WWDC 2008では、新型iPhoneに注目が集まっているが、その陰で次期Mac OS X「Snow Leopard」の発表も行なわれた(関連記事1、2)。
基調講演では名前の公開だけにとどまり、詳細は機密保持契約で守られた開発者向けのセッションで説明すると述べられただけだ。
同日に発表されたアップルのプレスリリースによれば、WWDC会場の開発者にはSnow Leopardのプレビューが行なわれたという。過去のWWDCを考えると、会場での説明に加えて開発向けのプレビュー版も配布したと思われる。
Snow Leopardは、安定性の向上が主
そんな新OSで、一般ユーザーのいちばんの関心は「何が便利になるのか」というところだろう。プレスリリースから判断する限り、Snow Leopardのいちばんの特徴は新機能を搭載しないという点だ。
もちろん新しいバージョンのリリースに向けて改善は続けられるが、目立った新機能を用意するのではなく、従来の機能をアップデートしたり、品質改善による動作速度や安定性を向上するのが主であるという。
10.0に対する10.1、10.2(Jaguar)に対する10.3(Panther)といった感じで、これまでMac OS Xは大幅に機能を追加したバージョンの次には、改善を小規模にとどめて、その代わりに安定性を高めたものをリリースしてきた。特にPantherは今でも人気のある、非常に安定したリリースである。
一方、10.4(Tiger)と、昨年10月にリリースされたばかりの10.5(Leopard)は、ともに多数の新機能を備えた意欲的なバージョンだ。初期のMac OS Xと異なり、現在のMac OS Xは基盤が非常に安定している骨太のOSのため、こうした矢継ぎ早の拡張にもよく追従している。実際、TigerもLeopardもマイナーアップデートを経て安定化したOSでもある。
とはいえ、2バージョン連続での機能拡張は、もはや「引っ張るところまで引っ張った」感があるのは否めない。これ以上、機能を盛り込む前に、今一度、安定したバージョンをリリースしようというのがSnow Leopardの主目的ということなのだろう。
性能面の向上が主であることから、これまで以上に「軽く」なることが期待される。もともとMac OS Xは、バージョンアップの度に軽く、速くなるという評価が高いOSであった。これは初期の10.0や10.1があまりチューニングされておらず非常に「遅い」OSであったせいでもある。
しかし、10.2、10.3でのバージョンアップで、性能を改善してきたのも事実だ。例えば、10.2ではカーネル内部のメモリー割り当てを見直し、頻繁に発生する細かなメモリーの確保や開放を高速化したり、断片化したファイルを自動的に再配置するようにした。10.3では、利用頻度の高いファイルに対して、高速にアクセスできるディスク領域に移動させる細かな処理を追加した。
Snow Leopardでは、新機能をあまり増やさないと言われているが、こうした「隠れた新機能」の搭載を通じて、性能面の向上を図るのであろう。
ともあれ、機能拡張をうたうのではなく、メンテナンスリリースを「予告」できるというのは、同じ品質改善版をリリースすると言っているマイクロソフトとは異なり、現行のOSが安定して支持されているからこそできる、自信に基づいた発表だ。