【政策提言】サイカルトラスト、国の「人工知能基本計画(素案)」へ意見を提出 ― ブロックチェーンによるサプライチェーンの真正性の国際標準化(ISO/TC307)を“国家戦略の柱”として明記するよう提言
cycaltrust株式会社
「ISO 26345(NP)」採択の翌日、その思想を国家戦略へ―「Patching as a Service」や「AISI」が担う「侵入を防ぐ防御」とサイカルトラストの「偽物を見破る防御」で全体最適に
サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江 剛、以下「サイカルトラスト」)は、内閣府が意見募集を行った「人工知能基本計画(素案)」に対し、ブロックチェーン(分散型台帳技術)を用いたサプライチェーンの真正性(トラスト)に関する国際標準化を、国家戦略上の施策として明確に位置付けるよう求める意見(パブリックコメント)を提出したことをお知らせいたします。本意見は、前日の2026年6月23日に弊社が個社単独・日本代表として全会一致で国際標準規格採択(NP)を実現した「ISO 26345」の思想を、国の基本計画へ接続することを目的とするものです。

第1章 はじめに
まず、結論から述べます。サイカルトラストは政府に対し「高性能AI(フロンティアAI)の時代には、“情報が本物かどうか” を見抜く仕組みを、国の標準として用意すべき」旨を提言しました。
例えば、ある「お城」を守る場面を想像してください。これまでの守り方は、「城壁を高くし、城門を固く閉じ、不審者を中に入れない」ことでした。これはとても大切で、今も防御の基本です。
ところが、新しい時代の敵(「高度自律型AI(クロード・ミュトス級AI)」)は、城壁を壊して攻めてきません。敵は、「本物そっくりの “偽の命令書” や “偽の伝令” 」を「お城」の中へ送り込み、「お城」の人々に「これは本物だ」と信じ込ませ、自ら門を開けさせてしまいます。どんなに門を固めても、中に届いた「 ”命令書” や ”伝令” 」が偽物だと見抜けなければ、「お城」の人々は自らの手で門を開き、敵を招き入れてしまいます。
だからこそ、これからは「門を固める守り」に加えて、「届いた『 ”命令書” や ”伝令” 』が本物か偽物かを見抜く目利きの守り」が必要不可欠となります。サイカルトラストが政府へ行った「政策提言」の核心は、この「真贋を見抜く仕組み」を、日本が世界に先駆けて ”国際標準規格” へと昇華させることです。

第2章 サイカルトラストの「政策提言」とは?
(1)「政策提言」の該当箇所
サイカルトラストが意見を提出した該当箇所は、「人工知能基本計画(素案)」の第3章・ 第3節「AIガバナンスの主導」の箇所です。同箇所は、国際標準規格づくりへの参画先として「ISO/IEC JTC1」のみを挙げ、ブロックチェーンを所掌する「ISO/TC307」が記載されていません。この“抜け落ち”を補うよう求めました。
(2)「政策提言」、3つの要点
・国際標準規格化の参画対象の補完
「ISO/IEC JTC1」に加え、「ISO/TC307」で扱うブロックチェーンを利活用したサプライチェーンの真正性(「CoP(来歴連鎖)」)を明記すべきこと。
・AIモデル評価だけでは塞げない「空白」
「高度自律型AI(クロード・ミュトス級AI)」による「正規を装った偽の証跡・記録・出力」への備えには、「偽の情報・偽の指示・偽の動作を見破る真正性(トラスト)担保・検証する仕組み」が国際標準規格層に欠かせないこと。
・「オープン・アンド・クローズ戦略」=国益視点
国際標準(オープン)と特許群(クローズ)を両輪とする取り組みが、「ルールテイカー(国際ルールに従う側)」から「ルールメイカー(国際ルールをつくる側)」への転換と経済安全保障に資するため、「ISO 26345」のような日本発の国際標準規格を政府の支援対象として明確に位置付けるべきこと。
なお、上記を踏まえた意見の全文は、内閣府へ提出済みです。

