Periscopeが10月14日未明(日本時間)に「Periscope Producer」を発表しました。
ライブ配信メディアのひとつであるPeriscopeは「DJI drone」や「GoPro」など特別な手段での配信は可能であったものの、基本的には、iOSおよびAndroidの「スマートフォンを通じて配信することしか」できませんでした。
今回発表された「Periscope Producer」は、スマートフォン一台で手軽に配信ができることに加え、パソコン上で動作可能なソフトウェア(「Wirecast」や「OBS」といった外部配信ツール)や、Liveshell Proのような(パソコンが無くてもライブ配信ができる)ハードウェアなど、プロユースの配信機材からも、Periscopeでライブ配信可能となるサービスです。
Periscopeを試してみたことの気づき
「Periscope」はTwitterが買収し、2015年3月にiOS版、同年5月にAndroid版がリリースされたライブ配信メディアのプラットフォームです。
諸外国での認知度は高いものの、日本ではスマートフォン一台で簡単にライブ配信ができる「ツイキャス」「LINE LIVE」などに比べると認知度はまだまだこれから。
ですが、スマートフォンアプリの「Twitter」から「Periscope」が連携されたり、Twitterのタイムライン上に貼り付けられる形でPeriscopeで配信されているコンテンツが視聴できるようになるなど、TwitterとPeriscopeの連携がより強化されてきています。
今回のPeriscope Producerがリリースされたことがきっかけで、私自身も久しぶりにPeriscopeでのライブ配信を実際に行なってみて、その時に感じた「配信者」側としての気づきがふたつありました。
まずひとつ目は、ライブ配信メディアの要である「コメント機能」についてです。
ほとんどのライブ配信メディアでは、視聴者からのコメントを配信中に振り返る(見返せる)ように、スクロールをすることなどの手段によって、見逃したコメントを探すことが可能なのですが、Periscopeは視聴者から寄せられたコメントをバルーン表示したのち、しばらくするとそのコメントが消えてしまいます。
なんらかのタイミングで配信画面から目をそらしている間にコメントされ、それが消えてしまうとせっかく寄せられたコメントに対応できなくなります。これは非常に致命的な仕様であるように感じます。
Periscopeの配信者(※これらの人達のことは「Periscoper」と呼ばれているそうです)たちによれば、「消えてしまい読めなかったコメントを再度送信してもらうよう促す」文化があったり、Periscopeとは別の外部の連携サービスを用いて、視聴者から寄せられたコメントを見逃さないようにしている、ということを知りました。
しかし、スマートフォン視聴が主体の「Periscope」では再び同じコメントを打ち直すのは一苦労。
もしくは、せっかくTwitterとの親和性が高いPeriscopeなのですから、Twitterと連携することによって「ハッシュタグ」をつけたコメントを(オプションで)ツイートすることができれば、ハッシュタグをキーに検索することで、別の手段でコメントを読み返す手段を取ることもできるかもしれません。
この「コメントが泡のように消えてしまう」仕様は再考をしてほしいところです。
ふたつ目は、「Periscope Producer」でライブ配信するときの「開始」「終了」をPCブラウザー上からできない点。
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