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松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第61回

SharePointコネクタだけでは実現できない処理も、APIを使えばできる

Power AutomateでSharePoint APIを使う ― SPOリストを自動作成するフローを作ろう

2026年05月08日 11時00分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、Microsoft MVP(Business Applications)の松本典子です。

 業務でSharePointリスト(以下、SPOリスト)を活用している方も多いと思います。Power Automateのクラウドフローには「SharePoint」コネクタが用意されており、これを使えば多くの操作を簡単に自動化できます。

 ただし、コネクタだけですべての操作が完結するわけではありません。たとえば、同じ構成のSPOリストを繰り返し自動作成させたいが、標準で用意されているアクションではできない操作が多いため、結局は手作業で作成している――といったケースもあるでしょう。

 こうしたときに活用できるのが「SharePoint API」です。「SharePoint」コネクタの標準アクションではできない操作も、APIを利用すれば、クラウドフローで自動化できるようになります。

 今回は、SharePoint APIを利用したクラウドフローでSPOリストを新規作成し、そのリストに自動で列を追加する方法をご紹介します。

1. SharePoint APIとは

 SharePoint APIとは、SharePointに対してほかのアプリケーションやシステムから操作を行うためのインタフェース(API:Application Programming Interface)です。

 Power Automateでは、「HTTP」アクションまたは「SharePointにHTTP要求を送信します」アクションを使うことで、SharePoint APIを操作できます。以下、本記事では「SharePoint」コネクタに含まれる「SharePointにHTTP要求を送信します」アクションを利用します。

「SharePointにHTTP要求を送信します」アクション

 このアクションは、SharePointコネクタにあらかじめ用意されたアクションではカバーできない処理をさせたいときに、特に便利です。

2. 今回作成するワークフロー

 Power Automateでワークフローを作成していきます。

今回作成するワークフロー

 今回のフローは、トリガー時に指定されたリスト名でSPOリストを新規作成し、その後に列を自動で追加する処理を行います。

 また、作成したリストに追加する列は、以下の3つとします。

 ・DateTime:日付と時刻
 ・Name:1行テキスト
 ・Contents:複数行テキスト

2-1. トリガーの設定

 フローのトリガーには「手動でフローをトリガーします」を利用します。

 このトリガーは、Power Automateのポータル画面やモバイルアプリから、任意のタイミングでフローを実行できます。もちろん、今回の処理をほかのフローに組み込む場合は、手動トリガーである必要はありません。

 「組み込み」カテゴリをクリックし「手動でフローをトリガーします」トリガーを選択します。

「手動でフローをトリガーします」トリガーの設定

 トリガーの設定項目では、フローの実行時にファイル名を手入力するように設定します。

 今回は「ユーザー入力の種類の選択」で「テキスト」を2つ追加し、それぞれの項目名を「リストタイトル」と「リストの説明」とします。

2-2. アクションの設定:SharePointにHTTP要求を送信します

 次に、検索窓に「SharePoint」と入力し、「SharePoint」コネクタのアクション一覧から「SharePointにHTTP要求を送信します」を選択します。

「SharePointにHTTP要求を送信します」アクション

 このアクションでは、SharePoint APIを使って新規のSPOリストを作成します。以下の内容を設定します。

 (1)サイトのアドレス:新規リストを作成するサイトを選択
 (2)方法:「POST」を選択
 (3)URI:「_api/lists」を入力。
   これはSharePointのリストを操作するためのエンドポイントで、POSTメソッドを使うことで新しいリストを作成できます。
 (4)ボディ:以下の内容をコピー&ペーストします。

{
"AllowContentTypes": true,
"BaseTemplate":100,
"ContentTypesEnabled": true,
"Description": "@{triggerBody()['text_1']}",
"Title": "@{triggerBody()['text']}"
}

    ここでは、新規作成するリストの初期設定をJSON形式で指定しています。「BaseTemplate: 100」と指定することで、通常のカスタムリストとして作成しています。また、Title(リスト名)やDescription(説明文)は、トリガーで入力された情報が設定されるように、トリガーの動的なコンテンツを設定しています。

2-3. アクションの設定:作成

 検索窓に「作成」と入力し、「データ操作」コネクタのアクション一覧から「作成」を選択します。

「作成」アクション

 このアクションでは、追加する列の定義をJSON形式で作成します。「入力」の項目に、以下の内容をコピー&ペーストします。

{
"columns": [
{
"name": "DateTime",
"type": 4
},
{
"name": "Name",
"type": 2
},
{
"name": "Content",
"type": 3
}
]
}

 3つの列それぞれに、列の名前(カラム名)とデータ型(入力できるデータの種類)をセットで持つ配列を設定しています。この配列を用意しておくことで、後続の処理でまとめて列を追加できます。なお、ここの列の名前は英語またはローマ字で設定してください ※注

 ※注:日本語で列の名前を設定すると、システム内部で列を扱う際の名前(内部名、後述)が文字化けします(エンコードされた特殊な文字列になります)。SharePointリストの列作成時の注意点については、第44回の「1. 事前準備と注意点」を参照してください。

 SharePoint APIを使って列を作成する場合の注意点として、列のデータ型の指定は、文字列ではなく「数値(FieldTypeKind)」で行う必要があります。

 今回のフローでも、それぞれの列のデータ型は数値で定義しています。それぞれ「4」は日付と時刻、「2」は単一行のテキスト、「3」は複数行のテキストを意味します。そのほかのデータ型については、以下の公式ドキュメントを参照してください。

フィールドタイプ(FieldType)の一覧

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