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よろしくパソドック 第3回

【よろしくパソドック Vol.3】

なんでも見えちゃう!リキッドクリスタルパワー!

2007年07月05日 23時50分更新

文● 藤山 哲人

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写真を見れば一目瞭然! キットの組み立て

 秋月電子のキットは、ここ数年で初心者にも優しくなってきているが、「シリアル液晶表示キット(PICLCDキット)40×4行タイプ」はちょっと難しい。このキット、部品をえらく密集させているので、どこにどの部品を差すかが、基板の印刷から読み取りにくいのである。結局、部品の差し込み場所は、説明書にある回路図と照らし合わせなければならず、初心者にはやや困難さを感じるかもしれない。
 でも心配無用! この記事では、どこに何を差し込めばいいかを全部写真で紹介していく。回路のまったく読めない小学生でも作れる“エレキット”なみに簡単、確実に作れるから安心して欲しい。

1)使わない部品を避けてしまう

 このキットには、海外製の粗悪ACアダプタを使っても(アンプなどに使うと、ブーン音が出るようなACアダプタ)、質の高い電源にする回路が含まれている。今回は、電源をHDDと同様にPCから確保するので、この回路は要らない。そこで不要な部品を、まず避けていく作業からはじめよう。

利用しない部品4つ

今回利用しない部品4つ。左上からダイオード、3端子レギュレータ、コンデンサ2つ。これらを避けると、自作のラジオより部品点数は少なくなる

 まず青い米粒のようなコンデンサで、104と刻印されているものが3つあるが、このうち2つは利用しない。そして写真中央の5ミリ角の黒い物体から足が3本生えている部品。これも3つあるが、刻印よ~く見て欲しい。不要なのは“S813”とあるもの。5Vの電圧を作る3端子レギュレータと呼ばれる部品だ。“2SC”ではじまる2つの部品はトランジスタで、今回の工作には必要だ。
 最後は、1mm程度の円筒形の物体から左右2本の足が生えているもの。左右どちらかに銀の帯が刻印されてる。これはダイオードと呼ばれる部品だが、これも利用しない。
 添付のシリアルコネクタは、手持ちのケーブルにあわせてどちらか一方を使う。たいていの場合、でっかい25ピンの方だろう。使わない方は同じく避けておく。また液晶パネルの袋に入っているコネクタもこの工作では利用しない。

2)抵抗の取り付け

 このキットで使われている抵抗は、液晶パネルについている抵抗を除くと、すべて10kΩ(茶黒オレンジ金)だ。抵抗にはプラス、マイナスといった極性もないので、あとは指す部分さえ分かればカンタンだ。そして、次の写真が抵抗を差し込む穴である。

抵抗を差し込む位置

基板上のR2、R4、R5は縦に抵抗を取り付ける。R1とR3は横に取り付け

 抵抗5本のうち3本は、穴の間隔が短いので縦に取り付けるようになっているのがポイント。あとは、裏の銅箔面からハンダ付けするだけだ。また余分な足はニッパーで切り取ってしまう。

抵抗をハンダ付け

ハンダごてで銅箔面を温めてから、ハンダを流し込む。わずかなハンダで接続できるので、流し込み過ぎに注意すること。適量は、富士山のような山形になる程度だ

3)コンデンサと発振器の取り付け

 使わない部品を避けた場合は、104と刻印された青いコンデンサが1つと、同じく青いがちょっと大きめで足が3本生えた発振器がある。この2つの取り付ける位置は、写真の通りだ。

コンデンサと発振器をハンダ付け

基板上にC3とあるのがコンデンサ、X1とあるのが発振器の差し込み位置

 なおこれらの部品も、プラス・マイナスの極性がないので、取り付け方向はどちらでもかまわない。

4)ICソケットの取り付け

 ICはハンダ付けの熱に弱いので、必ずソケットを使うこと。なによりこのIC“PIC(Programmable IC)”と呼ばれ、パソコンで言うCPUにあたる重要部品だ。
 ソケット自体に極性はないが、ICには取り付け方向があるため、基板の切欠きマーク(半円状)とソケットの切欠きをあわせること。

ICソケットのハンダ付け

この向きからだと、ICソケットの切り欠きが左側にくるように差し込む

5)半固定ボリュームの取り付け

 取り付ける位置と向きは、写真の通り。これは液晶パネルのコントラスト調整用となる。

半固定ボリュームの取り付け

液晶パネルのコントラスト調整用ボリューム。左右どちらかに回っている場合は、ドライバでセンターに合わせておこう

6)トランジスタの取り付け

 トランジスタは2個あるが、いずれも同じものになっている。ただし取り付け方向があることに注意。部品を上から見ると、円に切り欠き(刻印面)があるが、写真のように取り付ける。

左側のトランジスタがICソケットと重なって見づらいが、切り欠きが右を向くように差し込む。右側の図は、真上から見たトランジスタの切り欠きの方向

 熱に弱い部品なので、部品をピッタリ基板に付けず、基板面から10mm以上黒い樹脂部分を離すこと。これで基板上の足が放熱器の役割を果たして、ハンダ付けの熱を逃してくれる。

7)ジャンパ線

 部品のハンダ付けは、背の低い部品から取り付けるのがセオリーだが、筆者が忘れていた(笑)という点と、ジャンパ線は切り取った部品の足を使うので、ここでハンダ付け。20×4行と16×2行の液晶の切り替えスイッチになっているので、ここでは20×4行のAを2本をハンダ付けする。

ジャンパ線のハンダ付け

ニッパで切り取った部品の足を使い、基板のAの部分2箇所を配線する

8)ほぼ完成

 ここまでの作業で、ほぼ8割は完成している。
 あとは液晶パネルの接続だが、このキットに付属しているコネクタを使うと、制御部分と液晶パネルが写真のようになる。

付属コネクタを使った、液晶制御部と液晶パネルの接続

付属コネクタを使った、液晶制御部と液晶パネルの接続。これだと、タダでさえ横長な液晶パネルなのに、さらに横長に伸びてしまい、ケースに実装する場合は不便だ

 これだと横に大きくなってしまいケースに実装するのは不便なので、今回はコネクタを使わずに作業を進める。
 大きなケースに入れる、もしくは面倒だからケースなんてイラネという場合は、付属のコネクタをハンダ付けしてもかまわない。

(次ページへ続く)

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