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今さら聞けないIT英語 第19回

「driven」を含むIT英文を攻略するカギは 主体と対象を理解することにあり

2006年10月27日 00時00分更新

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「今日は天気がいいからドライブに行こう」「Cドライブにインストールする」など、「drive」はエンジニアのみならず多くの日本人に馴染み深い言葉だ。中学校ではdriveを「(車などを)運転する」という意味で習ったことだろう。このdriveという言葉は、IT英語の文脈でも頻繁に使用される。

 パソコンを使う人であれば、こんな英語メッセージを見たことがあるだろう。

Please insert Setup CD-ROM into E:drive.(CD-ROMをE:ドライブに入れてください)

 念のためにdriveの本来の意味を「dictionary.com」で調べた。

to send, expel, or otherwise cause to move by force or compulsion.(送ったり、放出したり、その他のものを動かす原因となる力または強制力)

 つまり、driveには「(機械的なものを)駆動させる」という意味があるのだ。それが転じてIT英語のdriveは、CD-ROMやフロッピーディスクなど円盤状のメディアを回転駆動させてデータを読み書きする装置、すなわち上の英文では「E:という名前の駆動装置」という意味で使用されている。

 IT英語でdriveが使われる場面は、これにとどまらない。最近よく取り上げられる「MDA(Model Driven Architecture=モデル駆動型アーキテクチャ)」という開発スタイルの名称には、driveの過去分詞である「driven」が使われている。

 MDAとは、UML(Unified Modeling Language:統一モデデリング記述言語)などを使ってアプリケーションの機能をモデル化し、それを基にコードを自動生成する開発スタイルのこと。つまりMDAは、モデル定義という外的要因があってはじめて駆動するアーキテクチャ、すなわちモデル定義を「前提」としたアーキテクチャということだ。

 このように、主体(S)と対象(O)をdrivenでつなぎ「Sを前提としたO」とする発想が、IT業界ではよく用いられている。クルマ(O)は人(S)が動かすものであることは明白だが、開発のプロセスやデータ、プログラムは主体が明らかではない場合が往々にしてある。そこでプログラムの存在目的を認識するために、こうした発想が用いられているのだ。それを理解した上で、次の英文を読んでみよう。

A)PEAR is a community-driven project with the PEAR Group.

B)Build powerful MySQL-driven application with detailed coverage of advanced SQL optimization.
<注> MySQLはオープンソースのデータベースエンジン

 いかがだろう? drivenを「~によって駆動させられる」という意味で認識していると、何のことだか分からないはずだ。そこで、drivenから「Sを前提としたO」という発想を思い返していただきたい。すると「a community-driven project(コミュニティを前提としたプロジェクト)」や「MySQL-driven application(MySQLを前提としたアプリケーション)」など、drivenを含んだ一節が名詞として見えてくる。そうなれば、上のIT英文を理解できるだろう。正解はこうだ。

A)PEARは、PEARグループによるコミュニティを前提とした(コミュニティー的な方法によって推進される)プロジェクトです。

B)細部に至るまで高度にSQLに最適化された強力なMySQLを前提とした(MySQLベースで動作する)アプリケーションを構築します。

 drivenが「主体ありき」の動詞であることが分かれば、IT英文をグッと理解できるようになる。そして、それがエンジニアの発想を理解することの第一歩となるだろう。

「driven」を含むIT英文を攻略するカギは主体と対象を理解することにあり

Illustration:Aiko Yamamoto

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