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スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典第17回

「第3のOS」戦争にも果敢に挑んだZTEの反省と奇策

2016年11月06日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

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 ハイレゾサウンド対応の「AXON 7」シリーズや、キャリア向けカスタマイズモデルを次々と送り出すZTE。

 同社はスマートフォン以前から携帯電話市場に参入しており、これまでに数々の名機を送り出してきました。ZTEのスマートフォンの歴史を振り返ってみましょう。

Android参入初期からヒットモデルを登場させる

 ZTEの携帯電話事業の歴史は古く、最初の端末を発売したのは1998年に遡ります。当初は中国国内向けにビジネスを展開していました。2008年4月に中国移動がTD-SCDMA方式で3Gサービスを開始すると、3G対応スマートフォン「U990」を投入。中国国内向けでOSはWindows Mobile 6.1でした。

 また、合わせてスタイラスペンで操作できるタッチパネルのフィーチャーフォン「U980」も発売。ZTEのスマートフォンの歴史は、中国の3Gが始まったこの時から始まったと言えます。

 しかし、Windows Mobileはその後数機種を出すにとどまり、2010年からAndroid端末をリリース開始。そして、早くも人気製品が登場します。それが「Blade」です。3.5型480x800ドットのディスプレーに、カメラは300万画素。

 最大の特徴はやや流線型を帯びた本体デザインで、背面のカメラ周りのデザインもただレンズを配置するだけの他社のモデルとは異なる凝ったものでした。

中国移動のロゴの入った「Blade」。グローバルで大ヒットする

 Bladeは中国市場では3キャリア向けに3方式(TD-SCDMA、W-CDMA、CDMA2000)バージョンを投入。そして、本格的なグローバル展開も行なわれ、ヨーロッパの各国のキャリアも採用。さらには、日本でも「Libero SoftBank 003Z」として発売されるなど、世界中どの国へ行っても見かけるほどのメジャーな製品となりました。

 スペックはミドルレンジですが、手ごろな価格と安っぽさの無いデザインからあらゆるユーザー層に受け、総販売台数は1000万台を突破します。

 このBladeに加え、大画面の「Skate」、コンパクトで低価格の「Racer」の3本柱でZTEはスマートフォンの販売台数を急増させていきます。2012年には新しいハイエンドモデル「Grand」シリーズも投入。Bladeも「Blade II」「Blade III」と進化し、2013年第1四半期にはスマートフォンのグローバルシェアで4位(IDC調査)につけるまで成長しました。

 上位はサムスン、アップル、RIM(現BlackBerry)。5位につけるHTCを含む、3位から5位のシェアは拮抗しているものの、スマートフォンの本格的な参入からわずかな年月で上位2社のあとを追いかけるポジションに食い込んだのです。

2012年にはGrandのLTEモデルも開発。次々と新製品を送り出していく

 また、キャリアの力の強いアメリカには、プリペイド向けの低価格機を次々に送り出していきました。とくにフィーチャーフォンからスマートフォンへの乗り換えを促したいMVNOキャリアにとって、SIMロックを付け100ドル以下で販売できるスマートフォンの導入は急務だったのです。

 ZTEのエントリーモデルやミドルレンジクラスの製品はその需要にピッタリであり、しかも、中国国内でCDMA2000端末を出しているため、アメリカのCDMAキャリア向けへのカスタマイズも簡単でした。BoostmobileなどCDMA回線を利用するMVNOキャリアへZTEは低価格スマートフォンを次々と導入し、アメリカでも着々とシェアを高めていきます。

ブランド力を高めるため、Android以外へのOS展開をはかる

 ZTEのスマートフォンはラインナップの豊富さに加え、他社製品よりも割安な価格に魅力がありました。その反面、大手メーカーのフラグシップモデルに並ぶ製品が無いことから、ブランド力をなかなか高めることができずにいられませんでした。

 とくにAndroidスマートフォンはライバルが多く、特徴ある製品を送り続けることができなければ販売数も一気に落ち込んでしまう恐れがあります。

 そこでAndroid以外にも活路を見出そうと、別OSの採用にも果敢に挑戦しました。

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