米サンフランシスコにて、アップルの世界開発者会議(WWDC)が現地時間の8日から約1週間にわたって開催されている。参加チケットが初めて完売した昨年同様、今年もチケットは早々に売り切れ。アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏は休養中で不参加ながらも、毎年、重要な発表が行なわれる基調講演の会場周辺には、入場を待つ長い列ができあがっていた。
その熱気に応えるかのように、基調講演は、新型iPhoneとそのOS、新しいMacBookシリーズと次期Mac OS X、さらにSafari 4といった、盛りだくさんの内容だった(関連記事)。現在、アップル自身が基調講演の様子をビデオで公開している(関連リンク)。本記事では3回にわたって、この内容を追っていこう。
まずはMacBookシリーズの新モデルが登場
今年のWWDC基調講演は、「I'm a PC」コマーシャル特別編の上映から始まった。壇上に登場したのは、上席副社長のフィリップ・シラー氏。今年のWWDCには、52ヵ国からMacやiPhoneの開発者が集合しており、一昨年から昨年にかけてMac OS Xのアクティブユーザー数が2倍に増えて、今年にかけてはさらに増加して3倍になったことを報告した。
続いて、15インチの新MacBook Proを発表した。その特徴はまずバッテリーにある。バッテリー駆動時間が最大7時間と、従来モデルより2時間延びたことに加えて、1000回(通常の使用で約5年間)再充電可能な長寿命仕様になった。また、新たにSDカードスロットを備えており、デジカメで撮影した写真をアダプターなしですばやく取り込める。
CPUは、Apple Storeなどでカスタマイズ注文(BTO)した最速モデルでIntel Core 2 Duoの3.06GHz。メインメモリーは従来は最大4GBまでだったが、新モデルでは8GBまで拡張できる。15インチ液晶搭載のMacBook Proの新ラインアップは、18万8900円(CPUが2.53GHz)、21万8800円(2.66GHz)、24万8800円(2.8GHz)の3種類で、今日から出荷を開始する。
続いて、13インチ液晶ディスプレーを備えた「MacBook」の新モデルを説明した。MacBookもSDカードスロットを搭載し、メモリーを最大8GBまでサポートすることを発表。一時期消えていたFireWire 800端子が復活し、名称が「MacBook Pro」に変更になった。価格は13万4800円(CPUが2.26GHz)と16万8800円(2.53GHz)で、こちらも本日から出荷を開始する。
今回の発表により、MacBook Airを除くアルミ削り出しボディーのノート型Macは「MacBook Pro」シリーズと呼ばれることになる。「MacBook」は白いポリカーボネートボディーの1機種のみとなった。
MacBook Airも値下げされて、16万8800円と19万8800円になった。スピーチでは、どの新機種も環境に害をなす素材を使っておらず、世界で最も環境に優しいノートPCであることが強調されていた。

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