【第一弾】中東・北アフリカ3か国(モロッコ・エジプト・トルコ)で生活者調査を実施:世帯・所得構造と価値観の違いに見る、各国市場の特徴と日本評価
株式会社データスプリング
株式会社データスプリング(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:細野 智裕)は、当社が保有する海外パネルを活用し、中東・北アフリカ3か国(モロッコ、エジプト、トルコ)を対象とした自主調査を実施いたしました。
当社はこれまで、アジア圏を中心としたリサーチパネルの提供・調査実施に強みを持ってまいりましたが、対応領域はアジアにとどまりません。本調査は、新興3か国(カザフスタン・スリランカ・バングラデシュ)を対象に実施してきた自主調査シリーズの続編として、調査対象を中東・北アフリカ地域へ広げたものです。当社では、アジア以外の地域においても、同一設計・同一品質での多国間調査を実施できる体制を整えています。
本調査では、世帯構成や所得、住環境といった生活基盤に加え、価値観や働き方、各国の対外認識や日本に対する評価まで、生活者の実態を多角的に分析しました。全3回でお届けする本シリーズの第一弾となる今回は、世帯構造・所得と支出・住まいの実態から見える、3か国それぞれの「市場のかたち」をご紹介します。
【調査概要】
- 調査手法:ウェブ調査(定量調査)
- 対象国:モロッコ/エジプト/トルコの3か国(対象国全土)
- 対象者条件:男女20-44歳、有職者(Z世代=20-29歳、Y世代=30-44歳)
- サンプル数:3か国計1,115ss(モロッコ 363ss/エジプト 413ss/トルコ 339ss)
※性年齢の人口構成に合わせウエイトバック集計対応
- 設問数:スクリーニング設問8問、本調査設問22問
【調査結果ハイライト】
1. 世帯構造は「拡大家族」と「核家族都市型」に二分される
モロッコ、エジプト、トルコの3か国を比較すると、生活者の価値観や消費行動は、それぞれの世帯構造の違いによって大きく規定されていることが明らかとなった。
世帯人数では、モロッコとエジプトで5人以上世帯が約4割を占め、親族と同居する拡大家族が世帯の標準形となっている。同居家族の構成を見ても、モロッコは父母51%・兄弟姉妹37%、エジプトは父母43%・兄弟姉妹32%と、配偶者・子供以外との同居が広く見られる。
一方、トルコは3~4人世帯が66%(Y世代では73%)を占め、配偶者65%・子供50%に対して父母30%・兄弟姉妹16%と、3か国で最も核家族化が進んでいる。世帯向け商材においては、「大家族前提」ではなく小世帯前提の設計が求められる市場である。
世代別に見ると、モロッコ・エジプトは特にZ世代で5人以上世帯が4~5割となり、若年層ほど拡大家族の中で暮らす傾向が強い。モロッコでは父母との同居がZ世代69%からY世代39%へ、エジプトではZ世代67%からY世代25%まで低下し、代わって配偶者との同居がモロッコ68%・エジプト77%へと上昇する。世帯向け商材は「使う人」ではなく「同居する人数・世代構成」を設計単位に置く必要がある。


2. 所得と支出の構造は3か国で大きく異なる
所得構造には、国ごとに明確な差が見られた。
モロッコでは、世帯年収130,000 MAD以上が36%、280,000 MAD以上も21%存在する。拡大家族で世帯人数が多い分、世帯合算で見た購買力を持つ層が一定数存在しており、世帯所得を価格設定の基準に置くべき市場である。プレミアム商材の受け皿も一定規模で存在する。
エジプトでは、世帯年収212,000~471,999 EGPが23%で最頻となり、142,000 EGP以上で約8割に達する。3か国で最も分布が中央に集中しており、ボリュームゾーンを狙った単一価格帯の設計が最も機能しやすい。一方で上位レンジ(1,417,000 EGP以上)は13%と3か国で最も低い。
トルコでは、世帯年収602,000 TRY以上が計64%と3か国で最も上位に寄った分布となり、所得の底上げが進んだ市場だと推察される。名目所得が高いため、価格の絶対額ではなく体感価値での訴求が求められる。

職業構成では、エジプトが管理職19%・専門職18%・IT関連10%と高スキル職で突出し、Y世代では管理職が24%に達する。都市部ホワイトカラー層の厚みが際立ち、可処分所得と情報接触の両面で最も先進的な市場である。
モロッコは会社員20%が最多、トルコは会社員15%・専門職13%を軸に職種構成が最も分散している。

支出構成では、3か国とも食費が最大費目(23~28%)となる。なかでもエジプトは食費28%が最も高く、家賃9%が最も低い。住居コストが軽い分を食に振り向けている構造だと推察される。
対照的にモロッコは家賃15%が3か国で最も重く、可処分所得の圧迫要因となっている。

3. 住まいの形態は「同居」「持ち家」「賃貸都市型」で三者三様
住居形態も国ごとに大きく異なる。
モロッコは「親や親族の持ち家に同居」24%が最多で、独立した住居を構える前段階の層が厚い。住関連商材の意思決定者が本人でないケースが多く、購買プロセスの設計に注意が必要である。
エジプトはマンション・アパートメント(持ち家)38%+戸建て(持ち家)24%と、持ち家中心の生活基盤が安定している。トルコはマンション・アパートメント(持ち家46%+賃貸31%)で集合住宅が77%を占める都市集住型となる。

【最後に】
今回の調査からは、モロッコ・エジプト・トルコの3か国が、世帯構造・所得構造・住まいの形態のいずれにおいても一括りにできないことが明らかになりました。モロッコは「拡大家族・世帯所得型」で、独立した住居を構える前段階の層も厚く、購買の意思決定が世帯単位で行われやすい市場です。エジプトは「都市ホワイトカラー層が厚く、所得がボリュームゾーンに集中する」市場で、持ち家比率も高く生活基盤が安定しています。トルコは「核家族都市型」で所得の底上げが進み、集合住宅を中心とした都市集住が特徴です。
次回、第二弾では、これら3か国の生活者が何を大切にし、どのように働き、暮らしの中で何を選んでいるのか、価値観と選択の違いに焦点を当ててお届けします
当社では、今回の中東・北アフリカ地域に加え、アジア、サブサハラ・アフリカ、中南米、欧州など、世界各地域での調査実施体制を整えております。公開データが限られる市場においても、同一設計・同一品質での多国間調査により、生活者を解像度高く捉える基礎データをご提供いたします。調査の設計・実施に関するご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
本調査の詳細な結果(グラフ・国別データ・カテゴリ別分析など)は、以下のリンクよりダウンロードいただけます。
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【本件に関するお問い合わせ先】
MAIL:jpmarketing@d8aspring.com
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