初登場から8年目を迎える今年、ケータイのカメラ機能は、これまでの「ケータイにカメラが付いた」という関係性から脱却する様相を呈してきている。
最近では、軒並み500万画素のカメラをウリにしたケータイがリリースされるようになった。その中でも気になる存在が、ソニー・エリクソン製の「Cyber-shotケータイ」である。
ドコモからは「SO905iCS」として、auからは「W61S」としてリリースを控えている。これまでもカシオのEXILIMケータイ「W53CA」など、デジカメブランドを冠したケータイはリリースされてきたが、Cyber-shotケータイはどうなのだろうか。
今回はドコモのSO905iCSをピックアップ。Cyber-shotケータイの開発に携わったNTTドコモのプロダクト&サービス本部プロダクト部第三商品企画担当課長の永田隆二さん、同第三商品企画担当の須藤裕章さんへのインタビューも交えて、ケータイとカメラのあり方について考えてみたい。
老若男女まで広まった「写メ」
さて、もはや改めて考える機会もなくなってしまったかもしれないが、ケータイにはカメラが付いていて、これがスタンダードになった。今や、カメラなしの端末を探す方が難しいくらいだ。
カメラ付きケータイは、2000年11月に当時のJ-PHONEがリリースしたシャープ製「J-SH04」が、日本における初めての端末だった(関連記事)。京セラのビジュアルホンもカメラを備えていたPHSではあったが、現在、よく見かける背面カメラを備えたケータイといえばこの機種だ。
「写メール」「写メして」といった言葉は、「電話して」と同じように使われるようになったし、ケータイのカメラを使えない人も減ってきた。
僕の祖父母世代のユーザーも、とりあえず写真を撮って、孫にメールを送る術を会得している。老若男女、同じ端末というか、メディアというか、ツールというか、そう言ったモノ=ケータイを持っているという不思議な世の中である。
この連載の記事
-
第100回
スマホ
ケータイの“ミクロな魅力”とは、なんだったのか? -
第99回
スマホ
フォロワー計32万人の2人が語る2009年のiPhoneとメディア -
第98回
スマホ
写真で振り返るケータイ10のミクロなシーン -
第97回
スマホ
ケータイが支える、マイクロ化と遍在化するメディア -
第96回
スマホ
ノマドワークのインフラをどう整えるか? -
第95回
スマホ
冬春モデル発表会で見えた、本当に欲しいケータイ -
第94回
スマホ
デザインから考える、ケータイのこれから -
第93回
スマホ
次の自動車社会とケータイとの関係 -
第92回
スマホ
モバイルアプリを実際に作るにあたっての考察 -
第91回
スマホ
楽しい使い方は現在模索中の「セカイカメラ」 -
第90回
スマホ
iPhoneと過ごしたNYとメキシコの旅でわかったこと - この連載の一覧へ