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AI時代、「センス」で仕事の説明を終わらせない - アート思考と判断デザインで、目的形成と判断を学べる実務へ

PR TIMES

組織行動科学(R)︎
知識・スキル・経験を切り離さず、着想から確認・選択・実行・結果の検証までを接続。個人の感覚に委ねられてきた仕事を、他の人も学び、試し、更新できる8段階の参照プロセスとして提案します。

AIがスキルを担い、人間にはセンスだけが残るのではありません。
人もAIも使いながら、知識を増やし、スキルを磨き、経験から形成された見方を確かめ直していく。その循環そのものを仕事にする必要があります。
980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学(R)の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑 智康)は、仕事において「センス」と呼ばれてきた目的形成や判断を、知識・スキル・経験・仕事の条件の関係から捉え直し、他の人が学び、実践し、検討できるようにする実践枠組みを公開します。



本枠組みでは、センスを「ある人と、ない人を分ける才能」として扱いません。
一人ひとりが経験の中で形づくってきた見方や判断の傾向を出発点に、何を確かめ、何と比較し、なぜ選び、結果から何を更新するかを具体化します。
そのために、未確定なものを形にし、応答から見方・問い・価値仮説をつくり直す「アート思考」と、必要な情報・比較・権限・責任・結果確認が整った仕事をつくる「判断デザイン」を接続します。AIも、完成した考えの清書だけでなく、案を形にし、比較し、目的や前提を問い直す過程に組み込みます。

なぜ今、「センス」を実務の言葉で捉え直すのか

「この人は、企画のセンスがある」「相手に伝わる構成をつくるのがうまい」「何を優先するかの判断が的確だ」。こうした評価を否定する必要はありません。
しかし、その理由を「センスがあるから」で説明し終えると、育成や継承に必要なことが分からなくなります。何を学べばよいのか。何に注意すれば違いが見えるのか。どの条件が変われば、過去の判断を見直すべきなのか。


AI時代の仕事も、「AIが知識やスキルを担い、人間にはセンスが残る」という二分法だけでは捉えられません。AIとの共働にも、対象を理解する知識、問いを組み立てる技能、情報を確かめる方法、結果を評価する力が必要です。本枠組みでは、その知識や技能も、実際の共働を通じて学び直す対象にします。

必要なのは、知識・スキル・センスの優劣を決めることではありません。それぞれが、どのように仕事を支え、どのような経験を通じて更新されるかを明らかにすることです。



センスは、今までの経験の中で形成された「見方と判断の傾向」

本稿では、仕事におけるセンスを、次のように定義します。
センスとは、経験と環境の中で形成・更新され、ある状況で何に気づき、何と結びつけ、何を重要・適切・面白いと捉え、どう形にし、選び、関わるかを方向づける見方と判断の傾向である。
これは、仕事で使うための当社の作業定義です。人の感覚や創造性を一つの能力で説明するものでも、個人差の原因を経験だけに限定するものでもありません。
同じ資料でも、文章の正確さに先に気づく人、見た目の統一感が気になる人、受け手が次に何を判断できるかを考える人がいます。本枠組みでは、こうした違いを、その人の現時点の学習の出発点として扱います。
ただし、見方があることと、その見方が今回の仕事に適切であることは別です。「本人らしいこと」「他と違うこと」「相手や仕事にとって価値があること」も、同じではありません。
その有効性は、時代背景に加え、相手、目的、技術、制度、利用場面、評価基準との関係で確かめます。一方、正確さや安全性まで、その時代の好みだけで決まるわけではありません。


熟練した直観について、KahnemanとKleinは、環境に学習可能な規則性があることと、それを学べる練習・フィードバックの機会が重要であり、本人の確信だけでは判断の正しさは分からないと整理しています。


過去の経験から「こう見える」ことを大切にする。しかし、「こう見える」ことだけを、今回も適切だという証拠にしない。
ここから、センスを強く信じることよりも、それが通用する条件と、確かめ直す条件を明らかにすることを重視します。


