仮想化に特化した!と言えるブレードが登場した。24のDIMMスロットを備えて最大192GBのメモリーを搭載でき、拡張PCIeスロットを4つ装備するなどI/O帯域も強化。メモリーも帯域も消費する仮想化サーバーに向けた強化ポイントだ。
デルが9月22日に発表したCPUソケットが4つのブレードサーバー「PowerEdge M905」とCPUソケットが2つのブレードサーバー「PowerEdge M805」の特徴はなんといってもメモリー最大搭載容量にある。M905は24のDIMMスロットを装備し、最大192GBのメモリーを搭載可能。M805は16のDIMMスロットを装備し、最大128GBのメモリーを搭載できる。デルの従来製品だと32GBまで、他社製品の現時点での最大搭載量を調べてみても、IBMのブレードで16~64GB、HPのブレードで16~128GBだったので、それらを上回る搭載容量になった。
またI/O関連では、M905/M805ともに、オンボードで4ポートのギガビットイーサーネットNICを標準搭載するほか、さらにメザニンカード型(マザーボードに差した拡張カードにさらに装着して使用する)の拡張PCIeスロットを4つ装備。メザニンカードは、デュアルポートギガビットイーサネット、デュアルポートファイバーチャネル(8Gbps対応)、10Gbイーサネットなどが用意されている。
CPUには、AMDのクアッドコアOpteronを搭載(M905は8000シリーズ、M805は2000シリーズ)。両CPUは、仮想化環境に対応すべく開発された技術AMD Rapid Virtualization Indexing(RVI)が採用され、たとえばM905の場合、VMwareの仮想化ベンチマーク「VMmark」で、最大66台の仮想マシンを運用できたことがVMwareのサイトで公開されている。
また、組み込み型ハイパーバイザー用のSDカードスロットを備え、VMware ESXやCitrix XenServerをHDDなしで起動できるのも大きな特徴だ。ストレージアレイとの利用を考える顧客を意識したデルの戦略だろう。
今回、M905/805と同時に、仮想化対応iSCSI SANアレイ「Dell EqualLogic PS5500E」が発表されている。ただし、PS5500Eは安価なSATAが使えるものの、24TB(500GB SATA×48台)で1153万3200円(1TBあたり48万円)、48TB(1TB SATA×48台)で1410万6750円(1TBあたり29万円)だ。事情通にどう思う? と聞いてみたら「安価なストレージメーカー製品だと、1TBあたり10万円強だからなぁ」と返ってきた。やはり高嶺の花と感じる人もいるかもしれない。
なお、M905/M805の価格は、AMD Opteron 8347HE 1.9GHz×4、メモリー8GB、2.5インチSAS(10000rpm)を搭載するM905が111万9350円。AMD Opteron 2344HE 1.7GHz×2、メモリー4GB、2.5インチSAS(10000rpm)を搭載するM805が41万3750円だ。M905/M805はともにフルハイトのサイズ(従来のM600/M605はハーフハイト)だが、従来のデルの10Uエンクロージャー「PowerEdge M1000e」を利用するため、M600/M605と混在して使える。