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山谷剛史の「中国IT小話」 第29回

北京・ハイテク五輪の代名詞「TD-SCDMA」の本当のところ

2008年08月07日 09時00分更新

文● 山谷剛史

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 あまり日本では知られていないことだが──というか、日本語ソースだと「人民網 日本語版」とか「北京週報 日本語版」などの中国メディアの報道ばかりなのだが──北京オリンピックは「ハイテクオリンピック」ということになっている。

 1964年には東京オリンピックで初の衛星放送が開始された。また、1935年にはベルリンオリンピックでテレビ放映。1996年のアトランタオリンピックでは、インターネットを利用したオフィシャルサイトが初登場している。そうしたことも少なからず意識したのだろう。例えば百度中国でハイテクオリンピックを意味する「科技奥運」で検索すればいい。毎日ハイテクオリンピックと叫ばれていることが確認できる。



目玉は中国独自の3G規格


 ハイテクオリンピックの中でも、特に中国メディアが連呼していたのが「3Gオリンピック」だ。3G(第3世代携帯電話)のオリンピックという意味だ。

レノボ製TD-SCDMA端末

レノボのTD-SCDMA機

 しかし「W-CDMAやCDMA2000が北京で使えるようになった!」というわけではない。北京で使える3Gとは、中国独自開発を中国市場に対して売りにする「TD-SCDMA」、それに「WiMAX」だ。

 1、2年前までは「北京五輪開催に合わせて、TD-SCDMAに加え、W-CDMAやCDMA2000も使えるようになる」と中国の各メディアがアピールしていたが、結局北京では、W-CDMAとCDMA2000のサービスは開始されていない。最近の中国メディアのニュースでは「W-CDMAとCDMA2000のサービス開始は、早くても来年後半では」と報じられている。

 TD-SCDMAは2008年4月にサービスが開始された。

 現在は北京、上海、天津、広州、深センなどの大都市がカバーエリアとなり、中国では10万台(うち8万台が北京で)が利用されている。

 しかし10万台の内訳は、9割が北京オリンピック開催時にボランティアをする人への無料配給だ。つまり実際に売れた台数は、4ヵ月とちょっとの間で1万台ということになる。

 3.5Gが日本を含め世界の一部地域で実用段階にある現在、サービスが開始されたばかりの規格がオリンピック会場で一部の人々に利用されたところで、それをハイテク五輪と呼ぶのはちょっと大げさではないか。

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