形成と更新を考える際には、「何を経験したか」だけでなく、その経験で何に注意し、何を試し、どの結果を受け取り、どう捉え直したかを扱います。本枠組みでは、次の循環を実務上の検討対象にします。
今ある知識と見方で関わる → 形や反応の違いに触れる → 不足する知識を学び、技能を試す → 見方と判断基準を確かめ直す → 次の仕事で使う。
これは、経験の回数が増えれば自動的に改善するという主張ではありません。気づきや着想を得たことと、その見立てが適切だったことを分け、何を学び直す必要があるかを確かめます。



知識・スキル・センスは、一つの仕事の中で結びついている

三つを切り離された能力や上下関係としてではなく、仕事を理解するための観点として整理します。

この区別は重なりを含みます。素早い見立てについても、それを支えた知識や練習、経験との関係を検討します。「センス」という別の能力を付け足さなければ説明できない、と初めから決める必要はありません。

創造性に関するAmabileの構成要素理論も、専門領域の知識・技能、創造的に考える過程、課題への動機、周囲の環境を組み合わせて扱います。創造的な仕事を、単独の特性だけで説明する立場ではありません。
また、知識やスキルがあっても、必要な情報、時間、道具、相談先、判断できる権限がなければ、実践は進めにくくなります。本枠組みでは、本人の学習と、仕事を成立させる条件の整備を併せて扱います。

すべてを一人で身につけてから始める必要はありません。必要な知識を学び、他者の専門性やAIの支援を使いながら、安全に試せる範囲から取り組みます。



「何を目指すか」「どう選ぶか」も、学べる過程として扱う

実際の仕事では、手順を知っていても、今回何を優先し、どの方法を使うかが、それだけでは決まらないことがあります。何をする仕事なのか、その目的自体を問い直す必要がある場合もあります。
このときに必要なのは、説明不能な才能を待つことではありません。現在の見立てを示し、必要な知識と事実を増やし、選択肢と基準を検討する過程をつくることです。


Keeneyの価値に着目した意思決定研究は、与えられた選択肢から選ぶだけでなく、大切にする価値を明らかにし、取り組むべき意思決定や新しい選択肢をつくるための考え方と手続きを提示しています。
また、DorstとCrossによる9人の経験ある工業デザイナーを対象とした研究では、問題を先に固定してから解決案をつくるだけでなく、問題の捉え方と解決案が行き来しながら変わる過程が報告されています。限定された設計課題の研究ですが、問題設定を、制作の途中でも検討し直すという理解を支える知見です。


正解が一つではないことと、よりよく考える方法がないことは違います。その人に固有の判断が含まれることと、その判断過程から他の人が学べないことも違います。


なお、事実を集めれば、目的が自動的に一つに決まるわけではありません。何を大切にするか、誰の利益と負担をどう扱うかには価値判断が含まれます。その違いを隠さず、関係者が検討できる状態にします。



アート思考で前提を問い直し、判断デザインで確かめて選ぶ

当社は、アート思考を次のように定義しています。
アート思考とは、既存の言葉や基準では捉え切れない現実を、未確定なまま形にし、その形と素材・他者・状況との往復によって、現実の見方、探究すべき問い、価値仮説をつくり直す思考実践である。



ここでいう「形」は、完成した作品に限りません。図、文章、配置、動作、模型、試作品、仕事の進め方など、見直したり、使ったり、他者と確かめたりできるものを含みます。


重要なのは、既に決まった考えを上手に見せることだけではありません。形にしたことで分かった矛盾や、相手・現場・素材から返ってきた予想外の応答を受けて、何を問題とし、何をよいとするかも問い直すことです。


これに対し、判断デザインは、必要な事実や知識にアクセスし、守る条件と比較基準を分け、選択・相談・承認・停止ができ、実行後の結果から学べる仕事の状態を整えるものとして位置づけます。個人の頭の中の判断方法だけではなく、情報、権限、時間、役割、責任までを対象にします。
その一仕事の中で、本人が何を選び、どう実行し、結果から何を学んだかをつなぐのが、判断経験設計です。


したがって、両者を「自由な発想」と「最後の決断」に分断しません。見方・問い・価値仮説をつくり直すことと、事実・条件に照らして選び、結果を確かめることを、必要に応じて往復させます。
ただし、アート思考を、すべての仕事で必ず通る上流工程にはしません。



