スイッチまわりにやや不満を覚えるものの
収納の多さとシートのデキに驚き!
運転席側のスマホまわりについて。まず、USBは2.4A出力のType Aがディーラーオプションで1万7160円。最大出力15WのQi対応ワイヤレス充電器もディーラーオプションで3万4000円となります。ナビと接続する際、ナビ側のUSB入力端子を使うのは、ちょっと煩雑かなと思ったり。
運転席まわりで気になったのは、オプションの「本革巻きステアリングホイール+ホットプラスパッケージ(ヒーター付きドアミラー、ステアリングヒーター、前席ヒーター付きシート、リアヒーターダクト)+高濃度不凍液+PTC素子ヒーターで4万1800円」のステアリングヒーターのボタンが、運転席右側の下の方にあったこと。夏場は使わないボタンなので隅っこに追いやられたのでしょうけれど、最初「どこじゃ!」と探してしまいました。空調周りは、エアコン操作パネル側にあった方が使い勝手がいいですね。
後席のデキも素晴らしい。シートは前後320mm可動で、リクライニング機構も用意。シートを最後端まで下げると、VIP系ミニバン級の足元スペースが得られます。プライバシーシェードもありますし、運転席の背面にはテーブルとUSB Type-Aソケットも用意されています。
スライドドアの開口面積も広くて、乗り降りしやすいのも◎。これにオットマンがあれば、VIP系ミニバンの居場所がなくなっちゃうのでは?
荷室は後席をイチバン前にすれば、675mmの奥行きを確保。座面を倒せば、ほぼフルフラットなので使いやすい印象を受けます。サイズにもよりますが、自転車だって載せられます。
モーターとターボで良い意味で「じゃじゃ馬」っぷりの走り
「トルクフルで軽やか。とにかく楽しい」というのがファーストインプレッション。アシストモーターとターボの組合せは、二段ロケットという形容がふさわしく、ラフなアクセル操作をするとガクガクするのですが、よい意味で「じゃじゃ馬」感たっぷり。
これが1トンと50kgのクルマを元気よく走らせるわけですから、楽しくないわけがありません。バンバン踏んでも、出るスピードはたかが知れていますから、安心して踏めます。乗りながら「デリカ・ミニってこうだったっけ?」と記憶を遡りますが、違ったような気が。あちらはもっと大人しいエンジンだったように思います。ちょっと不思議な感覚です。
インチダウンしたことも、乗り心地の良さとハンドリングに貢献している模様。柔らかな乗り味と軽快なハンドリングを知ると「こっちの方がいい!」と思えます。速度域の高いコーナーで盛大にロールし、横Gを感じながら走ると、頬が緩むこと間違いナシ! でもそんなに飛ばしていないのであしからず。
「ハイウェイスター」と名乗る以上、高速道路もイケるでしょ! と期待値は高まるわけで、その期待は「法定速度の範囲内」なら十分に期待通り。プロパイロットも熟成の領域に達しているようで、首都高でも「法定速度の範囲」で「それほどR(角度)が厳しくないカーブなら」グイッと曲がってくれます。今では当たり前の機能に思える高速道路の運転支援ですが、日産のデキのよさは、他社の一歩上をいくように感じます。
楽しくガンガン踏んでしまったため、燃費はリッター15km程度。それでも「抑えた方だな」と思ったりも。ちなみにカタログによるとWLTCモードで19.2kmだそうです。
「軽自動車って、走りがツマラナイよね」「軽自動車に乗るとか恥ずかしい」とか思っている方にこそ、ぜひ乗ってほしい1台。きっと絶対「軽ってすごい!」という心の声がダダ洩れることでしょう。使い勝手がよく、走って楽しく、高級感以外これ以上何を求める? 筆者は軽自動車がさらに好きになりました。
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