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古田雄介の“顔の見えるインターネット”第29回

炎上を防ぐには「臆病者」であれ──サポセン黙示録

2008年07月21日 11時00分更新

文● 古田雄介

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楽しかった更新が義務化する悲劇


── サポートのお仕事についてお聞きしたいんですが、1998年前後と今では、受ける質問の質も変わっていますか?

FOX-兄貴 それが変わらないんですよ。確かに「Windows 95を買ったんだけど、何に使うの?」「パソコンはお持ちですか?」「ありません」といったやり取りはなくなりましたけど、質問のスキルというかレベルというのは根本的には変わっていません。Windows 95/98という言葉が、「ヤフオク」「ニコニコ動画」に変わったくらいです。

1997年冬のエピソード

「愉快なお話」第一話を飾った、1997年冬のエピソード

── そうなんですか。今は自分で検索できなくても、周りに詳しい人がいるだろうと思ったんですけどね。

FOX-兄貴 実際、ネットに色々な情報が溢れていますからね。だから、私も心の中で「ググれ!」と叫ぶことがよくありますよ(笑)。

 本当のところ、PCサポートのメンバーには、素人に毛が生えた程度のスキルしかない人もいますからね。お客様からの質問をGoogleに入れて検索し、これだと思う回答があったらそれを言ってしまうわけです。ただ、ここで重要なのは、その回答を伝える責任を持つ覚悟なんです。情報が間違っていたら、その責任は自分でとらないといけません。だから、情報を精査する目が大切なんですよね。

 ただ、ちょっと最近はサポートの現場でいいネタが見つかりにくいというか……。個人的にそういうのは感じています。

2008年7月16日

2008年7月16日の愉快なお話。更新ペースは落ちたものの、クオリティーは保ち続けている


── 更新ペースが2000年の夏頃から落ちていますが、そのあたりが原因ですか?

FOX-兄貴 それもありますけど、一番大きかったのは「疲れた」ってことですね。

 最初のうちはすごく面白かったんですよ。私のネタを笑ってほしかったし、読者から面白い話がきたら、それを紹介するのも楽しかった。そういういいモチベーションだったんですけど、だんだん疲れが出てきて「何で俺更新してるんだろうな〜」と思ってしまった。


── それは、ガクンと急に来るものなんですか?

FOX-兄貴 来ますよ、急に。なんか疲れるなーって。まずですね、私個人の人間というものがあって、仕事をしたり、遊んだりするわけです。その中に「FOX-兄貴」という人格があるわけで、私=FOX-兄貴ではないわけです。

 にも関わらず、気持ち的にFOX-兄貴の割合がどんどん増えていった。仕事中も「更新しなくちゃ」という強迫観念が出てくるようになって、更新が楽しいものから義務に変わってしまったと。

 そういう下地があって、だんだん辛くなってきたところに、2002年頃からアフィリエイトブームが起きました。私はネットでお金を稼ぐ気がなかったので、そういう流れの中で「もう、いいや……」となってしまった。

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