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印南敦史の「ベストセラーを読む」 第23回

『「親がしんどい」を解きほぐす』(寝子 著、KADOKAWA)を読む

母が亡くなったとき「やっと解放されたんだな……」という思いが頭をよぎった

2024年02月01日 07時00分更新

文● 印南敦史 編集●ASCII

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 昨年の5月に母が亡くなったとき、「やっと解放されたんだな……」というような思いが頭をよぎった。悲しいわけでも、ましてやうれしいわけでもなかった。言ってみれば憑き物がとれたような感覚で、それはいまでも続いている。

 不謹慎だといわれるかもしれないし、そもそも私はもはや「いい歳をして」とツッコミを入れられてもおかしくない年齢に達している。しかしそれでも、いまだにモヤモヤしたものを抱えていることを否定しきれないのである。だから困っているのだ。

 詳しく書くと長くなるので簡略化するが、端的にいえば、物心ついたときからすでに、母親の価値観のなかだけで生きていくことを強要されているような状態だったのだ。ほめられたことはなく、なにがあっても「親に従え」とこちらの意見や考え方を否定されてきた。だから、「やっと」という思いを拭いきれなかったのである。

 そして、そんな事情があったからこそ、『「親がしんどい」を解きほぐす』(寝子 著、KADOKAWA)の内容にも強く共感できたのだった。

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「親がしんどい」を解きほぐす

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