夢の技術! 自動運転の世界第53回

トヨタもホンダも参加したAWSサミットでSDV時代に向けてのAWS活用法を紹介

文●鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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 クルマの電動化、コネクテッド化、そしてSDV(Software Defined Vehicle)と、自動化の進化に対して、クルマのソフトウェアの重要度は高まるばかりです。そんなクルマのソフトウェア開発に欠かせないのがAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のクラウドサービスです。AWSをいかにクルマの開発に活用しているのかを、トヨタやホンダが参加する「AWSサミット・ジャパン2025」でチェックしてきました。

ソニー・ホンダの「AFEELA 1(アフィーラワン)」には、今イベント用に「AWS」のロゴが表示されていた

AWSを学ぶ日本最大のイベント

 AWSサミットとは、AWSのクラウドサービスを利用するエンジニアなどが集い、AWSに関する情報交換や学習を行なうイベントです。現代のさまざまなクラウドサービスの実現には、AWSの存在が欠かせません。そのため、ソフトウェア開発のエンジニアから利用者まで、幅広い層がAWSをいかに有効に活用するのかに興味を持っており、その疑問を解決する場が、このサミットなのです。そのためAWSサミットは、世界各地で開催されており、日本でも毎年恒例のイベントとして開催されています。

 本年度の「AWSサミット・ジャパン2025」は千葉の幕張メッセにて2日間の日程で開催されました。出展社数は270以上、スポンサーは130社以上、セッション(テーマごとの発表)は160以上を数えます。参加者は2日間の開催で現地とライブ配信を加えて、のべ6万9000名以上を集めました。「AWSを学ぶ日本最大のイベント」と言われるだけある大きな数字です。

幅広い業界向けに、数多くのセッション&展示を実施

 会場となったのは幕張メッセのメイン会場8ホールのうち4~8までの5つのホール。通常の展示会と違うのは、セッションのための大きなブースが15も用意されていることです。特に8ホールは、5つのブースでほぼ占領されていました。

ソニー・ホンダのブースには、CES2025にて発表され、北米で1月より予約開始となった「AFEELA 1(アフィーラワン)」が展示された

 8ホールでのセッションは、参加者全員が同時通訳レシーバーを使うという方式のため、外からセッションを聞くことはできません。そのためブースに壁はなく、5つのブースがすべてくっついています。つまり、セッション時は5ブース合計で2000人を超える参加者が並ぶ、壮観な眺めとなっていたのです。

ホール8に設置された2つのセッション用ブース。同時通訳レシーバーを使う方法のため、ブースごとの壁がないのが特徴だ。ちなみに、それ以外の10のブースは、普通に壁がある

 また、展示の多くはパネルとディスプレイのため、会場の通路は広いのですが、現地に足を運んでいる人が意外に多くて、かなりの賑わいとなっていました。感覚的には、1日で2万人近くの来場者があったのではないでしょうか。その来場者の多くが、ソフトウェア開発者やIT関連というのも、AWSサミットならではです。

 160を超えるセッションのテーマは、今ハヤリの生成AIの活用にはじまり、データ分析、クラウドインフラ、古いシステムのモダナイゼーション、セキュリティーといったもの。学ぶ場ということもあって「~の賢い活用法」や「~入門」「~の実践」というタイトルも数多く見られました。

 IT関連だけでなく、自動車、運輸、自治体など、幅広い業界向けのセッションと展示があるのも特徴です。今やクラウドサービスは、すべての業界で必須になっているということでしょう。ちなみに、メディア向けにインタビュー動画からの記事化/入稿までを自動で行なうAI活用という展示もありました。

自動車メーカーによるセッションと展示

 そんな数多くのセッション&展示の中には、当然、自動車関連もあります。自動車メーカーでいえば、トヨタとホンダ、ソニー・ホンダがセッションと展示ブースを展開していたのです。また、自動車関連を集めたブースには、自動運転技術を開発するTIER Ⅳ(ティアフォー)も出展していました。

ホンダのブースには、最新のADAS機能「ホンダ・センシング360+」を搭載する「アコード」が展示されていた

こちらもホンダブース「Amazon KinesisとDWHを活用したデータ連携の取り組み」を展示。手前にある模型からのデータをAWSのサービスを使ってデータ連携するデモだ

 セッション内容は、トヨタが「トヨタ自動車が保有する膨大なデータを活用した業務ドメイン特化型のRAG SaaS」というもの。ホンダは「クライアントファーストなHondaデータ戦略立案と爆速パイロット開発」、ソニー・ホンダが「Connected Vehicle Cloud の挑戦 – AFEELA とクラウドのシームレスな連携」でした。

 トヨタのセッションは、生成AIと外部データーベースを組み合わせたRAGの開発と、その横展開に関するもの。ホンダは、ホンダ車のコネクテッド機能を使って集めたメタデータの外販のためのパイロット開発に関するもの。そして、ソニー・ホンダは、クルマの開発から販売、新機能まで、幅広くAWSを活用しているという報告でした。

ソニー・ホンダによるセッション「Connected Vehicle Cloud の挑戦 – AFEELA とクラウドのシームレスな連携」では、幅広い業務でAWSを活用していることが示された

会場に用意された自動車関連展示ブースには、自動運転技術の「TIER IV(ティアフォー)」も展示をしていた

 展示ブースでは、ホンダには新型「アコード」があり、ソニー・ホンダには2025年のCESで発表された「AFEELA 1(アフィーラワン)」がお披露目されていました。「AFEELA 1」のエンブレムが「AWS」になっていたのは、この日だけのサプライズでしょう。

■関連サイト

筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 

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