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起立性調節障害のその後――経験者の約8割が「自分らしく社会適応」と回答。OD回復・長期予後調査

PR TIMES

一般社団法人 起立性調節障害改善協会
最大の支えは「怠けではない」という周囲の理解。生活リズムの改善や多様な学び方で前向きな日常へ

起立性調節障害(OD)やその傾向をもつ子どもの多くが、朝起きられないことやそれに伴う不登校、学業への遅れに苦しんでいます。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、過去にODと診断され、現在は症状が改善・落ち着いている当事者およびその保護者117名を対象に「起立性調節障害の回復・長期予後に関する実態調査」を実施。その結果、全体の約8割が現在は問題なく通学・通勤できているか、あるいは自分なりの付き合い方を見つけて社会とつながっているという前向きな実態が明らかになりました。また、当事者たちの回復を後ろ盾したのは、医療的なアプローチだけでなく、「『怠けではない』という周囲の正しい理解」や「家族が体調を最優先にしてくれた環境」であったことも浮き彫りになりました。

調査背景

思春期に発症しやすい起立性調節障害(OD)は、自律神経の不調により朝の起床が困難になる疾患です。見た目では分かりにくいため、周囲から「サボり」「怠け」と誤解されやすく、本人や家族が孤立してしまうケースが後を絶ちません。現在、闘病中の家庭の多くは「この暗闇がいつまで続くのか」「本当に治る日は来るのか」という先行きへの強い不安を抱えています。当協会は、そうした渦中の家庭に“先輩たちの経験”という名の「先の見通しと希望」を届けるため、本調査を実施しました。すでに克服・改善した当事者のリアルな回復ステップや現在の状況を可視化することで、適切に向き合えば必ず自分らしい未来を切り拓いていけるというメッセージを発信することを目指しています。

調査サマリー

- 症状が落ち着くまでの期間は「半年~1年程度」36.8%、「1~2年程度」29.1%と、全体の6割強が2年以内に回復傾向
- 回復・改善のきっかけは「生活リズムを整えた」21.7%、「年齢・成長とともに自然に和らいだ」18.5%が上位
- OD期間中の学業への影響は「遅刻・欠席が増えた」32.4%が最多。一方で、「通信制・定時制高校など別の学び方(12.1%)」を選んで乗り越えたケースも多数
- 現在の状況は「波はあるが、自分なりに付き合えている」47.9%、「問題なく通学・通勤できている」29.9%と、約8割が前向きに社会生活へ適応
- 当時最も支えになったと感じるものは「『怠けではない』と理解してくれる人がいたこと」22.1%、次いで「家族が体調を最優先してくれたこと」16.7%

詳細データ

Q1:ODと診断されてから、症状がある程度落ち着くまでにどのくらいの期間がかかりましたか?



- 半年~1年程度:36.8%
- 1~2年程度:29.1%
- 半年以内:15.4%
- 2~3年程度:9.4%
- 3年以上:9.4%

症状が落ち着くまでの期間は「半年~1年程度」「1~2年程度」がボリュームゾーンとなり、全体の6割以上が2年以内に一定の回復を迎えていることが分かりました。一方で、3年以上を要する長期化のケースも約1割存在し、回復のペースには個人差が大きいことも浮き彫りになっています。
Q2:回復・改善のきっかけになったと感じることを教えてください



- 生活リズム(睡眠・起床)を整えた:21.7%
- 年齢・成長とともに自然に和らいだ:18.5%
- 適度な運動・体力づくりを続けた:12.4%
- 無理をせず体調を優先できるようになった:10.8%
- 医師の指導・薬物療法を受けた:8.0%
- その他:28.6%(家族の理解や接し方が変わった:7.6%、学校の配慮・柔軟な登校スタイル:6.4%、水分・塩分をしっかり摂るようにした:6.0% など)

→ 回復のきっかけとしては、日々の地道な「生活リズムの調整」が最多でした。また、自律神経の成長に伴う「自然な和らぎ」や「適度な体力づくり」が続くほか、「無理をせず体調を優先する」という心のあり方の変化も大きな転機となっている実態がうかがえます。
Q3:ODだった期間、学業や進路にどのような影響がありましたか?



