Webブラウザを利用する上で、日常的にサーチエンジンを活用していることだろう。検索をサーチエンジンに依頼することをIT英語で「query(問い合わせ)」、サーチエンジンの検索窓に入力する文字列のことを「query string」または「query message」と言う。実際に、どのようにqueryを用いているのか。サーチエンジンを説明する次のIT英文を読んでみよう。
When you enter a query at a search engine site, your input is checked against the search engine's index of all the web pages it has analyzed.(あなたがサーチエンジンのサイトで問い合わせを入力した場合は、その入力(内容)は、サーチエンジンが調査するすべてのサイトのインデックスで、点検されます)
queryというIT英単語について、データベースの運用や開発に関わる人の多くは「データベースに問い合わせる(作業を指示する)」と認識しているのではないだろうか。queryは「主体」となるものがシステムに対して働きかけ(問い合わせ)、response(反応)を得る場合に使われる。上記のIT英文を例にすれば、サーチエンジンにqueryして検索結果というresponseを得ているのだ。なお、主体は必ずしも人間とは限らず、システムである場合もある。
このようにqueryは、システムなどを命令するために用いられる、つまり「command(コマンド)」の1つといえるのである。ではここで、commandとは何かを再確認するために、次のIT英文を読んでみよう。
Users direct the operation of the computer by entering command input as text for a shell to execute.(ユーザーは、シェルを実行するための命令(コマンド)をテキストで入力することで、コンピューターの動作を指示します。
注1:シェル
ユーザーからの指示を受け、プログラムの起動や制御を行なうプログラム
commandによって命令されると、システムはその命令内容を淡々とこなしていく。基本的にresponseはなく、いちいち作業の内容や状況を伝えることはしない。主体に対して何かを伝えるのは、エラーなど通常ではない事態が発生した場合に限られる。つまりcommandとは、システムに対する作業命令を意味する。ところが、queryは前述のようにresponse──回答や説明を求める命令なのだ。これが、queryとcommandを区別するポイントだ。エンジニアとしては、両者の違いをしっかり把握した上で業務に取り組みたいものだ。
Illustration:Aiko Yamamoto
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