料金はプロ向け、使いこなすには月額95ドル(1万4600円)が必要
ただ、Runwayは、値段の高さによる敷居の高さが課題としてあります。今後も利用者は限られていくのかもしれません。ポイントを消費して動画を生成する方式なのですが、一番安い月額15ドル(約2200円)のスタンダードプランでもらえるポイントでは、10秒の動画は12回ぐらいしか生成できません。月額35ドル(約5200円)のプロプランでも生成できるのは45回です。1回の生成で約0.8ドルかかっています。当然、生成に失敗することも少なくないので、やり直しをしていると、この回数では一瞬で使い尽くします。
月額95ドル(約1万4600円)のアンリミテッドプランだと動画生成に制限がなくなるため、使いこなそうと思ったらこのプラン一択になってきます。とはいえ、使い始めると、この料金は決して高くないのかもしれないとも思います。試しに1ヵ月契約してみているのですが、今回の取材のために多用していたこともありますが、2週間あまりで、すでに500回以上生成しており、1回当たりのコストは約0.2ドルにまで下がっています。また、この回数を実現しているのが、Turboの生成速度の速さで、生成開始までの待ち時間もありはするのですが、完了まで2~3分程度なので、他社のサービスの半分以下だと感じます。
一方で、リップシンクの動画生成機能などを使うとポイントを消費します。7分30秒分のポイントは付与されているものの、ある程度の長い動画を作るとなると、追加ポイントの購入は必要になってくるため、さらにコストがかかります。画像生成サービスに比べると動画生成サービスは高めに設定されている印象があります。処理のコストの差もあると思いますが、映像業界のプロ用途向けの料金設定になっているんだろうなと。
9月には、大手映画スタジオのライオンズゲートとの提携を発表しており、映画制作への技術応用の展開に向けても動きを見せており、今後はよりプロ用途が強化されてくるのではないかと思われます。

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