- 遅刻・欠席が増えた:32.4%
- 通信制・定時制など別の学び方を選んだ:12.1%
- 部活動や行事に参加しづらかった:12.1%
- 受験・進学で苦労した:11.0%
- 大きな影響はなく乗り越えられた:9.9%
- その他:22.5%(友人関係に影響が出た:8.8%、志望していた進路を変更した:8.2%、留年・休学を経験した:4.4% など)

体調不良に伴う「遅刻・欠席の増加」が3割を超え、既存の学校生活への影響の大きさが顕著に表れています。しかし、全日制高校に縛られず「通信制・定時制など別の学び方を選ぶ」ことで、自らのペースを守りながら進路を切り拓いた回答者も多く、多様な選択肢が子どものセーフティネットとして機能していることが分かります。
Q4:現在の状況を教えてください



- 波はあるが、自分なりに付き合えている:47.9%
- 通学・通勤が問題なくできている:29.9%
- 通信・在宅など自分に合った形で社会とつながっている:15.4%
- 生活に影響が出ないよう投薬を続けている:4.3%
- その他:2.6%

→ 「問題なく通学・通勤できている」という完全な回復を遂げた層が約3割であるのに対し、最も多かったのは「波はあるが、自分なりに付き合えている(47.9%)」という回答でした。症状がゼロにならなくとも、体調のコントロール法や付き合い方を身につけ、前向きに社会生活を送っている当事者が大半を占めています。
Q5:当時を振り返って、「これが支えになった」と感じることを教えてください



- 「怠けではない」と理解してくれる人がいたこと:22.1%
- 家族が体調を最優先してくれたこと:16.7%
- 医師や専門家に相談できたこと:14.0%
- 自分のペースを認めてもらえたこと:10.8%
- 無理に登校を強いられなかったこと:10.4%
- その他:26.0%(正しい情報にたどり着けたこと:9.5%、学校の先生の柔軟な対応:9.0%、同じ症状の仲間・先輩の存在:5.0% など)

克服を支えた要素のトップは、医療処置以上に「周囲の正しい理解(22.1%)」でした。「家族が体調を最優先してくれた」「無理に登校を強いられなかった」といった環境が、傷つきやすい思春期の子どもの心を段階的に守り、結果として社会復帰へのエネルギーを蓄える土台となったことが強く示されています。

調査結果のまとめ

今回の調査から、起立性調節障害(OD)の多くは数年のスパンを要する長期戦になりがちであるものの、最終的には約8割の当事者が社会復帰を果たし、自分らしい生活を取り戻しているという極めて希望に満ちた実態が明らかになりました。回復への道のりにおいて、最も重要となるのは医療的なアプローチだけでなく、本人を取り巻く「環境と理解」です。「サボりではない」という周囲の理解や、家族が体調を最優先して登校を強制しなかったこと、さらには通信制高校などの柔軟な学び方の選択が、当事者の確かな支えとなっていました。ODを克服した先輩たちのデータは、「完璧に治すこと(完治)」を目指す以上に「自分の体調の波を理解し、無理のない形で社会とつながっていくこと」が、真の社会復帰への鍵であることを教えてくれています。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント




起立性調節障害(OD)の発症渦中にあるお子さまや保護者のみなさまは、「この状況が一生続くのではないか」と先の見えない不安に圧倒されていることと思います。しかし今回の調査結果が示す通り、先輩たちの多くは時間の経過や環境の調整を経て、自分なりの付き合い方を見つけ、立派に社会へと羽ばたいています。
回復の過程で最もエネルギーを消耗させるのは、朝起きられないこと自体よりも「周囲から怠けと思われるのではないか」という本人の恐怖や罪悪感です。調査で『怠けではないという理解』や『登校を強いられない環境』が最大の支えに挙げられたように、大人が焦りを手放し、ありのままのペースを認めることが何よりの特効薬になります。
毎日全日制の学校に通うことだけが正解ではありません。完璧な完治を急がず、お子さまが『この体調の波と一緒に、どうやって生きていこうか』と前を向けるよう、私たちはこれからも長期予後を見据えた社会復帰支援の体制構築に尽力してまいります。

調査概要

調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会
調査期間:2026年6月16日~2026年6月28日
調査対象:全国の過去に起立性調節障害と診断され、現在は症状が改善・落ち着いている本人、またはその保護者
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答数:117名

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