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2006年08月04日更新

batchが指すものは何か? IT業界独自の概念「一般化」を理解しよう

 IT関連の書籍や現場では、「batch」という単語が頻繁に使われている。しかし、IT業界で経験が浅い人にとって、batchの意味は非常にあいまいでイメージしにくいという。先日、ある技術者系BBSで、こんな書き込みを見つけた。

Is it possible to execute a batch program from Visual Studio 2003? Basically I want to copy a file from the build directory to its deploy location. (Visual Studio 2003からバッチプログラムを実行できますか? ビルドディレクトリからファイルをコピーして展開させたいのですが)

 この文章にあるbatchとは何のことなのか。バッチプログラムとは、一体どんなプログラムなのか。試しに「リーダーズ英和辞典」(研究社)で調べてみた。

batch
一群、一団、一束

 これでは冒頭の英文のbatchが何なのかが見えてこない。そこで、英英辞典「Dictionary.com」で調べたところ、ようやく問題解決の糸口がつかめた。

batch
A collection of things or persons to be handled together.(一緒に扱われるべき物事や人々の集合体)

 そもそも、IT業界でbatchという言葉が使われるようになったのは、紙テープに穴を開けてデータを記録していた時代。当時は、データを記録した紙テープをコンピュータに投入する際、1本ずつ処理するのではなく、何本か一緒にまとめてから一括処理していた。この同時に処理する一束をbatchと呼んでいたのだ。これがIT業界の進展とともに、複数の似ているものを1つのグループとして処理することを指すようになった。

 つまり、IT英語におけるbatchとは次のようなことを意味し、heやthatのような「代名詞」に近いニュアンスで使われているのだ。

  • batch
  • 一定の期間や量で集めたデータをまとめて一括処理すること
  • 複数の手順を要する処理を、あらかじめ手順を記憶させておき、自動的に連続処理すること

 このbatchという言葉のように、似たような流れで行なわれる処理(現象)を1つの言葉や法則に凝縮するという概念を、エンジニアたちは「一般化」や「抽象化」と呼ぶ。そして、コンピュータに関連するさまざまな論理に用いている。それはITにかかわる英文も同様で、読む際は一般化に基づいた文脈を意識する必要がある。逆に、この概念を知ってさえいれば、IT系の英文を読むことの抵抗感は薄まるはずだ。

 さて、ここまで読んだ方であれば、冒頭の英文にある「a batch program」が何を指しているかお分かりだろう。答えは「“ビルドディレクトリからファイルをコピーして展開する作業”を自動的に連続処理するプログラム」だ。

batch 一群、一団、一束

Illustration:Aiko Yamamoto

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