知識が不足しているなら学び、根拠が不足しているなら確かめ、既存の基準が適切ならその基準を使います。現在の見方や基準では現実を扱い切れないときに、前提の探索を行います。
探索するときも、安全、権利、情報管理などの条件と変更権限は維持します。自由に案を試すことと、実際の仕事を無条件に変更することは別です。

一つの仕事で使う、8段階の参照プロセス

既存の判断デザイン・判断構造設計の考え方を基礎に、今回の論点を8段階に整理しました。これは「センスそのもの」の内部過程を完全に再現する手順ではなく、目的形成と判断を、学習・共有・検証の対象にするための進め方です。






各段階は一方向ではありません。案を比べて目的へ戻ることも、実行結果から前提を問い直すこともあります。知識とスキルの学習は、どの段階でも必要に応じて行います。

アート思考を使う場合は、「現在の見方を残す → 未確定なまま形にする → 形・他者・現実の応答を受ける → 描き直す、または確かめて維持する → 判断に必要な確認へつなぐ」という小さな循環を、前提の見直しが必要な箇所に組み込みます。

最初から独自の問いや強い使命感を持つことを、参加条件にはしません。一つの出来事を確かめることから、次に知りたいことや、実現したい状態が具体化する進め方も含みます。
記録の量は、影響の大きさ、新規性、後戻りの難しさ、不確実性に応じて調整します。すべての仕事で全項目を長文にしたり、毎回目的を変更したりすることは求めません。

例:スライドの「センス」を、学べる制作過程へ置き換える

以下は、進め方を説明するための例であり、効果を測定した実証事例ではありません。


「分かりやすい研修資料をつくる」という依頼を受けたとします。文字を減らし、図を増やすだけでは、何を理解してもらう資料なのか、どこで考えてもらうのかが定まらない場合があります。


そこで、対象者が進めている仕事、既に知っていること、実際に困っている場面を確認します。「説明を理解してもらう」だけでなく、「研修後に、自分の担当案件で何を確かめるかを決められる状態にする」という目的の候補を置きます。その目的が適切かは、依頼者や必要な関係者と確かめます。


次に、AIと、結論から入る構成、具体的な場面から入る構成、二つの案を比較する構成をつくります。どの構成にも、途中で考えてもらう問いを置き、前後のつながりや、聞き手に要求している知識を比較します。


仮の資料を見たり使ったりする中で、説明の不足だけでなく、聞き手が捉えている仕事の範囲と、資料が前提としている範囲のずれが見つかるかもしれません。その場合は、表現を直す前に、何をする仕事として扱うのかを描き直します。


採用時には、専門的な正確さ、読みやすさ、時間、聞き手の負担、終了後に確認することを照合します。使用後は、実際の質問や回答、持ち帰った判断、次の仕事での使われ方を確かめます。質問が少なかったという理由だけで、理解が進んだとは判定しません。


ここには、知識、構成・表現・検証のスキル、経験から生まれた見方が同時に使われています。その働きを、すべて「センス」で一括りにせず、何を確認し、どう比較し、なぜ修正したかを学べるようにします。

AIとの共働で高めるのは、成果物だけではない

本枠組みでは、AIと共働するスキルそのものを、実践を通じて高める対象にします。背景と未確認事項を共有する、異なる前提の案を比べる、元の資料へ戻る、修正点を特定する、実際の結果を次の依頼へ戻す、といった行為です。


AIを使った顧客対応業務の研究では、業績改善に加え、AIの提案が一時的に使えないときにも改善が残るなど、従業員の学習を示唆する結果が報告されています。また、2026年公表のオンライン無作為化実験を扱うワーキングペーパーでも、AI利用中の成果と、AIなしの後続課題の成果を分けて評価しています。
これらは、AIへの接触が学習につながり得ることを検討する材料です。利用回数を増やすだけで共働スキル全般が高まることや、本枠組みの効果を直接証明するものではありません。
知識とスキルを身につけてから共働するだけではなく、今ある知識とスキルで共働し、不足を知り、学び直す。 本枠組みは、その循環を仕事に組み込みます。
AIの出力が一般的な説明にとどまった場合も、「AIにはセンスがない」「利用者のセンスが足りない」で終えません。モデルや道具の条件に加え、対象の具体性、共有した事実、目的の置き方、比較・修正の方法、よさの基準を検討します。人間側の関わり方も検討対象にしますが、原因を利用者だけに帰しません。
また、「自分の考えを補強する案」だけでなく、別の見方や不都合な情報も扱います。ただし、AIがつくった反対意見や想定反応を、実在する関係者の声や、現実で確かめた結果の代わりにはしません。


