「言わないと動かない」我が子に悩む親も-小学生の生活力、採点は平均62.6点【保護者調査】
株式会社DeltaX

株式会社DeltaX(本社:東京都千代田区、代表:黒岩 剛史)が運営する塾選びサービス『塾選』は、「小学生の生活力」について調査しましたので概要をお知らせいたします。
小学生になると、学校の準備や身支度など、自分でできることが少しずつ増えていきます。一方で「言わないと動かない」「時間管理が苦手」といった姿が気になることもあるでしょう。
「このままで、うちの子どもはしっかりと自立した大人になれるのだろうか?」と、不安を感じる保護者もいるかもしれません。将来に向けて、家庭ではどのように生活力を育てていけばよいのでしょうか。
塾選ジャーナルでは、小学生の子どもを持つ保護者を対象に、子どもの生活力とお手伝いについて調査を実施。保護者から見た生活力の採点や一人でできること、家庭で任せている役割、お手伝いを通じて感じた子どもの成長を、具体的な声とともに紹介します。
詳細はこちらをご覧ください。
我が子の生活力を採点、鍵は「自分から動けるか」
まずは、保護者が小学生の我が子について、生活力をどのように捉えているのか、点数と日頃の行動から見ていきます。
※本調査では「生活力」を、片づけ・学校準備・身支度・時間管理・お手伝いなど、身の回りのことを自分で行い、家庭生活の中で必要な役割を少しずつ担える力としています。
生活力の点数分布-最多は70点台、50点台以下も35%
小学生の子どもの生活力を保護者目線で100点満点で採点してもらった結果は、以下の通りです。

点数帯では70点台が25%で最も多く、80点台が18%と続きました。高得点側では70~80点台に回答が集まる一方、50点台以下と採点した保護者も合計で35%を占めています。
生活力を比較的高く評価する家庭が多いものの、低い点数をつけた家庭も一定数あり、保護者による採点には幅が見られました。では、この評価の違いは、子どもの日頃の行動とどのように関係しているのでしょうか。
生活力の採点を分けるのは「子どもが自分から動けるかどうか」
生活面の行動にどの程度自分から取り組めているかという回答別に、生活力の採点の平均点を集計しました。

何も言わなくても「自分から行動できる子ども」ほど、生活力の採点が高い傾向にあります。
高めの点数をつけた保護者に点数の理由を聞いたところ、「身の回りのことや学校生活に必要な準備を、自分で進められるようになったから」という声が寄せられていました。
■ 高めの点数をつけた保護者のコメント
- 朝早起きしてまず自ら公文の宿題、着替え、金魚の餌やりをしている。学校の宿題は必ず学童で終わらせてきているから家で自分時間がきちんと作れてストレスが少なく伸び伸びと生活できている。(じゅでぃさん / 神奈川県 / 小2女子・保護者 / 採点90点)
- 学校の準備も自分でして、毎朝自分の洗濯物も干しているからです。(mamamさん / 富山県 / 小1男子・保護者 / 採点95点)
■ 低めの点数をつけた保護者のコメント
- 朝起きるのもこちらが起こしてあげなくてはならず、学校の準備等も自発的にしようとしません。手伝いをすることもこちらが言わないとしませんし、生活力はかなり低いと判断しました。(こーじーさん / 和歌山県 / 小5男子・保護者 / 採点10点)
- 興味のあることに対しては自分で判断してそれを実行する行動力はすごい。一方で片付けや学校の準備など、基本的なことはほとんどできないから。(caltyさん / 愛知県 / 小4女子・保護者 / 採点30点)
このように保護者は、子どもが具体的に何ができるかだけでなく、指示を待たずに行動を始められるかも含めて、生活力を採点していると考えられます。
では、生活力を具体的な項目に分けると、子どもはどのようなことを一人ででき、何に難しさが残るのでしょうか。
学校準備はできても、「時間管理」や「失敗への対応」は難しい
保護者が生活力として重視する項目と、子どもがすでに一人でできる項目を比較しました。以下のグラフでは、保護者が重視する割合の上位3項目と、「重視している」と「一人でできる」の差が30ポイント以上となった項目を取り上げています。

