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印南敦史の「ベストセラーを読む」 第6回

『ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト』(森永卓郎 著、三五館シンシャ)を読む

財務省はカルト教団化している 森永卓郎氏が知ってほしかった「真実」

2023年09月28日 07時00分更新

文● 印南敦史 編集●ASCII

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 『ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト』(森永卓郎 著、三五館シンシャ)の冒頭において著者が指摘しているのは、「財政均衡主義」の問題点だ。それがそのまま、「ザイム真理教問題」につながっていくからである。

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ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト

 いうまでもなく、「予算における支出と収入は一会計年度で一致すべきだ」という財政均衡主義の考え方は、政界や財界、一般国民にまですっかり浸透しているだろう。だがそれは、とりわけ自国通貨を持つ国の財政に大きな弊害をもたらす。

 景気が悪化して、供給力に比べて、需要が足りなくなったとき、すなわちモノやサービスを作れる能力を経済が持っているのに、それが売れずに余ったときには、政府が公共事業を増やしたり、減税を行なって、需要を拡大すべきだというのがマクロ経済学の教えだ。(「まえがき」より)

 逆に考えれば、政府がなにも景気対策をせずに需要不足を放置していたとしたら、経済の収縮とともに税収が落ち込み、財政はますます悪化するわけだ。

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