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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第215回

【2026年 新春スペシャル】IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する

2026年のテック業界はどうなる? 「今年の動向予測」まとめ《“AI共生時代”の人材・組織編》

2026年01月05日 10時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 毎週、IT業界関連の調査データをご紹介している本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」。2026年初回は、恒例の“新春スペシャル”回として、ITベンダーや調査会社による2026年の動向予測を「AIとクラウド」「サイバーセキュリティ」「“AI共生時代”の人材・組織」という3つの軸でまとめています。

 3本目となる本記事は“AI共生時代”の人材・組織編です。労働の現場に、AIエージェントという“デジタル労働力(デジタルワークフォース)”が参入してくることが予想される2026年、人材や組織を巡るトレンドはどう変化するのでしょうか?

■2026年のテック業界はどうなる? IT業界「今年の動向予測」まとめ
 (1)AIとクラウド編 /(2)サイバーセキュリティ編 /(3)“AI共生時代”の人材・組織

予測:求められるのは短期的なスキルよりも「長期的な潜在能力」

 「2026年の働き方」を予測したInforでは、人材獲得における最大の転換点として、これまでのスキルベース採用から「長期的な潜在能力を見込んだ採用」へのシフトを挙げています。大きな変化が続く時代に、その変化に即応して新たな能力を習得できる“基盤スキル”を重視する方向性です。

 そのため、リスキリング(スキルの再習得)やアップスキリング(スキルの向上)についても、任意の取り組みではなく「日常業務のサイクルに組み込み、継続的に実践する」ものへと位置づけが変わると述べています。IT分野の人材不足についても「新規採用だけで解消される状況にない」ため、既存社員のスキル向上と継続的な育成が業務の一部に組み込まれる見込みだと言います。

コミュニケーション能力、共感力、クリティカルシンキングといったソフトスキルは、業務をまたいだあらゆる場面で応用可能です。米国の労働市場を対象にした研究では、読解力、基礎数学、コミュニケーションスキルなどの幅広い基盤スキルを持つ人材が、学習スピードがより速く、複雑な能力を習得しやすいことが示されています。一方で、特定の技術スキルは急速に陳腐化しやすい傾向があります。

■Infor、2026年の働き方に関する予測を発表

 “AI共生時代”に身に着けるべきマインドセットを説くガートナー・ジャパンでは、「機械にできることは機械にやらせる」という「新たなビジネスアーキテクチャに舵を切るべき」と提言しています。

・新しいビジネス・アーキテクチャへと舵を切る:機械にできることは機械にやらせる
……企業や組織は、テクノロジにできるものはテクノロジに任せ、人は人間ならではのサービスに注力することがこれからの大きな方向になります。それには、従来の業務中心の考え方から、既存の業務がなくなることを前提にした、新しいビジネス・アーキテクチャへの転換が求められます。

■Gartner、2026年に向けて獲得すべきマインドセットを発表

予測:45歳以上のスキル・経験が豊富な「ミドルシニア人材」に脚光

 デジタル労働力(AIエージェント)が徐々に普及していくとしても、日本社会における人手不足は、2026年も引き続き深刻な問題であり続けるでしょう。

 そうした状況下で、パーソルキャリアでは、2026年にはミドルシニア層(45~60歳)の転職者数が過去最多水準になると予測しています。同社の転職サービス「doda」のデータでは、ミドルシニアの新規登録者が2020年上半期から5年連続で増加しており、転職決定者数も大きく伸びています。

「doda」におけるミドルシニアの新規登録者数推移/エージェントサービス経由での転職決定者数推移(出典:パーソルキャリア)

「35歳転職限界説」はもはや過去のものとなり、2025年時点でスキルや経験が豊富なミドルシニアの採用ニーズが高まっています。2026年も複数の領域で採用ニーズが高まることが予想されますが、その中から企業タイプと求められる人材の組み合わせを、5つ抜粋して紹介します。

1. 大手企業×情報セキュリティ人材、コンプライアンス人材
2. アウトソーシング・派遣領域×製造ラインのベテラン人材
3. 防衛・エネルギー・データセンターなどの政府の重点支援領域×エキスパート人材
4. 成長フェーズの中小企業×財務・経営企画・人事・営業のベテラン人材
5. 地方の中小製造業・外食・小売・ホテル業×管理職人材

■転職サービス「doda」、「2026年 ミドルシニアの転職市場予測レポート」を発表

予測:“AI共生時代”に適応し、変わるべきは「企業や組織」である

 これまで経験したことがない“AI共生時代”の到来に、不安を覚える人も少なくないでしょう。しかし、ガートナー・ジャパンでは、2026年に獲得すべきマインドセットとして「AI共生時代へ備える」「People-Centric(人間中心の考え)を徹底する」という言葉を掲げています。ここでは特に、社員個人ではなく企業や組織が“AI共生時代”に備えることの必要性が強調されています。

・People-Centricを徹底する
産業革命、AI共生時代においては、テクノロジに関わる「人」がより重要になり、企業や組織が、従業員に心理的安全性を確保し (大事に)、彼らが元気に、活躍できる職場環境を提供することは、不可欠になります。「競争力を強化したい企業はテクノロジだけでなくPeople-Centricと人材投資を徹底的に強化すべきです。……」

・AI共生時代へ備える
AIエージェントやヒューマノイドの登場など、AIが強化され、すべてがAIとなり得る時代に突入している中、私たちは今まで以上に人間として何をすべきか、人間力や人間性の強化が問われています。……「……企業や組織は自社を従業員である人間が活躍できる組織に再定義し、AIの利用とパフォーマンス評価の在り方を明確にするなど、AIとの共生を前提とした組織への転換が必要です」

■Gartner、2026年に向けて獲得すべきマインドセットを発表

* * *

 今回は3本の記事で、2026年のIT業界動向予測をざっくりとまとめてみました。これまでと変わらず、2026年のIT業界も大きな変化が続きそうな気配です。

 最後に、世論調査会社のイプソスが実施した「2026年予測レポート」の調査結果をご紹介しておきましょう。30カ国・2万3600人超を対象に行われた意識調査です(うち日本は1000人)。

 日本の結果を見ると、「2026年、自国の人々は長期的な将来について楽観視できるようになる」という回答が、前年比10ポイント増加の28%になりました。一方で「2025年は自国にとって悪い年だった」という回答は、3年前比で21ポイント減少の55%となっています。

 2026年が、こうした人々のポジティブな期待を裏切らない、良い一年になることを願いたいと思います。

「本調査により、日本人が抱く社会への認識が、停滞感から確かな期待感へとシフトしていることが明らかになりました。……このポジティブな変化が、単なる一過性のものに留まらず、実社会の活性化につながることを期待しています。」

■イプソス:日本人、将来への見通し「楽観視」が前年比10ポイント上昇ーZ世代とベビーブーマー世代が牽引

「2026年は、長期的な将来について楽観視できるようになる」という回答が前年比10ポイント増(出典:イプソス)

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