※複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。
「学校の準備や持ち物の管理」は、保護者が重視する割合が70%、一人でできる割合が66%と近い結果となりました。「片づけ・整理整頓」についても、比較的多くの子どもが一人で取り組めているようです。
これに対し、「時間を見て行動すること」「生活リズムを整えること」や「お金の使い方」、「失敗したときに自分で考えて対応すること」は、重視する保護者が多い一方、一人でできるという回答は限られます。
■ 時間を見て行動する
- 何度時計を見ろと言っても見ず、何もかもがギリギリになってしまいます。何時までにやる!を自分で管理してほしいのですが。(もっちもちさん / 石川県 / 小2男子・保護者)
- ゲームや動画に集中すると時間を忘れてしまい、寝る時間が遅くなることがあります。朝の準備も急ぎがちで、もう少し自分で時間を意識して行動してほしいと感じています。(りゅうさん / 北海道 / 小5男子・保護者)
- 毎朝家を出るのがギリギリの時間で、そのたびに早い時間から支度をするよう言っているのですが改善される気配がありません。(APUさん / 石川県 / 小6女子・保護者)
■ お金を計画的に使う
- お年玉を削ってまで100円均一でお菓子や小物を買っており、週1で一人で買いに行き、一度に500円は使うので積もり積もって結構な額になっています。これからもこのペースでお金を使うつもりなのか?と心配です。(りりこさん / 大阪府 / 小6女子・保護者)
- お小遣いの管理が全くできなくて困っています。お年玉を一気に使ってしまったり『今月のお小遣いだからね』と言われたものを半分以上、その日のうちに使ってしまったりと計画性が全くありません。(みいももさん / 神奈川県 / 小4男子・保護者)
■ 失敗したときに自分で考えて対応する
- 決められたことはしっかりできるようになってきたが、自分で考えて行動するのは苦手でトラブルや予定外のことが起こるとフリーズしてしまうことも多く困っている。(すぴかすさん / 高知県 / 小3女子・保護者)
- 自分で考えて試行錯誤して改善していくことがちゃんとできるかというと、やや足りない。考える力はまだまだ途上で、難しい問題に直面したときに解決できるか、挫折を味わったときに上手く乗り越えられるかやや不安。(野良黒さん / 岩手県 / 小6女子・保護者)
今回の調査では、学校準備や片づけは、声をかければ一人でできる子どもが多い一方、時間やお金の管理、予定外の出来事への対応、必要な行動に自分で気づくことには難しさがうかがえました。
保護者にとって、子どもが自分から考えて動く経験を家庭の中でどのようにつくるかも課題といえそうです。
お手伝いで育てたい「自分で動く力」、親には任せる難しさもある
子どもが家庭の一員として取り組むお手伝いは「自分で考えて動く経験」の一つになります。ここでは、家庭で子どもに任せているお手伝いの内容と、保護者が身につけてほしいと考える力、役割を任せる際に感じる難しさを順に見ていきます。
子どものお手伝いは「食器を下げる」が最多
家庭で子どもが取り組んでいるお手伝いを尋ねた結果は、次の通りです。

※複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。
最も多かったのは「食器を下げる」の66%で、「食事を配膳する」が50%と続きます。「部屋の片づけ」と「洗濯物をたたむ・しまう」も4割を超え、食事や身の回りの整理に関わるお手伝いが上位に並びました。
料理や買い物、掃除、弟妹やペットの世話など、子どもが担う内容は家庭によってさまざまです。
お手伝いで身につけてほしいのは「自分で判断して行動する力」
保護者は、日々のお手伝いを通じて、子どもにどのような力を身につけてほしいと考えているのでしょうか。