第3章 「高度自律型AI(クロード・ミュトス級AI)」が生む「本物そっくりの偽物攻撃」とは?
「人工知能基本計画(素案)」は、自ら計画を立てて動く「高度自律型AI(Agentic AI)」= 「クロード・ミュトス級AI」が急速に伸びていること、そして、そのAIがシステムの弱点(脆弱性)を自分で見つけ、攻撃の手順まで組み立てる新しいタイプのサイバー攻撃への懸念を明記しています(同素案 4ページ・14ページほか)。
ここで見落とされがちな点があります。こうしたAI時代の脅威の本質は、「侵入」だけではないということ。「高度自律型AI(クロード・ミュトス級AI)」は、本物と見分けのつかない偽の送金指図、偽の検査証明、偽の監査ログ、偽のAI分析結果を大量に作り出せます。これらは「正規の形式」をまとっているため、人にも既存システムにも “本物” として受け入れられてしまいます。サイカルトラストは、サイバー攻撃の脅威が、従来の「システムへ侵入する攻撃」にとどまらず、「正規の情報を装った偽情報を信頼させ、採用させる攻撃」へと拡張していると捉えています。弊社は、こうした新たな攻撃類型を「侵入型攻撃」と明確に区別し、「真正性(トラスト)攻撃」と定義しています。
第1章でご紹介した「お城」のたとえに戻れば、これは「壁を壊さずに、 “偽の命令書” や “偽の伝令” を中へ届ける攻撃」にあたります。「壁の堅さ(侵入型防御)」だけでは、この攻撃は止められません。

第4章 「侵入を防ぐ防御」と「偽物を見破る防御」が不可欠
本リリースの要諦は、「侵入を防ぐ防御」と「偽物を見破る防御」は対立せず、二つそろって初めて社会基盤を守れる “相互補完関係” にあるという一点です。「お城」のたとえで言えば、前者は「門と壁を固める門番」、後者は「門を通って届いた ”命令書” や ”伝令” の印章と来歴を照合する目利き」です。どちらが欠けても「お城」は守り切れません。
「侵入を防ぐ防御」の代表例は2つあります。
1つは、ソフトバンクグループが発表した「Patching as a Service(パッチング・アズ・ア・サービス)」。「OpenAI」の技術を利活用し、日本の重要インフラを対象にソフトウェアの弱点(脆弱性)の診断から修復までを一気通貫で担うもの。もう1つは、政府が発表した「Project YATA-Shield」。「AIセーフティ・インスティテュート(AISI)」が、AIモデルの評価・トレーサビリティ(追跡可能性)・ガードレールといった「技術的な制御」を担うもの(同素案 15ページ)。
しかしながら、これらの優れた門番がどれほど弱点を塞いでも、先述の通り、「本物そっくりの “偽の命令書” や “偽の伝令” 」を利用し「お城」の門を開けてもらった場合は? という問いには、原理的に答えられません。なぜなら、これらの守りは「侵入させない・穴を塞ぐ」ことを役割としており、「届いた『 ”命令書” や ”伝令” 』が本物か偽物かを見抜く目利きの守り」=「偽物を見破る防御」までは担保していないからです。ここに、「高度自律型AI(クロード・ミュトス級AI)」時代特有の「空白」が生まれます。
この「空白」を埋めるのが、国際標準規格「ISO 26345」になります。

第5章 「オープン・アンド・クローズ戦略」が国益になる理由
「オープン(国際標準)」は、世界中で形をそろえた “共通の乾電池” のようなものです。形状が共通だからこそ、世界中の機器で安心して利用できます。一方、「クローズ(特許群)」は、その ”乾電池” の内側で動く「独自技術」にあたります。
ここで重要なのは、どちらか一方だけでは成り立たないということです。 ”乾電池” の形状(「国際標準」)だけを世界に公開しても、独自の技術がなければ産業競争力は生まれません。逆に、「独自技術(特許)」だけを秘密にしても、共通の形状がなければ世界には広がりません。「オープン(国際標準)」と「クローズ(特許群)」を “両輪” として回すことこそが、日本が「ルールテイカー(国際ルールに従う側)」から「ルールメイカー(国際ルールをつくる側)」へ転換する現実的な道筋です。
本方向性は、国家戦略とも整合します。高市政権が掲げる「戦略17分野・61製品/技術」の国際標準化推進や、「統合イノベーション戦略2026」が目指す姿を、一民間スタートアップが世界の最前線で先取りしたのが「ISO 26345」の採択です。

