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こだわり部隊の本音「ジサトラ 完全版」 第10回

Surface Bookが裸足で逃げ出す最強Iris搭載Skull Canyonを買いました

2016年09月05日 12時00分更新

文● ジサトライッペイ/今週の研究員

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将来的にVRも実現!?最強NUCを衝動買い!

 どもどもジサトライッペイです。8月16~18日にサンフランシスコで開催したインテルの開発者会議『IDF16』(Intel Developer Forum 2016)に参加してまいりました。何と言っても今年の話題はインテルの“VR”施策でした。

 インテルはもともと『RealSense』という、生体認証機能“Windows Hello”などで使える奥行き判定カメラモジュールを開発していたのですが、それをHMDにも搭載して、VR空間に現実のオブジェクトを登場させる“MR”(Merged Reality=融合現実)を実現する『Project Alloy』というオールインワンHMDを発表しました。PC並みのプロセッサーも搭載し、バッテリーで動くワイヤレス型HMDということで、常々HMDはワイヤレスであるべきだと主張している僕としては、すごくワクワクする発表でした。

 また、基調講演ではその流れで同じくオールインワンHMD『HoloLens』を開発したマイクロソフトの偉い方が登壇し、同社のVRプラットフォームである『Windows Holographic』を来年のWindows 10のアップデートでメインストリームのPCに提供するとアピール。これにより、VRに必要なグラフィック要件は下がり、CPU内蔵GPUでもVRが楽しめるようになるということです。そして、その一例としてインテルNUCの最新モデル『Skull Canyon』を挙げました。そんなわけで、早速IDF会場で売っていたSkull Canyonを衝動買い。Skylake世代最強のCPU内蔵GPU“GT4”を採用し、3D性能も期待できるし、VRレディーってことでまあ迷いませんでしたね。

IDF会場では定価の649.99ドルから50ドル安の599.99ドルで販売。しっかり本体に技適マークがあることを確認し、円高も手伝って、日本で買うよりも2万円ぐらい安くゲットできました

箱の大きさは約234(W)×146(D)×115(H)mm。NUCシリーズの箱としてはかなり大きめです

とにかく天面のスカルマークがカッコイイSkull Canyonこと『NUC6i7KYK』。ベアボーンPCなので、別途メモリーとストレージとOSが必要になります

底面のネジ穴は返しが付いており、ネジを外してもケースから落ちない使用が便利です

メモリースロットはSO-DIMMが2基、M.2スロットも2基あります。今回はCruciaiのDDR4-2133メモリー(8GB×2)、サムスンのM.2 SSD(256GB)を入れてみました。OSはWindows 10 Pro 64bit DSP版です

ジサトラ完全版:今週の研究員

ジサトライッペイ
 ジサトラきっての自腹er。6月に114万円も自作PCに投資してお金がないくせに、ベアボーンPCを買ってしまった浪費野郎。物欲がぴたっと止まる薬があるなら誰か教えてください。鬼買いしますんで。

Skylake世代ナンバー1のIntel Iris Pro Graphics 580

 さて、では気になるSkull Canyonの性能を見ていきましょう。従来、インテルのベアボーンPC『NUC』は、ノートPC向けのCPUが採用されてきました。Skull Canyonもそのルールに沿って、ノートPC向けのCPUであるCore i7-6770HQを搭載しております。しかし、これは4コア/8スレッド駆動のSkylake世代のHプロセッサーでTDPは45W。つまり、デスクトップ用ではないものの一般的なノートPC向けCPUよりもだいぶハイパフォーマンスなものになります。

 動作クロックも定格2.6GHz、TB2.0最大時は3.5GHzと高めです。L3キャッシュは6MBで、一般的なノートPCに採用されるCore i7-6500U(2コア/4スレッド、2.5~3.1GHz、L3キャッシュ4MB、TDP15W)と比べると、どれだけ異常なスペックなのかがわかります。そして極めつけは、CPU内蔵GPU、Intel Iris Pro Graphics 580を採用していること。Intel Iris Pro Graphics 580はGT4と呼ばれ、グラフィック処理を担当するEU数が72基も(Core i7-6500U内蔵のGT2はEU数が24基)搭載するSkylake世代最強のGPUです。さらにGT2以下には非搭載の128MBのeDRAMも搭載しているGT4eというやつです。

 これらの仕様でほかのノートPC向けCPUとは別格の性能を発揮できるわけです。というわけで、ベンチマークを見てみましょう。

3DMarkのCloud Gateテスト

 まずはノートPC向けとなる3DMarkのCloud Gateテスト。12420スコアーとノートPC向けCPUとしてはかなり高めの成績です。そもそもSkylake世代でIrisを搭載したノートPC自体、結構種類が少ないのですが、『Surface Pro 4』のCore i7モデル(Core i7-6650U、Intel Iris Graphics 540)が有名ですね。Pro 4のIrisはEU数48基、eDRAM64MBのGT3eと呼ばれるもので、こちらも一般的なノートPCに搭載しているCPU内蔵GPUよりもかなり高性能なのですが、以前検証した成績と比べてみると、Skull Canyonのほうが1.5倍以上優秀ということになりました。

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