孫正義氏の野心はたえない 編集部撮影
ヤフーなどを傘下に抱えるZホールディングスが、メッセージアプリ最大手LINEと経営統合するというニュースが駆け巡っている。
いまのところ、ソフトバンクやZホールディングスは、「協議中」であることを認めているが、先行した日経新聞が「経営統合」と報じたが、「包括提携」とする報道機関もある。
一方で、東芝が「親子上場」を解消するため、子会社の株を取得すると発表している。
ソフトバンクグループと東芝の両社は、かなり雰囲気の異なる企業グループだが、ほぼ同じタイミングで報じられた2つのニュースは、共通する課題がある。
親会社と子会社がいずれも株式市場に上場している「親子上場」をめぐる課題だ。
●子会社アスクルと対立したヤフー
東芝の発表によれば、東芝は、上場している東芝プラントシステムなど3社の株を公開買付し、完全子会社化を目指すという。
東芝の今回の決定の背景には、企業買収が一般化した結果、親会社と子会社がともに上場をしているケースが増え、いくつかの課題が生じていることがある。
2019年夏には、ヤフー(現在のZホールディングス)と、子会社でオフィス用品を販売するアスクルが激しく対立した。
ヤフー側が、個人向けネット通販サービス「LOHACO」を譲渡するよう、アスクルに要請。当時のアスクルの経営陣がこの提案に対して強く反発した。
この結果、筆頭株主のヤフー側は、社長の退任などを求める強い措置に出た。8月に開かれたアスクルの株主総会では、社長退任へと発展した。
●日本取締役協会はヤフーを批判
以下に、おおざっぱな関係性を図として示すが、現在のアスクルは、Zコーポレーションの子会社だ。ソフトバンクグループからみると孫会社にあたる。携帯キャリアのソフトバンクもZホールディングスの大株主だ。
アスクルもヤフーも上場している、「親子上場」にあたるが、この騒動を株主の視点でみると、どんな問題があるのだろうか。

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