不調な機器があればとりあえず中が見たくなるという分解大好きっ子にとって、基板コネクターの取り外しは、できればやりたくないもののひとつ。理由は簡単。固くてなかなか抜けないからです。
とはいえ、やらなくては分解できないことが多いのも事実。ケーブルを引っ張って抜くのが一番簡単ですが、これは、コネクターからケーブルが抜けてしまう、中で断線してしまうといった危険が高く、やってはいけない行為の代表格です。
●分解好きの悩み、それは"固すぎる"コネクター
正攻法は指でつまんで引っ張ることですが、基板コネクターは大抵小型。爪の先でつまんでも力が入らず、何度もすっぽ抜けてしまい、イライラした経験がある人は多いのではないでしょうか。
爪ではなく、ピンセットや小型のラジオペンチを使えばもう少しガッチリつかめますが、今度は力の入れ具合が難しく、コネクターを傷つけたり、潰して変形させてしまう危険もあります。また、変に力を入れているせいで、引き抜くときにコネクターが滑って斜めになり、中のピンが曲がってしまうこともありそうです。
●指もドライバーも失敗しがち
固くてびくともしないときは、左右の隙間に精密ドライバーを挿し込み、隙間を広げるようにして抜くという方法もあります。しかしこれは、周囲にスペースの余裕がないとできない方法なので、万能とは言えません。
結局、イケナイ事と知りながらケーブルを引っ張るしかないのか……と諦めてはいけません。その前に、専用工具となる基板コネクター抜き「SS-10」(実売900円前後)を試してみましょう!
●専用工具の絶妙な凹みがコネクターをキャッチ
専用工具だといっても、その作りはシンプル。ピンセット状のもので、ぱっと見は安価なIC引き抜きと変わりません。たまたま手元に、200円くらいで手に入れたIC引き抜きがあるので、見比べてみましょう。
まず違うのが先端の形状。IC引き抜きは板の端が曲げられているような形状ですが、SS-10は先が細くなっており、コネクターをつかむ凹みが作られているのが特徴です。
また、注目したいのはその厚み。IC引き抜きは約0.6mmと薄く、力をかけると曲がってしまいますが、SS-10は約1.2mm。コネクターをしっかり固定して引き抜くのに、頼もしい作りです。

この連載の記事
-
第87回
自作PC
「なめた…詰んだ…」を救う救世主、その名も「なめた精密ネジはずし」 -
第86回
自作PC
“描いて→切る”がこれ1台!スキャンできるカッティングマシン「CM300」使ってみた -
第85回
自作PC
ネジより簡単!金属もガッチリ固定できる工具「ハンドリベッター」が便利 -
第84回
自作PC
小さいバネ、飛ばして絶望したことある人に教えたい -
第83回
自作PC
“ピタッ”と欲しいところにピンポイントで効く「すべるのきらい」を使ってみた -
第82回
自作PC
動かない電子工作キット、その原因はどこ? -
第80回
自作PC
ホッチキスのようで本格派! DIY初心者におすすめの簡単工具「タッカー」とは? -
第79回
自作PC
ネジも溶接も不要?金属用接着剤「メタルロック」が強力すぎた【DIY初心者OK】 -
第78回
自作PC
乾けばゴムになる不思議なコーティング剤で工具をドブ漬け! -
第77回
自作PC
コスパも性能もまさに“ちょうどいい”マルチギア! DIY初心者向け電動工具の決定版か - この連載の一覧へ