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スーパーフォーミュラ広報大使の日向坂46・富田鈴花さんが着るレーシングスーツがガチだった!

文●吉田知弘 写真●JRP、吉田知弘(一部)

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日本レースプロモーション 上野禎久社長と日向坂46の富田鈴花さん

今年、スーパーフォーミュラがアツいのを知ってる?

 今や日本国内のみならず、アジア最高峰のフォーミュラカーレースとして、白熱したバトルが繰り広げられている「全日本スーパーフォーミュラ選手権」。2023年シーズンは、開幕戦から大きな注目を集めている。

 “新しい未来のテレビ”として展開する動画配信サービスの「ABEMA」が、2023年のスーパーフォーミュラ全9戦の決勝レースを無料で生中継配信することを決定した。それにともない、4月8日に富士スピードウェイで開催された第1戦では同時視聴者数が13万人に達するなど、さっそく大きな反響があった。

 さらに5月からは、スーパーフォーミュラの魅力を届ける情報番組「サーキットで会いましょう」を全8回のスケジュールで放送し、自宅でのテレビやスマートフォンを介しての観戦だけでなく、サーキットに足を運んでもらうため、さまざまな現地情報も番組内で紹介していくとのこと。

 番組のメインMCには、今もっとも勢いのあるアイドルグループと言われる「日向坂46」の富田鈴花さんを起用。昨年、BSフジで放送された「GO ON!NEXT~サーキットで会いましょう~」でMCを務め、ABEMAのスーパーフォーミュラ生中継では開幕戦からゲスト出演し、第2戦富士、第3戦鈴鹿では現場からのリポーターも務めている。そんな富田さんが今年は“スーパーフォーミュラ広報大使”に就任し、昨年以上に発信に力を入れていくこととなった。

番組MCでもあり、リポーターも務め、さらにスーパーフォーミュラ広報大使にも就任した日向坂46の富田鈴花さん

 もともとはモータースポーツに興味がなかったという富田さんだが、彼女の“鈴花”(すずか)という名前は、鈴鹿サーキットが由来となっている。かつてアイルトン・セナが活躍していた頃に富田さんの母親がF1にハマっていたとのこと。1990年代前半には、鈴鹿サーキットに足を運びF1日本グランプリを観戦していた経験もあるという。

 そんなエピソードを見つけた日本レースプロモーション(JRP)の上野禎久社長(以前、鈴鹿サーキットで広報を担当していた経歴がある)が、自ら事務所を訪れて直談判し、昨年のMC就任が決まったという経緯も話題になっていた。

名前の由来に注目した社長が出演を直談判した富田さん

 初の収録に臨むため、事前に勉強をしたという富田さんだが、気がつけばモータースポーツの魅力にどっぷりハマり、自身の公式ブログでも、時々レースの話が出てくるほど“アイドル界イチのモータースポーツマニア”と言われるほどだ。

 4月22~23日に第3戦が行なわれた鈴鹿サーキットでは記者会見が実施され、JRP上野社長と富田さんが登場。かなり緊張した様子の富田さんだったが、「広報大使というのが、おそらく前例がないことだと思います。どのようにやっていけば良いか、これから試行錯誤しながらより鮮度高く、もっと色んな方に知っていただけるように、自分なりのインタビューなどで、番組を通してお伝えできたら良いなと思っております!」と笑顔で意気込みを語った。

アイドルのブログでサーキットのコーナー解説まで披露する富田さん

 そんな富田さんだが、ABEMAの現場中継では、自身がデザインしたレーシングスーツを着用してリポートに臨んでいる。

F1基準のレーシングスーツに身を包む

 このレーシングスーツは世界的にも有名なスパルコ社製で、実際にレーシングドライバーが競技で使用しているのと同じ「FIA8856-2018」規格のものを採用している。そして、日本での取り扱いを担当するエンパイヤ自動車が制作に携わっている。最近はプリント技術も進化し、写真のような細かな模様なども再現が可能となったのだ。

髪の毛で隠れているが、左上にはTGRとHRCのロゴが並ぶという、なかなか見ないデザインだ。写真:吉田知弘

 FIA8856-2018規格を説明すると、F1をはじめ世界選手権を統括するFIA(国際自動車連盟)が定める最新のレーシングスーツの安全ホモロゲーションで、現在のF1では、FIA8856-2018規格のものが義務付けられており、F1ドライバーが皆着用しているスーツなのだ。

