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アスキー的パソコン大解剖 第66回

どんどん値下がるSSD! 最新NVMe SSDの基本&人気8製品テスト (1/4)

2019年06月22日 12時00分更新

文● 藤田忠 編集●ASCII編集部

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 ここに来て、SSDの値下がりが目立っている。

最速からコスパ優秀なモデルまで、選択肢が増えているNVMe SSD

 Windowsのシステム+普段使っているデータを余裕を持って保存できる1TBクラスでも、1万円台前半で購入できるようになってきた2.5インチSSDも気になる存在だが、価格が右肩下がりなのは、より高速なPCI Express Gen3×4インターフェース採用のNVMe M.2 SSDも同じだ。

 売れ筋の容量500GBクラスでは、2.5インチSSDの5~6倍近く高速なリード・ライト3000MB/秒のアクセス速度を発揮しつつ、1万5000円前後で購入できるようになってきた。最近ではさらに選択肢が増え、性能は多少ダウンするが価格を抑えたNVMe SSDも続々と登場してきている。

 そんなNVMe SSDが自作PC業界では今最注目のパーツと言える。この夏に新たに組む自作PCへの搭載はもちろん、2.5インチSSDや前世代NVMe SSDからの買い換えにもベストと言える。今回はNVMe SSDの基本中の基本から、注目8製品の実測パフォーマンスまでを紹介していこう。

NVMe SSDの鉄板モデルとなるSamsung「970 EVO 500GB」と後継モデル「970 EVO Plus 500GB」の価格推移。最速クラスの容量500GBモデルが、1年間で1万円以上値下がりしている

同じM.2のSSDでもインターフェースが異なるものがある!?
M.2の規格をマスター

 少し前に「次世代ストレージインターフェース」と呼ばれていたものとして、データ転送速度10Gbpsの「SATA Express」も存在していたが、今では内部インターフェースの選択肢が多く、最大転送速度が32Gbpsと高速なM.2規格が広く普及している。

 M.2規格の内部インターフェースは、従来と同じSATA3(6Gbps)のほか、高速なPCI Expressを通じてデータをやり取りすることで、SATA3の5倍以上になる3000MB/秒オーバーのシーケンシャルアクセスを実現するPCI Express接続(NVM Express)の2種類に大きく分けられる。SATA3インターフェース採用のM.2 SSDは2.5インチSSDと同価格帯で、かつケーブルレスで接続できるというメリットもあるが、最近はNVMe SSDでも安価な製品が増えているので、NVMe SSDに狙いを定めるのがベターだ。

 内部インターフェースは実際の製品仕様を見るのが確実だが、M.2規格の端子形状は接続インターフェースで異なるので、覚えておこう。主にSSDで使用されているのは「Key M」と「Key B+M」の2種類の形状になる。M.2規格は75本のピンで構成されており、どのピンが省かれているかで対応インターフェースが決まってくる。Key Mの対応インターフェースはPCI Express ×4/SATAで、左右2ヵ所に切り欠きがある「Key B+M」は、PCI Express ×2/SATA/USB3.0などになる。

 マザーボードには通常Key M対応のM.2スロットが備わっており、Key B+M形状のM.2 SSDも使用可能だが、そのスロット自体がサポートしている内部インターフェースはマザーボード次第なので、マニュアルなどを確認する必要がある。また、M.2 SSDには長さの規格もある。主流となるType2280(22×80)のほかに、基板長が短いType2260(22×60)とType2242(22×42)がある点も覚えておこう。

ストレージインターフェース

SATA3(最大データ転送速度6Gbps)
 SSDやHDDや光学ドライブの接続にも使用されているストレージインターフェース

マザーボード上に装備されているSATAコネクターと各種ドライブをケーブルで接続。M.2スロットと排他使用のものも増えている

NVMe
・PCI Express 3.0×2(最大データ転送速度16Gbps)
・PCI Express 3.0×4(最大データ転送速度32Gbps)

 PCI Expressを使った次世代ストレージインターフェース。PCI Express 3.0×4で接続を採用する最速クラスのNVMe SSDはリード・ライト3000MB/秒オーバーを実現する。なお、PCI Express 3.0よりも高速なデータ転送が可能になるPCI Express 4.0インターフェースも控えており、対応するM.2 SSDの発売も予定されている。

マザーボード装備のM.2スロット。PCI Express Gen3×4とSATA3インターフェースに対応。最新マザーボードでは、PCIe Gen3×4対応のM.2スロットを2基備えていることが増えている

Key M。PCI Express Gen3×4とSATA3に対応する

Key B+M。PCI Express Gen3×2にも対応する。SATA3インターフェース採用のM.2 SSDに多い

802.11acやBluetoothに対応するWi-Fiカード向けとなる「Key E」形状のM.2スロットもある

NVMe M.2はPCI Expressスロット経由での接続も可能

 内部インターフェースがPCI Express Gen3×4のNVMe SSDは、M.2→PCI Express変換ボードを使うことで、PCI Expressスロットで使用することもできる。CPU直結のPCI Express Gen3レーンと接続されているPCI Expressスロット(主にビデオカード向け)を消費することになるが、チップセット制御下のM.2スロットよりもパフォーマンスは向上する。

NVMe M.2 SSDのデメリットとなる高発熱への対策バッチリなaquacomputer「kryoM.2 evo」。大型ヒートシンクで強力に冷却

4枚のNVMe M.2 SSDでRAID0/1/5/10を構築できるPCI Express Gen3×16接続のHighPoint製RAIDボード「SSD7102」。6万7000円前後で購入できる

 実際、Samsung製NVMe M.2 SSDの970 EVO Plus 500GBを、PCIe変換ボードに搭載して「ATTO Disk Benchmark」を実行すると、シーケンシャルライトが220MB/秒程度アップした。

 また、マザーボード上のM.2スロットではパフォーマンスが頭打ちになってしまうNVMe SSDでのRAIDも、PCI Express Gen3×16対応RAIDボードなどを使うことで、7000MB/秒などといったパフォーマンスを実現することが可能だ。

PCIe変換ボードを使用。最大リード3355MB/秒、ライト3223MB/秒を記録。ライトパフォーマンスが顕著に向上している

マザーボード上のM.2スロットに搭載したときの結果

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