第6章 「ISO 26345」が補完する国際的な座組み
「ISO 26345」は、特定のブロックチェーンやトークン規格を固定しない「実装中立」のフレームワーク規格であり、既存の仕組みに後付けで重ねられる設計です。当該規格が担保・検証するのは、「ひとつの製品の真正性(トラスト)」だけではなく、「数多くの部品が、いつ・どこで・誰の手で組み合わされて1つの製品になったのか」という “つながりの履歴全体” =「CoP(Chain of Provenance=来歴連鎖)」です。
この層は、国内外の主要枠組みと競合せず相互補完します。半導体分野の「SEMI規格(T25)・(T26)」が定めるブロックチェーンを利活用した識別子・ラベルの上に真正性(トラスト)検証レイヤが重なり、米国「NIST」の来歴指針(NIST IR 8419/公開草案 NIST IR 8536)とも矛盾しません。欧州主導の「デジタル製品パスポート(DPP)」の横断委員会「ISO/IEC JTC 5」に対しても、そのブロックチェーンを利活用した真正性(トラスト)検証レイヤを「ISO 26345」が担い得ます。

第7章 サイカルトラスト 代表取締役 須江 剛 コメント
昨日(2026年6月23日)、一民間スタートアップが、日本代表として国際標準規格をゼロから提案し、全会一致での国際採択(NP)を受けたことを発表しました。その翌日に、私たちはその思想を、政府の『人工知能基本計画』という最上位の戦略文書へ接続する提言を行いました。成果を一過性の話題で終わらせず、国家戦略の血肉にしていくことが、私たちの責務だと考えています。
また、AIが、人間と見分けのつかない “正規の形式” で情報を生み出せる時代において、守りの重心は、「侵入を防ぐこと」と「その情報・指示・動作が本物かを見抜けること」の2つになります。先述の「Patching as a Service」や「AISI」の「Project YATA-Shield」が担う「侵入を防ぐ防御」に、私たちは「偽物を見破る防御」を組み合わせ、「高度自律型AI(クロード・ミュトス級AI)」時代のサイバー防御を全体最適へと近づけたい ―― これこそが、自民党『AIホワイトペーパー2.0』が掲げる「信頼の設計」を技術として具体化する道だと確信しています。

第8章 サイカルトラストに関しまして
(1)会社概要
弊社は、ブロックチェーンとマルチAI検証を用いて、あらゆる資産の「真正性」「本人証明」「商品の所有者証明」「サプライチェーン・トレーサビリティ証明」「カーボンフットプリント・カーボンクレジット等の環境証明」「CoP(来歴連鎖)」を担保・検証することが可能な「鑑定証明システム(R)」を開発する企業です。
中核となる特許群は、その基本特許としての功績が認められ、2025年に「発明大賞(発明功労賞)」を受賞しています。弊社は、「ISO/TC307(WG8)」において「ISO 26345」を日本代表として主導しています。
【公式Webサイト】
https://cycaltrust.co.jp/
【公式YouTube】
https://www.youtube.com/@cycaltrust_official
(2)加盟団体
・「国際標準規格(ISO/TC307)WG8」:国内委員
・JIPDEC主催「ブロックチェーン国際標準活動活性化研究会」:会員
・ 国際半導体製造装置材料協会(SEMI):関連会員(ブロックチェーンワーキンググループ参画)
・ 一般社団法人データ社会推進協議会(DSA):賛助会員
(3)本件に関する報道関係者お問い合わせ先
【公式お問い合わせフォーム】
https://cycaltrust.co.jp/jp/#contact
第9章 本リリースの出典・留意事項
(1)出典
・内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局「人工知能基本計画(素案)に関する御意見の募集について」(2026年6月19日/意見募集期間:2026年6月19日~6月23日)
・「人工知能基本計画(素案)」(人工知能戦略本部)。AI法=人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和7年法律第53号)
・ソフトバンクグループ株式会社「日本の重要インフラの防御に向けて、OpenAIの技術を活用したサイバーセキュリティー対策ソリューション『Patching as a Service』を提供開始」(2026年6月16日)
・ISO/TC307(Blockchain and distributed ledger technologies)/ISO/IEC JTC 5(Digital Product Passport)
・NIST IR 8419(2022年)、NIST IR 8536(公開草案)/SEMI T23・T25・T26・T27
・経済安全保障推進法(半導体は特定重要物資に指定)
(2)留意事項
本件は、意見募集の対象である「素案(パブリックコメント段階)」に対してサイカルトラストが意見を提出した事実をお知らせするものです。提出された意見は、内閣府の告知のとおり個別の回答がなされるものではなく、また計画への反映・採用を保証するものではありません。
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