 国内格式の4輪レースでは、ひとつ前の「FIA8856-2000」規格も認められている競技があるが、今後はFIA8856-2018に一本化されていくだろう。もちろん、耐火性能やバッジの刺繍、貼り付け方法に関してもFIA8856-2018規定の方が厳格に基準が設けられており、FIA8856-2000規定の倍くらいの項目が明記されている。

これはひとつ前の規格のFIA8856-2000。基本的にはレーシングスーツの首の後ろを見れば分かる。現在はFIA8856-2018が主流

 また、レーシングスーツは車内に閉じ込められたまま火災が発生した場合に、ドライバーが無事に脱出できるように耐火性能が重視される。FIA規格ものだと、デュポン社が開発した耐火性、難燃性素材のメタ系アラミド繊維「NOMEX」で作られていることも多い。

 以上のように、これから世界的にスタンダード基準になる安全規定を満たした“ガチ仕様”のレーシングスーツを富田さんは着ているということになる。なんならこのスーツでレースに出られるのだ。

 そして注目のデザインなのだが「こだわりにこだわりました! ひとつずつ説明すると多分30分くらいかかってしまうんですけど……(苦笑)」と富田さん。記者会見の時間が許す限り、詳細を説明してくれた。

カラフルでアイドルっぽさが出ているレーシングスーツ。バックの「SUZUKA」を見ると、モータースポーツファンには鈴鹿サーキットが思い浮かびそうだ。写真:吉田知弘

 「まずは三角マークをいっぱい散りばめているんですけど、日向坂46は“坂道グループ”に所属しているアイドルグループなので坂道マークを入れたくて……いっぱい入れさせていただきました」

 「左腕のところには、私たち日向坂46のグループエンブレムも入れさせていただきましたし、背中には自分の名前になっている「SUZUKA」と大きく入れましたし、ドライバーの皆さんは、ここ(腰の部分)に名前が入っているのをみたので“私もここに入れたい!”と思って、入れました!」

 また、使用している色にもこだわりがあるという。日向坂46では各メンバーごとに“推しメンカラー”というものが決まっており、ライブでは自分が推しているメンバーの色にペンライトを変えて、応援するというのが通例となっている。

 「私のカラーは紫×紫なので、ファンの皆さんが紫のペンライトを2本持ってくださいます。その紫のカラーと、グループカラーである空色を入れたいと思っていました」と富田さん。

 胸の部分には、スーパーフォーミュラ「NEXT 50プロジェクト」のロゴに加えて、シリーズパートナーであるデロイトトーマツ、HRC、TGRのロゴも描かれている。ホンダ系のHRCと、トヨタ系のTGRのロゴが同じレーシングスーツに入っているのは、現段階では世界でこの一着と言っても過言ではない。

 時間の都合上、本人からの言及はなかったが、足もとには虹が描かれ、「Hinatazaka 46」と大きく描かれているのも特徴だ。

 日向坂46にとって、この“虹”というのは縁が深いもの。ライブの際に、ファンが会場全体で協力してサイリウムで虹色を作ることで有名なのだが、彼女の足元に描かれている虹も、おそらくこれが由来しているものと思われる。自分のこだわりというよりも、日向坂46のイメージカラーをふんだんに入れ込んでいるという印象だ。

 余談だが、ABEMAで今季のスーパーフォーミュラ決勝生中継の決定と、富田さんの第1戦・第2戦のゲスト出演が発表された4月6日。開幕大会の舞台となる富士スピードウェイでは、珍しく大きな虹がかかった。昨年の番組MCが大好評で、ファンから継続を求める声も非常に大きかっただけに、その想いが通じた瞬間だったのではないだろうか……。

サーキットに虹がかかった! 写真:吉田知弘

 なお、このレーシングスーツは昨年の番組放送期間中に制作され、今年1月に幕張メッセで開催された東京オートサロン2023でもエンパイヤ自動車(スパルコ)ブースで展示された。

 「サーキットにいて、すぐ(私のことを)見つけてくださるようなレーシングスーツにしたいなと思って、こういう色合いにしてみました!」と笑顔で語る富田さん。

 彼女をきっかけにサーキットに足を運ぶファンも増えているが、実物を見るとかなり目立つ色合いとなっているため、遠くからでも見つけやすいデザインとなっている。サーキットでの視認性はとても大事だ。

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