kubell、5月7日)
・中小企業では、専任の情シス担当者が「いない」「兼任」が65%(およそ3分の2)
・ファイルの電子化を進めても、管理が不十分ならば「ファイル検索の時間がかかる」が8割超
・クラウド利用者の38%、社内サーバー/NAS利用者の28%が「データが復旧できるか不安」

 全国のビジネスパーソン505名を対象に実施した調査。ITシステムの専任担当者が「いない」または「他業務と兼任」している中小企業は、全体の“およそ3分の2”を占める64.5%だった。また、電子化の進捗とファイルの所在をクロス集計したところ、電子化が進んでいても管理が不十分であるために「検索に時間がかかる」が84%に達し、電子化だけでは検索性は改善しないことが明らかになった。さらにクラウド利用者の38%、社内サーバー/NAS利用者の28%が「データが復旧できるか不安」と答えている。

 ⇒ 電子化はあくまでもスタートであり、電子化した後の運用設計が重要です。情シスの専任担当者を置けない中小企業こそ、シンプルな命名規則や格納ルールを必要としています。

中小企業の3社に2社が、IT専任担当者がいない状態でセキュリティ対策を実施(出典:kubell)

電子化後の管理状態がファイル検索のしやすさを左右する(出典:kubell)

復旧への不安があっても、主なファイルの保存場所はクラウドストレージが最多(出典:kubell)

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