※複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。
最も多かったのは、「生活に必要なことを自分で判断して行動する力」の83%でした。「任されたことに責任を持つ力」が50%、「家族の一員として協力する意識」が49%と続きます。
保護者が期待しているのは、食器の下げ方や洗濯物のたたみ方を覚えることだけではありません。自分の役割に気づいて手順を考え、責任を持って取り組む経験として、お手伝いを捉えている様子がうかがえます。
子どもに任せたい、でも「自分でやったほうが早い」ジレンマ
お手伝いを通じて育てたい力への期待が表れる一方、実際に子どもへ役割を任せる場面では、保護者側にも難しさが生じます。子どもにお手伝いを任せるうえで難しいと感じることを尋ねた結果は、次の通りです。

※複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。
最も多かったのは、「自分でやったほうが早い」の59%でした。「仕上がりが気になる」は34%、「失敗されるとイライラしてしまう」は27%となっています。
保護者の声からは、子どもがお手伝いに意欲を示しても、忙しい時間帯や余裕がないときには任せられず、断ってしまうという声も寄せられました。実際に任せた場合も、仕上がりや洗い残しが気になり、後からやり直す場合もあるようです。
■ 自分でやったほうが早い
- 忙しい時に限って『お皿を洗いたい』などと言うので、時間がなく断ってしまうことも多いです。休みの日など、こちらに時間がある時にやる気を出してくれればと思いつつ、自分都合でお手伝いを断ってしまうことに罪悪感があります。(りりこさん / 大阪府 / 小6女子・保護者)
- 時間がないタイミングで料理のお手伝いをしたいと言われると、『また今度お願いします』と言って断ってしまうことがある。(みかんさん / 岩手県 / 小2女子・保護者)
■ 仕上がりが気になる / 失敗されるとイライラしてしまう
- 本人が一生懸命やってることを否定したくないが、仕上がりが良くないとモヤモヤする。(わたもんさん / 石川県 / 小5男子・保護者)
- お風呂掃除などは、子どもがやるとどうしても洗い残しが気になって、後からこっそりやり直すこともよくあります。ちゃんと教える根気や、じっと見守る余裕を持つのが、なかなか難しいなと感じています。(タケルさん / 神奈川県 / 小4男子・保護者)
子どもに経験させたい気持ちはあっても、やり方を教える時間、終わるまで見守る余裕、不完全な仕上がりを受け止める負担が重なり、「自分でやったほうが早い」という判断につながっている様子がうかがえます。
子どもの生活力を育てるうえでは、役割を与えるだけでなく、失敗や遠回りを含めて経験を任せられるかも課題になりそうです。
失敗が成長の種-お手伝いで見えた生活力の芽
保護者にとって負担になりやすい失敗のなかには、子どもの考え方や成長が見える場面もあります。アンケート結果から、お手伝い中の失敗を家庭でどう受け止め、その後の成長につなげているのかを見ていきます。
失敗の背景には、子どもなりの理由や思いやりがある
子どもにお手伝いを任せると、大人の想定とは異なる方法を選び、思わぬ失敗につながることがあります。ただ手順を間違えたのではなく、自分で効率的な方法を考えたり、家族や周囲の人を喜ばせようとしたりした結果として起きた失敗もありました。
- ゴミ出しをお願いした時に、家中のゴミ箱を全部集めて大きすぎる袋になってしまい、持てなくなって困っていました。本人は『一回で終わらせたかった』と言っていて笑ってしまいました。(りゅうさん / 北海道 / 小5男子・保護者)
- 1人でお留守番をしていた息子が、家族が帰ってきたらすぐにお風呂に入れるよう自分からすすんでお風呂掃除をしてお風呂を沸かしてくれていた。しかし、お風呂の栓を閉め忘れていた(笑)。(soraさん / 東京都 / 小5男子・保護者)
大人から見れば間違った方法でも、子どもは何も考えずに行動したとは限りません。正しい手順だけを教えるのではなく、何を考えて方法を選んだのかを聞くことで、子どもなりの発想や思いやりを受け止めながら、次に必要な工夫を一緒に考えられます。
お手伝いを継続する工夫は、役割を決めて感謝を伝えること
