なんでも見せちゃう!万能液晶表示ユニット!
今回は、この夏休みにじっくり電子工作を楽しんでみたい人向けのお話。もちろん今まで同様、この「よろしくパソドック」はコーナータイトルこそバカだが、実用性を重視している。今回は、キャラクタLCD表示方式のCPUリソースメーターを工作してみたい!
さて、写真を見ると、とてつもなく難しそうなブツに見えるが、単なるANK文字40文字×4行の液晶表示モジュールキットの製作。リソースメーターになるか、カップめんタイマーになるか、時計になるかは、PC側のプログラム次第だ。
よろしく用語集!
ANK文字:最近はあまり使われない用語だが、半角のアルファベット(Alphabet)、数字(Number)、カナ(Kana)文字の総称。
とくにWindows Vistaへの乗り換えユーザーは切実。ウィンドウ枠が極太になったため、画面に表示できる情報量が少なくなった。20文字×4行とたった80文字の液晶表示モジュールではあるが、常に画面に表示させておきたい情報を、このモジュールに表示すればそれだけデスクトップを広く使えるのである。
この液晶モジュールの応用例としては、次のようなものがあるだろう。
・メール着信チェッカー
POP3サーバーにアクセスして、新着メールの数だけを表示するぐらいならさほどプログラムも手間じゃない? メールのタイトルは、感じが使われるから表示できないが……。
・TCP/IP接続先IP表示
フツーの人にはまったく利用価値はないけど、よなよなP2P通信やってる場合……(以下略)。
・再生中MP3ファイル名
メディアプレイヤーコントロールを使えば、MP3プレイヤーなんてカンタンに作れるので、ファイル名を表示……。って、漢字のファイル名はダメだ。ガクシ。
・HDD残り容量モニター
あまり変化がないところが寂しいが、Win32APIを使えば、残り容量もバッチリ表示できる! これも便利かも? 某ソフトで“キャッシュがいっぱいです”って前に対処できるから……。
「シリアル液晶表示キット(PICLCDキット)40×4行タイプ」
アキバの電子工作マニアのメッカ“秋月電子”で手に入るこのキットは3000円。同様のキットに16×2行タイプで2000円のキットもあるが、表示できる情報量を考えると40×4行タイプがお徳だ。
文字の表示は、PCのシリアル(RS-232C)コネクタに経由で行う。つまりこのキットは、PCから文字を受け取り表示するだけ。キットとPCをシリアルケーブル(ストレート)で接続し、Windowsに搭載されている“ハイパーターミナル”などを使えば文字を表示できるわけだ。
よろしく用語集!
ハイパーターミナル:Windows XPまで標準装備されていた通信ソフト。Vistaになって削除された(涙)。ということで、Vistaユーザーは、フリーの通信ソフトをインターネットで調達して欲しい。
シリアル通信は、ほぼUSBにシフトした今、PCのシリアルコネクタはまず使われることがなく、無駄にIRQとIOポートがアサインされている。こんな無駄に耐えられない貧乏性なマニアは、この液晶表示モジュールでリソースを活用しよう! もっとも貧乏性なマニアだと、BIOSでIRQとIOポートを開放しちまってるって話はヌキにして……。
さてキットの内容は、液晶表示パネルに表示制御部、シリアル用コネクタ(25ピンと9ピンの2タイプ)が同梱されている。PCとの接続に必要なシリアルケーブルは、昔モデムなどをつないでものを利用するといい。なければ別途購入となるが、アキバ界隈のジャンク屋なら時代遅れのシリアルケーブルなんて山のようにダンボールに積まれているから、数百円で買えるだろう。
工作に必要なものを集めよう!
この工作で必要になるのは、次のもの。
・シリアル液晶表示キット(PICLCDキット)40×4行タイプ 秋月電子で3000円
・PC用電源コネクタ(オス) 秋月電子か千石電商で100円程度
・ハンダごて(20W)
・ハンダ(電子工作用)
・ニッパ
・電線(工作では束になったモノを使っているがバラでもOK) 不要になったIDEやFDDケーブルを利用するとタダ
・熱収縮チューブ 絶縁用のチューブ。千石電商で100円程度。ビニールテープで絶縁してもかまわない。
・瞬間接着剤 近所のコンビニで200円程度
・通信ソフト WindowsXPなら標準添付のハイパーターミナルでOK。Vistaならインターネットからタダのものを調達
・Viual Basic 2005 Express Edition マイクロソフトがタダで配っているVisual Basic。有償のVisual Basic 6.0以降でもかまわない)
これだけで基板丸出しではあるが、動くものが作れる。あとは先の写真のように金属ケースに実装するか、パソコンの5インチベイに実装するかで、工具や材料が変わってくる。ケース加工については、別の機会に詳しく説明するとして、今回は動くモノを作るところまでを紹介しよう。
(次ページへ続く)

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