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2006年10月13日更新

いろいろある「終了」を表すIT英単語 ニュアンスの違いを理解しよう

 IT業界で働く人にとって、コンピュータ上の作業やプロセスを「終了」することは、データ管理と同じくらい気を配る仕事といえよう。誤って終了してデータが消失してしまったら、目も当てられない。コンピュータが異常終了したときのメッセージを読んでドッキリした経験がある人も、少なくないのではないか。IT英語には、日本語で「終了」を表す単語がいくつもあり、それぞれが独自のニュアンスを持っている。あなたは、その違いをどのくらい把握しているだろう。

 Break、Close、Exit、Suspend、Stop、Quit、Terminate、End ……。普段、我々が「終了」という意味で理解しているIT英単語を、それぞれ「リーダーズ英和辞典」(研究社)で調べた。

Break
壊す、中断する

 ここで使われているBreakの意味は、もちろん「壊す」ではなく「中断する」。一連の処理からユーザなどが抜け出したいとき、その処理を中断するために使われる。たとえばプログラムでは、ループ処理から脱出するための命令書式としてbreak文が使われている。

Close
閉じる、終える

 CloseはOpenと対になっている言葉で、「(開いたものを)閉じる」というニュアンスが多分に含まれている。システム上でOpenしたものに対して使われることが多い。たとえば、ソフトウェアのあるウィンドウを閉じてもソフト自体は動作を続けている場合もあるように、1つの限られた作業を終了するなどに用いられる。

Exit
出口、外出、去る

 ExitはEnterと対になっている言葉で、「作業している場から出る」というニュアンスがある。現在の場所から出るために何かしらを「やめる」ときに用いられることが多い。たとえば、BIOSの設定画面から出る場合に「EXIT」を選択するという行為は、あくまでもBIOSの設定画面を終了することであり、BIOS自体は動作を続けている。Exitで終了するのは現在の場であり、その土台となるプログラムなどは動作を続けているのである。

Suspend
吊るす、見合わせる

 Suspendは「中断する」という意味で使われる言葉だ。たとえば、コンピュータのサスペンド(スタンバイ)機能は電源OFF直前の状態を保存し、次に電源ONしたときに保存状態から作業を再開する機能で、プログラムやシステムなど連続しているものを一時的に休止する際に用いられる。つまりSuspendすると、その上で動作しているプログラムや作業も、その場で止まることになる。

Stop
(動いているものを)止める

 Stopは動作しているもの(プログラムやシステム)を「止める」という意味で使われることが多い。適用範囲が広い言葉なので、その対象を瞬時に判断することは難しい。直面しているStopの対象は、プログラム自体なのか、それともプログラム上の処理なのか……。それは画面に表示されたメッセージの文脈から理解する必要がある。

Quit
やめる、~を止める

 Quitの注意点は、2つのニュアンスを持っていることだ。自動詞の場合は「やめる」というExitに近いニュアンス。他動詞の場合は「~を止める」というニュアンスで、現在の作業をしている場の土台となるプログラムなどを終了させるときに用いられることが多い。どちらのニュアンスで使われているのかを判断するには、メッセージの文脈をよく把握すること。Quitの後に目的語があれば他動詞、つまりプログラム自体が終了することと判断できる。

Terminate
終わらせる、~の最後を締めくくる、[限界、境界]をなす

 Terminateは以前に紹介したように、ネットワークへの接続が終了(切断)したときなど、連続しているものが終了する際に使われる。一連の作業や手順が完了したから終了するのが正常終了であるのに対し、何らかの原因があるので作業中であっても終了させてしまう異常終了の場合に用いられることが多い。対象物を「止めたい」という意思が強く込められている言葉だ。このTerminateと同様のニュアンスを含むIT英単語に「Abort」や「ABEND(abnormal end)」がある。Abortは障害などによって異常終了することを表し、ABENDは異常終了した状態を表している。

End
終わり、結末

 Endは「結末」という意味の通り、連続しているものを完全に「止める」際に用いられることが多い。Endは一連する物事のピリオドであり、この後ろに物事が続くことはない。プログラムやアプリケーション、システムを終了する場合などに用いられる。タスクを「強制終了」することを「End task」という。

 これまでに挙げた英単語を整理すると、単語によって「終了」した状況や対象に大きな違いがあることが分かる。とはいえ、それはニュアンスであって、明確なものではない。ここで紹介しているのとは違うニュアンスで使っているエンジニアもいる。あくまでも目安であるが、それでもトラブル発生時などに的確な判断を下すために有効な知識といえる。

いろいろある「終了」を表すIT英単語 ニュアンスの違いを理解しよう

Illustration:Aiko Yamamoto

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