お手伝いを継続する工夫として「定期的な声かけで習慣化すること」や、「子どもの行動が家族の役に立っていると実感できるようにする声かけ」が多く寄せられました。
- 習慣化したものに関しては何を言わなくてもやるので、こちらから声をかけて定期化させるのは効果があったように感じます。(モチさん / 兵庫県 / 小4男子・保護者)
- 家族の役に立っていることを具体的に伝えると、以前より前向きに取り組むようになりました。『ありがとう、助かった』とその場ですぐ伝えると嬉しそうにしており、最近は少しずつですが、声かけなしでも配膳を手伝おうとする場面が見られるようになってきました。(KKさん / 東京都 / 小6男子・保護者)
決まった役割として繰り返すことで、子どもは何をすればよいのかを把握しやすくなります。また、お手伝いの成果を仕上がりだけで判断せず、家族への貢献を言葉にして伝えることは、子どもが役割を前向きに受け止める支えになる可能性があります。
お手伝いを続けるなかで、自発性や段取りの変化を感じた声も
お手伝いを日常の役割として続ける家庭からは、子どもの行動に変化を感じたという声も寄せられています。以前は一つずつ声をかけていた家庭でも、少しずつ自分から取り組んだり、手順や効率を考えたりする姿が見られるようになっていました。
- できることが増えると子どもは自信を持ちます。ちょっと食器を運ぶ、何かを持ってもらうくらいでも、子どもが喜んで自己肯定感を得られると感じます。それによって少しは自立が進んでいると感じます。何か小さくてもよいから成功体験を与えることができて良かったです。(こじたんごさん / 岡山県 / 小4女子・保護者)
- だんだん手際も良くなってきて、どうしたら綺麗に効率よくこなせるかを自分なりに考えてやっている。(AKIRAさん / 神奈川県 / 小4女子・保護者)
- 前は一つ一つ『これやってくれたら助かる』と伝えていたけど、今は何も言わずに自ら洗濯物を取り入れて、畳んで、しまうところまでできている!言わなくても自らやってくれるようになって、とても感謝。(じゅでぃさん / 神奈川県 / 小2女子・保護者)
生活力は、正しいやり方を一度教えれば完成するものではなく、日々の小さな経験を重ねるなかで育っていくのでしょう。
まとめ:子どもが自分で動く余地を残すことが、生活力を育てる一歩に
今回の調査で、小学生の保護者が子どもの生活力に対して行った採点は平均62.6点。声をかけなくても行動できる子どもほど、採点は高い傾向にありました。
学校の準備や持ち物の管理は一人でできる子どもが多い一方、時間やお金の管理、予定外の出来事への対応には難しさが残る結果に。決まった手順をこなす力が身についていても、状況を見ながら判断し、自分から動く力は発達の途中にあると言えそうです。
そうした力を育む身近な機会となるのが、家庭でのお手伝い。ただし、保護者からは、忙しいときには自分で済ませたほうが早いことや、仕上がりや失敗が気になって任せにくいという声も寄せられました。
一方で、お手伝いを続ける家庭では「担当を決める」「家族の役に立ったことを具体的に伝える」といった工夫が見られます。寄せられた保護者の声からは、最初から正しくできることを求めるのではなく、子どもが担いやすい役割を一つ任せ、行動の意図や工夫にも目を向けることが大切だと伝わってきました。
家庭の中で任せられることを少しずつ増やし、子どもが自分で考えて動く余地を残すこと。それが、生活力を育む一歩になるでしょう。
詳細はこちらをご覧ください。
アンケート調査概要
調査対象:小学生の保護者(有効回答数100名)
調査時期:2026年5月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「小学生の生活力とお手伝い」に関する調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は、出典「塾選ジャーナル調べ:『小学生の生活力とお手伝い』に関する調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/62441/)へのリンク設置をお願いします。
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