スマホ業界内でよく危惧されているのが、世界と比べて「日本は5Gの普及が遅れている」という指摘だ。
実際のところどうなのか。2022年12月22日、エリクソン・ジャパンが今年11月に発表した「エリクソン・モビリティレポート」に関するオンライン会見を実施。日本が世界から5Gで大きく後れをとっている点がデータからも浮き彫りになった。
基地局が少なく、速度が遅い日本の5G
例えば2022年前半時点で日本にある5G基地局の数は14.6万局となっている。LTE基地局が75.5万局あるため、比率としては19%となっている。14.6万局の多くはLTEからの流用であり、5G用に割り当てられたサブ6の基地局は6.9万局にとどまっている。
世界中のキャリアのネットワーク品質を調べているOpensignalの調査では、東京都内での5G補足率は平均で7.3%、山手線内でも17%強となっている。
5Gのスループットに至っては、韓国が536.2Mbps、台湾が309.5Mbps、中国が296.3Mbpsなのに対して、日本は165.1Mbpsと圧倒的に遅い。
サブ6基地局の面積あたりの基地局密度や人口あたりの基地局密度で韓国や台湾に大きく差をつけられているだけに無理もない。
また、大量のアンテナ素子を搭載し、ビームで速度と安定性を実現するマッシブMIMOの基地局の割合でも、中国と台湾が90%以上、韓国が70%なのに対して、日本は10%程度にとどまっている。
実際のところ、何が原因で日本の5Gは他国よりも大きく遅れているのか。
この連載の記事
-
第221回
トピックス
子どものスマホ料金プラン オススメは【専門家が解説】 -
第219回
トピックス
「ドコモ銀行」どう実現? 住信SBIネット銀買収の観測も -
第218回
トピックス
みずほ、楽天に助け船 ドコモは三菱UFJとタッグの可能性も -
第218回
トピックス
なぜグーグル「Pixel」はカメラが横並びなのか -
第217回
トピックス
シャオミ台数急増 理由は安くても品質に自信大 -
第216回
トピックス
総務省の“アップルつぶし”か スマホ下取り価格規制 -
第215回
トピックス
クアルコム、経済圏拡大に“邪魔者” アームとの対立深まる -
第214回
トピックス
ドコモよりauとソフトバンクの体感品質が上がっている事実 -
第213回
トピックス
総務省がソフトバンクを刺しに来た? もう割引規制なんて撤廃すべきだ -
第212回
トピックス
「折りたたみスマホ」いまだに低調 欲しいと思える「何か」が足りない -
第211回
トピックス
KDDIローソン、狙いは“学生” 「無料ギガ」と「吊るし」でアピール - この連載の一覧へ