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アップルが放つ「OpenCL」とは?

新Mac OS X「Snow Leopard」を徹底解剖

2008年06月16日 16時00分更新

文● 白屋麻

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それでも搭載される新機能


Microsoft Exchange Server 2007のウェブページ

 もっとも、Snow Leopardに新機能がまったく追加されないわけではない。先の発表でも、iPhone 3Gと同じく、Snow Loepardでも「Microsoft Exchange Server 2007」をサポートすることを明言している。

 Exchange Serverは、メッセージングおよびコラボレーションのための企業向けサーバーソフトである。もっと簡単に言えば、メールとスケジュールの管理を主としたサービスである。

 一般的にローカルのパソコンでメールやスケジュールを管理する場合、メッセージや予定を単独に保存しておき、相互に関連性を持たせることがあまりない。一方、Exchange Serverでは、メールやスケジュールなどが密接に結合/統合しており、情報の共有やスケジュールの調整に欠かせないビジネスインフラとして活用している企業も少なくない。

 Exchange Serverに対応するというのは、Mac OS XやiPhoneが、そうしたビジネス用途のクライアントとして食い込んでいくための強力な一手になる。マイクロソフトから見ても、アップルがExchange Serverを支持してくれたことになるため、歓迎すべきことだろう。



MobileMeは「.Mac2.0」だ


 Exchange Serverなどのない個人ユーザー向けには「Exchange, for rest of Us」──そうでないひとのための情報の交換場所として「MobileMe」が用意される。

MobileMe

 MobileMeは、言ってみれば「.Mac 2.0」であり、これまでMac間でのみiSyncで可能だった情報の同期をiPhoneやPCにまで押し広げ、個人レベルでのメールサービスやスケジュール管理、共有をサポートする。また、メールやカレンダーといったウェブベースのアプリケーションも機能を強化した。

 マルチコアを生かす新技術「Grand Central」は、詳細は不明だが並列コンピューティングへの支援機能であると思われる。これまでもアップルは「Xgrid」というグリッドコンピューティングのための機能を提供してきたが、こちらはあくまで複数のMacで分散した(粗結合の)並列処理をサポートするもの(関連リンク)。「マルチコアをフルに生かす」とある以上、1台のMac内の(密結合の)並列処理の強化なのだろう。

Xgridは、Mac OS Xのサーバー版である「Mac OS X Server」に含まれている。学術目的などの非常に重い演算を行なう際、ネットワークを介して複数のマシンに処理を分散させて高速化を図るものだ

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