将来的にVRも実現!?最強NUCを衝動買い!
どもどもジサトライッペイです。8月16~18日にサンフランシスコで開催したインテルの開発者会議『IDF16』(Intel Developer Forum 2016)に参加してまいりました。何と言っても今年の話題はインテルの“VR”施策でした。
インテルはもともと『RealSense』という、生体認証機能“Windows Hello”などで使える奥行き判定カメラモジュールを開発していたのですが、それをHMDにも搭載して、VR空間に現実のオブジェクトを登場させる“MR”(Merged Reality=融合現実)を実現する『Project Alloy』というオールインワンHMDを発表しました。PC並みのプロセッサーも搭載し、バッテリーで動くワイヤレス型HMDということで、常々HMDはワイヤレスであるべきだと主張している僕としては、すごくワクワクする発表でした。
また、基調講演ではその流れで同じくオールインワンHMD『HoloLens』を開発したマイクロソフトの偉い方が登壇し、同社のVRプラットフォームである『Windows Holographic』を来年のWindows 10のアップデートでメインストリームのPCに提供するとアピール。これにより、VRに必要なグラフィック要件は下がり、CPU内蔵GPUでもVRが楽しめるようになるということです。そして、その一例としてインテルNUCの最新モデル『Skull Canyon』を挙げました。そんなわけで、早速IDF会場で売っていたSkull Canyonを衝動買い。Skylake世代最強のCPU内蔵GPU“GT4”を採用し、3D性能も期待できるし、VRレディーってことでまあ迷いませんでしたね。
ジサトラ完全版:今週の研究員
ジサトライッペイ
ジサトラきっての自腹er。6月に114万円も自作PCに投資してお金がないくせに、ベアボーンPCを買ってしまった浪費野郎。物欲がぴたっと止まる薬があるなら誰か教えてください。鬼買いしますんで。
Skylake世代ナンバー1のIntel Iris Pro Graphics 580
さて、では気になるSkull Canyonの性能を見ていきましょう。従来、インテルのベアボーンPC『NUC』は、ノートPC向けのCPUが採用されてきました。Skull Canyonもそのルールに沿って、ノートPC向けのCPUであるCore i7-6770HQを搭載しております。しかし、これは4コア/8スレッド駆動のSkylake世代のHプロセッサーでTDPは45W。つまり、デスクトップ用ではないものの一般的なノートPC向けCPUよりもだいぶハイパフォーマンスなものになります。
動作クロックも定格2.6GHz、TB2.0最大時は3.5GHzと高めです。L3キャッシュは6MBで、一般的なノートPCに採用されるCore i7-6500U(2コア/4スレッド、2.5~3.1GHz、L3キャッシュ4MB、TDP15W)と比べると、どれだけ異常なスペックなのかがわかります。そして極めつけは、CPU内蔵GPU、Intel Iris Pro Graphics 580を採用していること。Intel Iris Pro Graphics 580はGT4と呼ばれ、グラフィック処理を担当するEU数が72基も(Core i7-6500U内蔵のGT2はEU数が24基)搭載するSkylake世代最強のGPUです。さらにGT2以下には非搭載の128MBのeDRAMも搭載しているGT4eというやつです。
これらの仕様でほかのノートPC向けCPUとは別格の性能を発揮できるわけです。というわけで、ベンチマークを見てみましょう。
まずはノートPC向けとなる3DMarkのCloud Gateテスト。12420スコアーとノートPC向けCPUとしてはかなり高めの成績です。そもそもSkylake世代でIrisを搭載したノートPC自体、結構種類が少ないのですが、『Surface Pro 4』のCore i7モデル(Core i7-6650U、Intel Iris Graphics 540)が有名ですね。Pro 4のIrisはEU数48基、eDRAM64MBのGT3eと呼ばれるもので、こちらも一般的なノートPCに搭載しているCPU内蔵GPUよりもかなり高性能なのですが、以前検証した成績と比べてみると、Skull Canyonのほうが1.5倍以上優秀ということになりました。
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