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スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典 第106回

Windows Mobile搭載スマホを世界に広げたi-mateを忘れてはいけない

2018年09月03日 14時00分更新

文● 山根康宏

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 iPhone登場以前のスマートフォン市場では、企業向けを中心にWindows Mobile OSを搭載した製品が多くのメーカーから登場しました。その中でも中東のドバイにベースを置いたi-mateは積極的にグローバル展開したメーカーです。わずかな期間ながらも日本市場にも参入したi-mateの歴史を振り返ります。

HTCのODM品を次々に市場に投入

 I-mateは2001年にスコットランドで創業したメーカーですが、本社はドバイに置かれ2004年からWindows MobileをOSに採用したスマートフォンを次々とリリースしていきました。i-mate自身はスマートフォンを製造せず、製品はすべて台湾のHTCから供給を受けたものでした。当時のHTCはまだODM(Original Design Manufacturing、相手先ブランドによる製品設計・生産)の裏方に徹したメーカーで、その名前が表に出てくることはほとんどありませんでした。

 HTCのスマートフォンは通信キャリアを中心に数多く採用され、各社のブランド品として販売されました。イギリスのキャリア、O2は自国だけではなくO2ブランドでヨーロッパ各国に端末を販売していたのも有名です。他にもT-MobileやOrange、ボーダフォンなどがHTCのスマートフォンを採用しました。通信キャリアとしては自社回線とセットでスマートフォンを売ることで、企業向けに回線と端末の大量導入を図ることができるメリットもありました。

 i-mateは新興のスマートフォン専業メーカーとしてスタートし、まずPocket PC 2002を採用したストレート型、携帯電話タイプの「i-mate Smartphone」を2004年1月に投入します。この年はこの形状の製品を4機種投入しますが、これはノキアのSymbian OS搭載スマートフォンに対抗し、通話をメインに使いながらもメールチェックやオフィスアプリデータを手軽に閲覧したいというユーザー向けの製品でした。

 またタッチパネル搭載モデルも複数投入。年末には当時としては大型の3.5型240x320ドット・タッチパネルディスプレーを搭載し、縦スライドするとQWERTYキーボードが現れる「PDA2K」も発売、ブラックベリーを超える高性能なキーボード端末として話題になります。このPDA2KはHTCのコード名で「Blue Angel」という製品で、通信方式はGSM/GPRSの2G対応、OSはWindows Mobile 2003 Second Editionを搭載していました。

ストレートタイプの製品を多数投入(i-mate SP3)

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