AIの支援は、案づくりだけでなく、目的や判断基準の検討にも組み込めます。一方、何を任せ、何を確認し、どの条件で実行するかの責任は、人と組織が担う設計にします。

再現するのは、同じ答えではなく、確かめて選び直せる仕事

本枠組みの再現性は、全員が同じ着想や芸風を持つことを意味しません。別の担当者が必要な知識と支援を得て、同じ確認・比較・選択の過程を実施し、条件が違えば調整できることを目指します。
そのために、最初の目的と見立て、確認した事実、途中の形、受け取った応答、比較した案、判断理由、実行結果、次に使える条件を残します。言葉にしきれない部分は、版の違う図、試作品、短い動作の記録などでも共有します。分からない理由を、AIのもっともらしい説明で埋めません。


検証では、少なくとも次を分けます。

成果物の質が上がったことと、本人の知識・スキルが高まったことは別に確認します。人とAIの共働として高い成果を出せることも一つの成果です。そのうえで、本人に残った学習を確かめる際は、安全を損なわない課題で、支援条件を変えたり、時間を置いて確認したりします。

比較する対象、評価基準、使用したAIと支援条件は、可能な範囲で事前に明らかにします。うまくいった事例だけを選ばず、実施できなかった場面や悪化した結果も残します。一度よい結果が出ても、方法が原因だったとは即断しません。

人間とAIの共働に関するメタ分析では、組み合わせれば常に人間単独・AI単独のうち良い方を上回るわけではなく、課題などによって結果が異なりました。対象は2020年から2023年半ばまでに公表された研究であり、現在のすべての生成AIや反復的な共働を直接評価したものではありません。
短編物語の実験では、AIからアイデアを得た作品の評価が高まる一方、作品同士が似る傾向も報告されています。したがって、個々の成果の改善と、多様な見方や表現が残ることも、分けて確かめます。

個人のセンスへの期待から、学び続けられる仕事の設計へ

センスを否定する必要はありません。経験から生まれた違和感、着想、見立ては、次の確認や探索の入口になります。
しかし、その働きを「その人だから」で閉じれば、どのように学び、確かめ、他の人へ渡せるかが見えなくなります。


当社が提案するのは、個人の経験から生まれた見方を尊重しながら、その見方を形にし、現実の応答に触れ、知識を補い、技能を使い、目的と判断基準を確かめ直せる仕事をつくることです。


アート思考は、自分の見方を通すだけでなく、見方そのものをつくり直すために使う。判断デザインは、その前提を事実と条件に照らし、責任ある選択と結果確認へつなぐ。そこで得た経験を、次の人と仕事へ残す。


AI時代に必要なのは、センスへの依存を強めることではありません。知識・スキル・経験を結びつけ、目的を問い直し、確かめて選び、結果から学び続けられる仕事をつくることです。
私たちは、AIと何をつくっていくのか。
その答えを、成果物の完成だけに置かない。次の仕事で、以前には見えていなかったことを確かめ、以前には検討できなかった選択肢を扱えるようになる。そのための実践条件まで、共につくっていきます。






組織行動科学(R)について

組織行動科学(R)は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から明らかにし、より善く再現するための研究・実践体系です。
リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、企業で働く成人の研究と教育開発を行っています。






リクエスト株式会社について

リクエスト株式会社は、組織行動科学(R)を基盤に、企業で働く人の行動、判断、経験形成、組織学習に関する研究と実践支援を行っています。

代表取締役の甲畑智康は、2003年に東京藝術大学美術学部を卒業後、企業の人材育成・組織開発に20年以上携わってきました。芸術における創造の過程と、企業における判断形成の双方を背景に、AI時代の「判断デザイン」「判断経験設計」「判断構造設計Pro」の体系化を進めています。



会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑 智康
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
公式サイトhttps://requestgroup.jp
会社概要https://requestgroup.jp/corporateprofile
お問い合わせhttps://requestgroup.jp/request



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