飽きられるのでは? いやいや商品のピークは延ばせる!
「商品サンプル」という日本独自の工芸を使ったことや、造形やパッケージのこだわりが、ヒットにつながっているソリッドアライアンスの商品だが、ユニークな商品というのは傾向として“飽きられる”弱点もあるだろう。
「商品のサイクルがどんどん短くなっていて、今まで1年間にわたって売れていたような商品でも、ピークが1カ月くらいしか続かない状況になっています。そこで、いかに商品のピークを伸ばすかがビジネスで重要になります。その1つの手が海外への展開です。今までは海外に出ることはリスクでした。でも、例えば日本が景気が悪くても世界に目を向けると、景気がいい国があります。また、日本でピークが過ぎた商品でも、海外に展開することで、今度はその国でピークを迎えることができる。世界を市場とすることで、ピークを伸ばすことができるのです」
世界を市場にすることは、すなわち世界の同業者と勝負することになる。そこで、「日本独自の工芸」ということが武器になるのだ。
「『日本の伝統工芸』と組み合わせることで、海外の反応はとてもよくなります。海外では日本の伝統工芸に対する興味も深く、また、日本企業である弊社がその製品を出す大きな理由付けにもなっています。『オリジナリティがある』と、高く評価してくれるのです。最近では、アメリカの大手流通会社アーバンアウトフィッターズとの取引も始まり、260店舗ほどのお店で販売しもらっています」
そのほかにも、「みみいかUSBメモリー」がMoMA(ニューヨーク近代美術館)の「ディスティネーション・ジャパン」という規格に選定され、MoMAショップでの販売もされているという。
「『何コレ!っていうサプライズ』と『笑い』、『見た目のおもしろさ』を基準に商品の企画開発をしています。これらの3つは、世界共通ですからね」
(次ページ、「ユニークなキャリア・工事現場、コンパクトフラッシュ仕掛け人!」へ続く)
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